第81話 ベルダートと隊長

それから10日間迷宮に6人ずつ連れて潜り続けステータスの確認しながら、職業とスキルを覚えさせて今日は休息日にすると

「ベルダート様と警備隊隊長様がいらしゃいました」

「処理が終わったのかな?応接室に通しておいて」

エターナリアはエニスとレインと一緒に会いに行く

「エターナリア殿朝早く申し訳ない」

「ベルダート、隊長どうかしたのかな?」

「この間の賊の件ですが、重臣と裏で操っていたベトルセル商会の親族は捕らえましたが危ない所でした、知らせが来なかったら本当に取り逃がす所でした」

ベルダートが言うと隊長は苦笑いしている

「間に合って良かったです」

「しかしあの状態で嘘を言われるとは思わないぞ」

隊長が言うと

「あの状態なら犯罪者奴隷ですよね」

「その通りだ!既になった」

「買い手は誰になりますか?」

「え?それはまだ・・・・」

「同じ相手が全員買いとるなら危ないですね又襲われます」

エターナリアが言う

「あ!まさかそれが狙いか・・・・嘘を付いてもなんの罰にもならない・・・・」

隊長はうつむく

「ベルダート重臣の方はどうなりますか?」

「借金の回収は準備中ですが足りないと思います、重臣自身は今回の件で犯罪者奴隷にされています」

「領主様に犯罪者奴隷として領主様がこき使ってもらって借金返済は給金で行って欲しいと伝えてください、それに奴隷なら不正や犯罪の事を嘘付けませんからね、調べやすいですよね」

「その手が・・・・家族もそうすれば返済が終わるまで領主様に仕えさせれば借金返済が可能です、娘を奴隷として売らなくても良いですね」

ベルダートが笑顔になる

「アハハハ・・・そんな事したら他の重臣は恐怖です・・・不正に協力した者は皆捕まります」

「隊長も忙しいですね、牢屋が足りるかな?」

「足らん!領主様に言ったら笑われた!下っ端が多すぎる調べる身になってみろ!」

「さっさと犯罪者奴隷にしてから取調べすれば良いのにどうせもうなるのだから、敷地から出たらダメと命令をすれば出れないしね」

「あ!その手が!!早速試してみるぞ!!」

隊長は笑いだす

「ベルダート、アーガナルド商会で金貸ししても大丈夫ですか?」

「良いですが、今アーガナルド商会は恐怖の的ですから誰も借りないと思います」

ベルダートが苦笑いする

「そうなのか・・・残念だな、商業ギルドに手数料が入らないのは」

「え?もしかして、利息の一部をギルドに?」

「貸した後の取立てを委託して利息の一部を手数料にしていこうと思ったけど、アーガナルド商会が商会の利益の為に無理矢理娘や店を乗っ取れない様になるからギルドは安心でしょ、更に重臣達も返済を続けていれば今回の様に借金で言うことを聞かせるような真似は出来ません」

