第105話 エーリンとエミール

「警備隊隊長が来られましたので応接室に通してあります」

侍女が伝えに来る

「何の様だろう?」

「盗賊の件で間違えないですね」

レインが笑いながら言うと応接室に向かう

「エターナリア殿朝早く申し訳ない」

「何の用ですか?」

「牢屋が一杯で大変な事になっている!だからもうしばらくは盗賊を捕らえないで欲しい!護衛に警備隊隊員を付けるから頼む!」

隊長が頭を下げると

「盗賊がいなければ襲われないだけどね」

「領主様からしばらく自粛して欲しいと依頼されたから頼む」

「え?何故領主様が?」

「牢屋を増やして欲しいと伝えたら、理由を聞かれてエターナリア殿の事を伝えたら、流石に笑われて、警備隊隊員を常時警護に付けるように命令されたがエターナリア殿が自粛してくれれば面倒な事にはならない!」

「(クスクス)これ幸いと警備隊に護衛をさせる口実にするなんて」

レインは少し笑いをこらえながら言う

「監視されるのは面倒だね、数日は迷宮で遊ぶことにするか・・・」

「そうしてくれ!!頼んだぞ!」

侍女が入ってきてレインに耳打ちしてから出ていく

「御主人様、商隊が戻ってきました」

「あ!丁度良いね迷宮で鍛えよう」

「中心メンバーは鍛えておきましょう」

レインが微笑むと隊長はホッとした表情になる


「御主人様、ただいま帰りました」

「みな無事で良かった、何か問題は無かったか?」

「はい!御主人様、順調でした、これはゲルトバナ・エントのミリシアさんからの手紙です」

エターナリアは手紙を受け取り確認してから

「レイン読んでみて」

レインに渡すと


ゲルトバナ・エントは平和です周辺の町や村との交易も順調に出来ていますが不穏な噂が入ってきています、北の山脈を越えた王国で戦争が始まったと攻撃したのは狐耳族で狐耳族が優勢とのことです、狼耳族も狐耳族と共に戦争に加わっているとのことです


「大変な事態になりかねないですね・・・セレストリアとキサラの部族ですので、面倒になりますね」

レインが言う

「これは見なかった事にしていたらその内痛い目に合いそうだね」

「兎耳族の国も近いのでかなり面倒事になります」

レインが苦笑いしている

「兎耳族の二人を呼んでくれ」


「御主人様何でしょうか?」

兎耳族の姉妹が入ってくる

「護衛は慣れたかな?」

「はい!御主人様ありがとうございます」

「兎耳族の国の情勢を聞きたい」

エターナリアが言うと2人共青ざめる

「何故出身国の情勢を私たち等に・・・・」

「エーリン、エミール事態が悪くなりそうだからな!」

「え?事態が悪くなりそう?」

エーリンは青ざめているとエミールが涙目になっている

「狐耳族が隣国に攻め来んで戦争になっている、そうなると兎耳族の国も動く可能性が有るのではないか?」

「否定は出来ないと思います・・・現国王は人間嫌いですので・・・・」

「両親の仇を討ちたくないのか?」

「え?・・・・もしかして知っていたのですか・・・」

エーリンは驚いている

「セレストリアは狐耳族の先代娘だし、キサラは狼耳族の先代の一族だから非常に面倒事になるから正直に言って欲しい」

「え?・・・わかりました、私が先代国王の孫娘ですが叔父が父を殺して私たちを奴隷として売り払いました・・・引き換えに弟の助命して貰う代わりに・・・・」

「権力者は面倒だね」

「御主人様今までありがとうございました・・・面倒事になる前に私達を殺してください」

エーリンが言うとエミールは涙を流しながら目を瞑る

「2人共面倒事になる前に徹底的に鍛えるから、自分の身は自分で守れ!良いな!」

「え?しかし面倒事になりますよ・・・」

「喧嘩売られたら叩き潰す!!それだけだ!」

エターナリアが言うと

「御主人様ならそう言うと思いましたが、御主人様に喧嘩を売る馬鹿は徹底的に潰すからその剣と盾になる様に!」

レインが笑顔で2人に言う

「は?・・・・はい!御主人様!後良ければ私達のその・・・初めての御奉仕させてください・・・」

エーリンが赤くなりながら言うと

「御主人様にするためにはエニス奥様の許可を取ってきてください」

レインが苦笑いしながら言う

「申し訳ありませんでした」

エーリンが苦笑いするとエミールがガックリしている

「じゃあ明日から迷宮に籠って訓練だね」

エターナリアが笑顔で言うとレインが頷いている


「御主人様奴隷商人が来店して欲しいと伝言して帰りました」

侍女が伝えに来る

「奴隷商人か・・・」

「エター奴隷買うつもり?」

「何の用だろう?また押し付けるつもりかな?」

「そのつもりだとは思うから行かない様にね」

エニスが笑っている

「どのみち旅に出るから数人必要になるかな?獣人で情報収集係りが必要かも」

「え?何故獣人?」

「獣人の国に行くことになりそうだからね」

「獣人なら良いよ!子供出来ないから!」

「子供出来たらエニスは旅に出れないからね」

「え?・・・・それでも旅に付いていきます!!」

「子供より旅を選ぶんだね」

「え?・・・両方は無理なのかな?」

エニスが考え始める

「少し大きくならないと無理だね!」

「そうだよね・・・」

「エニス付きの奴隷も用意しておいた方が良いのかな?」

「おいて行かないで!子供はレインに任せるから!」

「良いの?そうなっても?」

「一緒にいられる方が大事!!」

「レインに伝えておくよ」

エターナリアが言うとエニスは頷いている


「奴隷商人が面会を求めています」

侍女が伝えに来る

「ん?行かないから向こうから来たのか」

エターナリアは呟きながらレインとエニスと共に応接室に向かう

「エターナリア殿お久しぶりです」

「何の用かな?」

「奴隷を買って貰えないでしょうか?」

「今は必要ないよ」

「そこを何とかなりませんか?実は奴隷が溢れて買い手がいないので、お願いします」

奴隷商人が頭を下げている

「何故そんなに溢れているのですか?」

「この町に買い手が減ったのと犯罪者奴隷も増えて、犯罪者奴隷を別の商人に売ると代わりに獣人奴隷と訳アリが増えてしまいます」

「犯罪者奴隷?」

「警備隊が捕まえた犯罪者で処刑までで無い者は犯罪者奴隷になりますが昨日警備隊が大量に送ると言われまして、他の町に送るにも余計な奴隷を押し付けられそうで・・・」

「エターのせいだね」

「御主人様が二つも商会を潰したせいですね」

エニスとレインが笑いながら言う

「1番と2番お得意様がいなくなったので手痛い所です」

奴隷商人が苦笑いしている

「仕方ないか・・・商隊を増やすとするしかないね」

「それは・・・町の商会が潰れてしまいます」

奴隷商人が苦笑いしている

「え?どうしてですか?」

「今でもアーガナルド商会以外はギリギリになっています、アーガナルド商会が扱う商品が増えればその分他の商会が潰れます、太刀打ち不可能ですので・・・」

「そんな事になっていたっけ?」

エターナリアがレインに聞くと

「エリスナの実力なら他の商会潰すなんて簡単ですね、それに有名になって取引したい商人が増えています」

「そうか仕方ないね」

エターナリアが言うとエニスが笑っている


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る