第103話 カルセトの事情
「カルセト様がもう一度会いたいと言われています」
侍女が伝えに来る
「カルセトは一人で来ているのかな?」
「はい、お一人の様です」
侍女が言うとエターナリアはレインを見てから
「会ってみるしか用件はわからないか」
「御主人様、面倒でももう一度会ってあげてください」
レインは笑いながら言う
応接室で待っているカルセトに会いにいく
「エターナリア様急に伺い申し訳ありません」
「用件は?」
「ケルトイス商会の婦人から代表の釈放の依頼が有りまして・・・警備隊に交渉をしましたが謁見が出来なくてエターナリア様であれば警備隊に話ぐらいの口利き出来ないかと思いまして・・・」
「カルセトが受けた依頼では無いのかな?」
「実は同業者が受けたのですが、クエールバスコでは全く伝手が無くて泣き付いてきました」
カルセトが苦笑いしている
「犯罪者奴隷落ちしている者を釈放は無理だと思うよ」
「それは解っています、会って原因を見つけて交渉します」
「無理はやめた方が良いよ、極悪商人だからね」
「え?極悪?・・・・まさか!」
「リザードの革欲しさに皆殺しして奪うつもりだったみたいだからね、調べでは以前にも皆殺しして商品を奪った前科も有ったみたいだね」
「まさか・・・・本当でしょうか・・・」
カルセトは青ざめている
「解ったかな?もしそんな相手を野放しにしたら被害者が出る事は間違えなく、その交渉をしたカルセトに責任と信用問題だよね」
エターナリアが微笑みながら言うとレインが同意している
「・・・・その通りですが・・・何とか会う事だけでも交渉みしては頂けませんか?」
「面倒事になるから、断ります」
「え?・・・そこを何とかなりませんか?」
カルセトな顔付きで真剣に言う
「カルセト様、御主人様に不利益になる様な事になりますので、お断りします!カルセト様は御主人様の代理人として御主人様の利益と秘密を守る義務が有るとは思いますが、今のあなたはそれが出来ていません、冷静になって考えてください」
レインがちょっと怒りながら言う
「それは・・・・口利きだけでも良いので・・・お願い出来ませんか?」
「御解りになられないのであれば、お帰りください!!あなたは目先の事ばかりでは話にもなりません」
「わかりました・・・出直してきます」
カルセトは頭を下げてから帰っていく
「レイン誰かに頼んで警備隊とカルセトに仲介を頼んだ相手を調べてくれ、面倒事になる前に手を打つ必要が有りそうだから」
「はい、カルセト様の方はすぐに尾行させます、警備隊隊長に事情を聞くようにします」
レインはそう言うと部屋を出ていく
「御主人様、警備隊隊長が来られましたので応接室に通してあります」
侍女が言うとエターナリアはレインと会いにいく
「隊長、御用は何でしょうか?」
「ケルトイス商会の件だが、ちょっと面倒な事になっている、とある貴族から釈放を要求されているが領主様はこれを拒否している、そうしたら今度は引き渡しを要求されている、そこに状況の確認が来たからちょっと来ただけだ」
隊長は苦笑いしながら言う
「王都の代理人が罪人との面会を交渉してくれと頼まれたけど、面倒事になりそうだから先に状況を知りたかっただけです」
「貴族は面倒だからな・・・ケルトイス商会落ち目でも老舗だから貴族に泣き付く事も出きるとはな・・・」
「領主様の判断に任せる方が良いね」
「エターナリア殿がそう言うので有れば任せるしかないな」
「喧嘩売られても、面倒だからね、エレストニの様にね」
エターナリアが笑顔で言うと
「は?エレストニ子爵家?今回文句を言ってきている貴族だぞ!」
「は?じゃあ無視で良いよ!ムカついたらすぐに取り立てるからね」
エターナリアが微笑みながら言うとレインが笑い始める
「・・・・既に喧嘩売られているとは、仕事は増やさないでくれ!頼んだぞ!お願いだ!」
「相手が襲ってこなければ大丈夫です、だけど町に賊を入れさせなければ大丈夫」
「やっぱり警戒を強めた方が良いのか・・・・」
隊長は苦笑いしている
「町中に賊が沢山いるから片っ端から捕まえてみる?大掃除した方が楽かもね」
「え?やめてください・・・・牢屋が足りなくなるのでやめてくださいお願いします」
隊長が必死になると
「御主人様それがよろしいと思います、町中を守る警備隊が役にたたないので大掃除して商人と冒険者を守りましょう、迷宮に飽きている人が多いので丁度良いですね」
レインが笑いながら言う
「じゃあ早速散歩に出る準備しようか?」
「はい!!御主人様!」
「ほほ本気なのか・・・・すぐに警備を強化しないと大変な事になる!!」
隊長は慌てて帰っていく
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