第73話 宿屋とパン屋とタニタ

「エリスナこの辺りで陶器作りが盛んなのはどこかな?」

エターナリアがエリスナに聞くと

「え?陶器ですと南東の村の土の質が良いと聞いたことが有りますが、何か作られるのですか?」

エリスナが言うと

「ちょっと研究して作って見たい物が有るんだけど」

「何を作るつもりですか?」

「黒い炭を粘土に混ぜて色の付いた棒にして布に印が書けるか試してみたいだけだよ」

「え?・・・・もし成功したら素晴らしい物になりますね・・・・」

「クリスとセリカが戻ってくるまでまだ時間があるからね」

エターナリアが微笑みながら言うと

「行商人に紹介して貰えるように話します」

「よろしく頼んだよ」


エターナリア達は2日間警備担当の奴隷達を連れて迷宮で訓練をさせると

「これで全員かな?」

「他の担当も訓練させるかな?」

「それは良い考えですが・・・完全な暇潰しですね」

レインが笑いながら言うと

「安心して出掛けられるようになるから良いかな」

「エター戦闘狂の本性出してきた!」

エニスが笑いながら言うと他の担当も次々と迷宮で訓練を行っていくと子供以外は終わり再び6人の訓練を行う事にする


「御主人様、ベルダート様が商業ギルドに来て欲しいとの事です」

「ベトルセル商会の件かな?」

「そうだと思いますので、念の為タニタを連れていきましょう」

レインが微笑みながら言うとタニタも連れて商業ギルドに向かうと

「エターナリア様お待ちしていました、奥にどうぞ」

職員が案内してくれる、そしてベルダートが入ってくる

「エターナリア殿今日はベトルセル商会の件ですが、この町の財産は差し押さえ終わりましたが問題が沢山出てきました」

「問題と言うと?」

「まずは副ギルドマスターと同じように借用書が沢山有りかなりの人に金を貸していた事が解りました、その中に領主の息子と娘もいます、次は親族の商会の件は今差し押さえの為に職員が向かいましたのでしばらくかかります、次は2つの村を完全に借金で支配下においていました、犯罪も現在調査中ですが色々出てきています」

ベルダートが苦笑いしながら言うと

「結構難しい事になりそうですね・・・もしかしたら副ギルドマスターよりタチが悪いですね」

エターナリアが苦笑いしながら言うと

「借金でかなりの商会を傘下と見た方が良い状態ですが・・・ここまでの規模になるともう少し調査が必要です」

ベルダートは苦笑いしている

「判断が難しそうですね」

「しかし・・・実は店の再開を3ヶ所は至急する様にと言われています」

「どの店ですか?」

「この宿屋兼料理屋とこのパン屋とこの薬屋です」

「何故パン屋が?」

「パン屋が閉まっているので他のパン屋が無くて困っています」

「店員はいるのですか?」

「いますが、店を開けるには資金と店が差し押さえてしまいましたので、開けれません、エターナリア殿にすぐに引き渡してもよろしいですか?」

「解りました、今回の件はタニタに一任して運営をさせます」

「解りました、すぐに準備します」

ベルダートは笑顔で言うと資料を持ってこさせるとタニタが真剣に読み出して

「パン屋はすぐに再開をして大丈夫です、この宿屋も再開をして良いと思いますが、職員が足りませんのでエリスナに頼んで数人借りたいと思います、薬屋は再開まで少し待った方が良いと思います」

