第102話 エレストニ子爵の都合
「エリスナからブロスカ様が来られて会いたいと商会で待っていますとのことです」
「え?エレストニ子爵家か・・・面倒だな、エリスナが決めて良いだけどね」
エターナリアが呟くとレインが笑っている
「御主人様がそう言っても相手は御主人様に会って話をしないと収まりませんので会う方が良いと思います」
「仕方ないから会いに行くか・・・」
エターナリアはレインと共に商会に向かいエリスナと合流する
「御主人様申し訳ありません、面倒な事を言われるので私が断り難い状態ですので、どうも借金は無効だ!と子爵が言われているようです」
エリスナが困り果てている
「面倒だね・・・好き放題豪遊したツケだろうけど」
エターナリアば苦笑いしながら言う
「それもそれがネタでクエールバスコ乗っ取り計画まで立てていた状況で言う事では無いですね」
エリスナも苦笑いしている
「面倒事はいらないけど、喧嘩売られたら、全力で潰すだけだけどね」
エターナリア笑いながら言う
「ブロスカ殿お待たせしました」
エターナリアが部屋に入って挨拶をすると
「エターナリア様お久しぶりです」
「本日の用件は何でしょうか?」
「実は領主様より・・・・借金は無効だと言うことを言われまして返済が出来ない状況になりました・・・・」
「理由を簡潔に説明をしてください」
「え?そもそも子爵家の借金ではなく、重臣がやった事で子爵は知らないと言う事です、重臣もベルトセル商会の手先になっていたのではないかとの事です」
「もしそう言われるのなら、子爵殿の名前で書類を作成され、領主のサインと承認印を押さなければ良かったと思いますね、更に重臣の不正であればそれを管理する領主様の管理責任ですよね、更に言えばその重臣の不正の証拠は有るのですか?」
「え?・・・・・それはその・・・・領主様が言われているだけで、証拠は有りません」
「それでは話にもなりません、支払う気が無いなら無いでそれ相応の手続きさせて貰います・・・借金を踏み倒す事が出来ないと言う事を思い知らせてあげます」
「え?何を・・・・」
ブロスカは青ざめている
「どれから始めましょうか?王国中の商人踏み倒される事の噂でも流しましょうか?町に出入りする商人や行商人に噂を流しましょうか?」
「それは・・・・やめてください、当家が破綻します・・・・」
ブロスカが青ざめて言う
「クエールバスコ乗っ取り計画の証拠を王国兵士に出して調査も良いですね、国王陛下の前で全てさらけ出すのも良いですね」
「そっそっそれは・・・・子爵家は取り潰しだけでは済まない・・・・」
「どうするかは子爵様次第ですね、国王陛下と王太子夫妻には先日王都で謁見してきたばかりですので、再び謁見する事も可能です」
エターナリアが笑顔で言う
「・・・・・もう一度子爵様に相談してきます」
ブロスカはうつむきながら呟くと部屋を出て帰っていく
「御主人様脅しすぎかもしれませんが逃げ道を無くしたのは良いかも知れません」
レインが微笑みながら言う
「ブロスカ殿は可哀想ですが、これがベストだと思われます」
エリスナが言うとタニタが同意している
ブロスカは馬車に乗りエレストニ・バスコに向かって帰っている
(とんでもない実力者なのか・・・・返さなければ子爵家は終わりだ・・・国王陛下まで出てくると間違えなく終わりだ・・・・家臣と家族は路頭に迷う事になる、全てはあの重臣と子爵様が悪いが最早状況が悪くなるばかりで打つ手は無くなったのか・・・・アーガナルド商会の恐ろしさ思い知る事になるのかも知れない・・・・)
涙を流しながら考え続けている
帰る前に商会内を見て回り
「エリスナ面白そうな商人はいたかな?」
「本日は御主人様がお会いするような商人はいませんでした、王都からの商人が増えていますが、殆どは魔法珠目的やリザードの革目的です」
エリスナが苦笑いしている
「宿屋は順調かな?」
「満室が続いています、料理の評判は素晴らしいそうです」
「服の販売はどんな状況かな?」
「先日から始めましたが、近隣の町や村の行商人が多く買ってくれています、材料の布も沢山仕入れ出来ていますのでどんどん作っています、鉛筆の使い勝手が良かったので、販売もしましたが既に入荷待ちになりました」
エリスナが笑顔で言う
「本当に心配なのは金貸しの部分だね」
エターナリアが苦笑いするとエリスナが頷いて同意している
「エリスナには苦労ばかりかけているね」
「え?いえ!御主人様の役にたてるだけでなく商人として1人前にしてくれて本当にありがとうございます、更に人員も増えてくれて初めの頃より楽になっています」
エリスナが笑顔で言うとみんな頷いている
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