「商業ギルドは資金が有りませんから貸し出しは出来なくてもアーガナルド商会の資金で貸し出しが出来ると言うことですね」

ベルダートは笑顔になる

「今後担当が決まったら相談します」

「楽しみにしています」

「他に用は有りますか?」

「もう有りません」

ベルダートは微笑みながら言うと隊長も頷いて帰っていく


「レインこれで良いかな?」

「はい!御主人様、後はあの2人を育てれば大丈夫です」

「商業ギルドを手先にするなんて・・・」

「エニス、ベルダート喜んでいたでしょ」

「確かにそうだけど、本当に商業ギルドのギルドマスター?一番偉いだよね?」

「商業ギルドは借金が有りますので、アーガナルド商会が一番偉いですよ」

レインが笑いながら言うと

「え?もしかしたら、商業ギルドがアーガナルド商会の支店扱い?」

「そうだね、借金返して貰わないといけないからね」

「なんか・・・商業ギルドが可哀想・・・」

エニスが呟くと

「御団欒中申し訳ありませんが冒険者ギルドから呼び出しです」

「ケーレストから?何だろうね」

エターナリアが呟くと

「買い取りに行かないから呼ばれたのでは無いですか?」

レインが言う

「あ!完全に忘れていた!!行こうか?」

エターナリアが言うと

「迷宮に潜る目的が完全に奴隷育てるだけになっている・・・」

エニスが呟く

「面倒だし換金しても口座に預りになるだけだから行っても無駄」

「確かにそうだけど、どのぐらい溜まっているのかな?」

「え?知らない・・・・・レイン知っている?」

「知りません金貨何千枚ですかね?」

「まぁ良いか」

「どうでも良いと言っちゃった!」

エニスが笑いだす


18人を連れて冒険者ギルドに向かうと

「え?・・・・エターナリア様奥にどうぞ」

職員が青ざめると奥の応接室で待つ

「エターナリア殿やっときましたね」

「何の様ですか?」

「王都の方には行かないのですか?」

「行きたいのですが、疫病のせいで中々出掛けられません」

エターナリアが苦笑いしている

「商会も大きくなって忙しそうですね」

「幹部候補を鍛えるのが面倒です」

「冒険者登録はまだしてないですよね」

「だから全員連れてきたよ」

「登録をしましょう」

ケーレストが言うと皆登録を始める

「そう言えば買取りする?」

「ギルドが破産します・・・又増えていますよね」

ケーレストが苦笑いする

「この10日でブラックドラゴンを20回倒したからね」

「は?・・・・40層・・・まさか全員ドラゴン討伐手伝ったのですか?」

「そうですよ、鱗と魔石見ますか?」

「拝見します」

ケーレストは青ざめながら言うとエターナリアは次々と魔石と鱗を並べて魔法珠も置いていく

「ちょっとこの量買い取れません・・・」

「まだ全部じゃ無いけど」

「ドラゴン20匹じゃ無いですよね」

ケーレストが慌て出すと

「行きと帰りにドラゴンとレッドドラゴン狩っているからこうなるよね」

「アハハハ・・・・本当に10日で・・・え?まさか全員相当強いですよね・・・」

ケーレストは青ざめてカウンターの方を見ると

「支部長・・・可笑しいです・・・全員大商人です、あり得ないです」

職員は泣きそうになって言う

「全員ドラゴンバスターの証を付与するから冒険者登録をするように・・・・」

ケーレストが言うと職員は頷いて登録を始める

「大商人・・・商会で手腕発揮したらもうどの商会も相手になりませんね」

「共存するつもりですから大丈夫です」

エターナリアが微笑むと並べたアイテムをしまう

「実は、王都から魔石が足らないと送るようにと連絡が有りました」

「じゃあ魔石全部出す?」

「全部は無理です・・・・質の良いのを千個ぐらいで良いですか?」

ケーレストが苦笑いしながら言うと

「わかった千個だね」

エターナリアは41層の魔石を積み上げ始めると職員が数を数えながら固まる

「どうした?何か有ったか?」

「買い取れません・・・・価値が解りません」

職員が青ざめている

「は?何故だ!」

「この大きさ30層以降よりも大きいです・・・・」

「え?まさか・・・確かに」

ケーレストは青ざめてエターナリアを見る

「41層のレッドリザードの魔石だよ」

「え?・・・・レッドリザード」

「どうかしたのかな?」

「41層に行かれたのを知りませんでしたので・・・すぐに買い取り額を調べますが王都で調べる必要が有ります」

「あれ?そうだっけ?」

エターナリアはレインを見ると

「確かに来ていませんでしたので知らないと思います、大量殲滅しかしていませんから」

レインが微笑みながら言うと

「あ!そうだね、じゃあこれとこれも出しておかないと」

エターナリアはレッドリザードの革と魔法珠を出して並べる

「魔法珠!に革ですね・・・」

ケーレストは魔法珠を手に取り見てから

「オークションですね・・・金貨20枚からスタートですがどのぐらい有りますか?」

「え?えーと失敗もしているから、10000個ぐらいかな?」

エターナリアが言うとケーレストは魔法珠を床に落として固まっている

「あれ、大丈夫?」

「え?・・・・今10000個と聞こえましたが本当ですか?」

「出して数えてみる?」

「えーと、買い取れませんしオークションに全部出したらオークションが成立しません・・・冒険者ギルドが破産しますので商会で販売してくださいお願いします」

「え?良いの?商会の交易品にしても」

「それしか有りません・・・王都のギルドも破産します・・・とうとうギルドが買い取り義務を果たせなくなりました・・・」

ケーレストが言うと職員がまだ固まっている

「御主人様、とうとう冒険者ギルドが認めましたね、買い取り拒否を」

レインが笑いながら言うと

「そうだね、拒否されちゃったね」

「そう言わないでください、限度を越えすぎです」

「魔石は何に使うの?」

「え?魔道具と魔道具の魔力の供給です」

「多くの魔石が必要だと言うことは多くの魔道具があるのかな?」

「街灯が復活しましたから必要なのです」

ケーレストが言うと

「街灯?見に行きたいね」

エターナリアが微笑むと

「綺麗だと思います」

ケーレストが言う

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る