タニタが言うと

「薬屋のダメな所は何かな?」

「収支が全然あっていません」

タニタが言うと

「そこにも不正が有ると見ているのですね」

ベルダートが苦笑いする

「可能性でしか有りませんが調査が必要です」

タニタが言う

「タニタ任せるけど危険な調査はまだやらなくて良いから宿屋とパン屋を先に開始するように」

「はい!畏まりました」

タニタは笑顔で言うと

「薬屋はどこかに隠し資産があるのかな?」

エターナリアが言うと

「先に調査しておきますので、パン屋と宿屋の引き渡しの確認書類です」

レインとタニタが書類を確認して問題ないのを確認していくと

「宿屋とパン屋に寄ってから帰ることにしようか?」

「パン屋から行った方が良いとは思います」

タニタが言うとみんな頷いている

「他の資産はどのぐらいになるのかな?」

「実際金貨10000枚から30000枚ですが隠し資産がどのぐらいかは解りません」

ベルダートが苦笑いしている

「どのぐらいで引き渡しになりますか?」

「10日ぐらいです、前回の様な事が無いようにします」

「少し自由に動けますね」

エターナリアがいうとエニスが笑顔になり、帰ることにすると職員が同行してくれる


「こちらがパン屋です」

職員が言うと中に入っていくと店員が待っている

「はじめまして」

エターナリアが微笑みながら言うと

「何がどうなっているか知らんが店は開けて良いのか?」

店員が言うと職員が説明を始めて店員達は驚いている

「理由は解った・・・ベトルセル商会が破産とは思わなかったが納得した・・・」

店員達は動揺している

「タニタ早速店員達と話し合いをするように雇用条件を再確認と運営状況の書類も確認してくれ」

「畏まりました」

タニタは店員1人ずつ話をしていく

「先に書類を確認しておくかな?」

「御主人様それが良いと思います」

レインが微笑みながら書類を持ってくると確認を始める

「御主人様お待たせしました、こちらが店長です」

タニタが紹介すると

「パン作れるなら誰でも良いが作る邪魔はしないで欲しい!」

店長が言うとタニタが慌てている

「職人だね、何が有ってもパン作りを辞めない様に約束できるかな?」

「は?当たり前だ!何を言っている」

「店長は腕は良いが経営はまるで出来ないようだから、タニタ注意するように」

エターナリアが笑いながら言うと店長が大笑いする

「話が解る男で良かった!!」

「気を付けます御主人様」

タニタが苦笑いしている

「明日以降の準備を早く始めた方が良いかな?中々出来ない掃除も今の内にやるように」

エターナリアは笑顔で言うと宿屋に向かうことにする


「こちらが宿屋の方になります」

職員が案内で中に入ると

「アーガナルド商会のエターナリア様よろしくお願いします」

店員達が挨拶をする

「宿屋内を確認している間にタニタと雇用契約について話をするように」

エターナリアが言うとタニタと店員達は別室で話合いを始める

「御主人様各部屋まで全部見て回りますか?」

「それが良いと思う」

エターナリアが言うとエニスが各部屋を確認しながら微笑んでいる

「部屋の掃除はしていてくれたんだね」

「店員達はこれしか仕事出来ないので再雇用して貰えるように頑張ったですね」

レインが微笑みながら言うとエニスも微笑んでいる

「御主人様話合いは終わりました、しかし若干人数が足りませんので補充も必要ですがやる気はあるので頑張って貰います」

タニタが言うと店員達はまだ不安そうにしている

「人数の割には綺麗だが食堂がまだまだ汚い今日明日は、宿屋内の清掃を徹底的にやるように、泊まり客がいない間しか徹底的に掃除は出来ないのは理解出来るか?」

「はい!畏まりました、掃除をやるようにします」

「タニタは明日の夜に確認してから明後日の営業開始を目指すように」

エターナリアが言うと店員達は頷いてホッとしている

「タニタは書類を確認して状況の把握しておいてくれ」

「はい!御主人様」

タニタは書類の確認をし始めてエターナリア達は先に帰ることにする

「エター、タニタ張り切っていたね」

「エリスナとトリスナをずーと見ていたからね仕事を任されるのがうれしいだと思うよ」

「マニタの様子を見てから帰りますか?」

エニスが微笑みながら言うと薬屋に向かうことにする


薬屋に入り作業を見ているとみんなが疲れているのが解る

「あ!御主人様」

マニタが気が付き来ると

「みんな休みは取れてないの?」

「え?そう言えば中々休まないです」

「ダストル少し休むように」

エターナリアが言うと

「はぁー?疫病で大変なのに休んでいられるか!」

「ダストル!あなたは薬師だだからこそ解るはずだ!周りの人の疲れで効率が落ちているのが!」

「何を!まだまだ大丈夫だ!」

ダストルは大声で言う

「周りを見てから言いなさい!」

エターナリアが言うとダストルが周りの人を見て床を見て

「大分汚れている・・・こんなにこぼしていたのか・・・」

「解った、きりが良くなったら今日は終わりにするぞ」

ダストルがみんなに聞こえるように言うと苦笑いしている

「冷静さが大切だと思い出してくれてありがとう」

エターナリアが微笑みながら言うと

「昔の事を考えて急ぎ過ぎただな・・・昔にあんたがいたらもっと沢山の人を助けられたと思うぞ・・・・」

ダストルは呟き、苦笑いしながら調合している薬を確認している

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