第85話 王都の商人と

「次は王都の商会だったよね、どんな商会かな?」

「どうしても面会したいと言われて、用件も言わないので追い返していましたが」

エリスナが苦笑いしながら言う

「仕方ないから会って追い返そうね」

「申し訳ありません」

エリスナが言うと呼びにいくと男が入ってくる

「お初にお目にかかります、王都のケルトイス商会の代表です、アーガナルド商会の代表様ですね」

「忙しいから用件を言ってください」

「え?・・・リザードの革等を王都で売るために専属契約を」

「お断りします、用件はそれだけですか?」

「え?何故ですか!こんな素晴らしい話しは無いと思いますよ!」

「無いならお帰りください、では失礼します」

エターナリアは立ち上がり部屋を出ようとすると

「何だと!!何様だ!折角話に来てやったのに許さんぞ!」

男はエターナリアの腕掴みに来るがエターナリアは避けて

「何のつもりですか?」

「王都で売れば凄い利益になるのだぞ、解っているのか!」

「別にあなたと組む必要は有りません、またあなたと取引する気がしませんでしたのでお帰りください」

「え?何でだ!こんな良い取引はないはずだ!何故だ」

「取引とは相手が有っての初めて成り立つもの、自分の都合ばかり言うなど最低の事です、相手の考えも読めない者の話など聞く価値すらない、さっさと帰ってください」

エターナリアはそう言って部屋を出ていく

「そんな・・・・」

男は崩れ落ちて涙を浮かべている

「警備隊に外まで出して貰うように頼んでみようか?あれじゃ居座られるからね」

「畏まりました、隊長に相談してきます」

レインが微笑みながら言うと隊長に会いにいくとすぐに隊長と隊員がやってきてすぐに男を外へ誘導してくれる

「隊長ありがとうございます」

「あれは何だ?」

隊長が言うと

「自称王都の商会の人らしいけど、上から目線で嫌な感じだったから一言で断っただけの事です」

エターナリアが言うと隊長は笑いだす


その夜

「エリスナあの後あの商人はどうだった?」

「あの後男はもう一度会わせろと言ってきましたがもう会わないと伝えましたがしばらく居座られました」

エリスナが苦笑いしている

「他の商人の邪魔にはなっていないか?」

「邪魔ですが商人達に事情を話すと笑っていました」

「商会については情報は有ったかな?」

「ケルトイス商会は没落した商会で現在の代表になってから破産の危機になっていると解りました」

「それで代表が来たんだね、危険だから気を付ける様に、追い詰められた人はとんでもない事をするからね」

エターナリアが微笑みながら言うと

「畏まりました御主人様」

「エター明日はどうするの?」

「料理担当の家族を連れて迷宮に行こうかな?」

「え?どうして?」

エニスは驚きながら言う

「宿屋任せると強盗を撃退出来ないとね」

「戦闘狂!!遊び半分で人を鍛えないでよ!」

「暇潰しには良いと思うけど、料理人の能力があれば宿屋は儲かるよ」

「アーガナルド商会の商人用の宿屋ですので、最高を目指すのも大切です」

レインが笑いながら言うと

「食材の買取りと調味料の取引に非常に役にたちます」

エリスナが微笑みながら言う

「フレイの料理美味しいよね」

「それはフレイの料理は美味しいよ」

「流石は名人だよね」

「料理人の職業ですか?」

キャスカが聞いてくると

「そうだよ、本に載っていたかな?」

「料理人の職業に有りました、下働き、見習い料理人、料理人、調理師、上級調理師、達人、名人」

「キャスカ流石だね、その上に料理神だけどね」

「え?料理神?そんなの有るのですか?初めて知りました」

キャスカが驚くと

「エターまさか!フレイが料理上手いのは料理神なの?」

「この間迷宮に潜った時になったよ」

エターナリアが微笑みながら言うと、みんな驚きながらも笑いだす

「もしかしてみんなの職業変えているの?」

「え?変えるときもあるよアニタは特に」

「え?私ですか?」

アニタは驚くと

「アニタは剣神マスターしたから迷宮内だけ別の職業にならないと強くなれないからね」

「あ!そうなんだ!ありがとうございます」

アニタは笑顔で言うと

「ちょっと!戦闘狂!今何て言った!!マスターしたからって!凄い事をさらりと言った!!」

エニスが大声をあげると

「前衛は能力が上がるのが早いから仕方ないよ」

「え?・・・もしかしてセレストリアも?」

「天狐だよ、空狐にもなれるけど、マスターするまで待っているよ」

「てててててて天こここここ狐!」

セレストリアが挙動不審になっている

「セレストリア!天狐ってどんな職業?」

「え・・・・伝説に有る最高位の妖狐です・・・伝説に出てきます」

「空狐はどうなのかな?」

「聞いたこと有りません・・・」

「一族に知られたら大変だから内緒だね」

エターナリアが微笑みながら言うとみんな頷く

「リース、キサラどうかしたのかな?」

「え?御主人様はどんな職業ですか?もしかして、剣神ですか?」

「今は違うよ、全能だよ」

「全能・・・・全く解りませんどんな職業なのですか?」

「万能、覚醒者、超越者、全智、全能だよ」

「え?全く解りません・・・万能の下位の職業は何ですか?」

「下位は無いよ、条件も解らないからね」

「下位の職業が無いと言うと・・・英雄と勇者しか知りません・・・」

「小さな勇者、村の勇者、勇者、大勇者だね」

「え?何で知っているのですか?」

「クリスとセリカは勇者だからだよ」

「え?・・・・勇者様・・・そんな!本当ですか?」

「勇者だからアイテムボックス使えるだよ」

「え?・・・知りませんでした・・・え?御主人様は何故使えるのですか?」

「全能だからだよ」

「え?・・・他に使える職業は無いのですか?」

「英雄だね」

「そうなんですね・・・初めて知りました」

リースは驚きながらもぎこちなく笑っている

「アイテムボックス使えるのはほぼあり得ないですね残念です」

エリスナが言うと

「そうだよね、使えたら便利なのにね」

エターナリアが微笑みながら言う

「エリスナ、トリスナ、タニタ、マニタももう一度迷宮に入ってみる?」

「はい!行きたいです」

「明日から1人ずつ同行しようね」

エターナリアが言うとみんな頷いている

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