第72話 領主とレイン

家に帰り

「エリスナ、ベトルセル商会は知っているか?」

「あ!はい!大きな商会ですが・・・嫌がらせしてきています」

エリスナが苦笑いしている

「どんな嫌がらせだ?」

「布の行商人にアーガナルド商会に売るなと言いまくったり、薬の材料を売るなと色々言っていますが、御主人様が商隊で色々買ってきてくれたので全く問題はありません」

エリスナは微笑みながら言う

「今日襲って来たから返り討ちにして、ベトルセル商会に乗り込んで潰して来たからもう嫌がらせは無いが直接命を狙ってくるかも知れないから気を付けるように」

エターナリアがいうとレインが笑い出す

「え?潰してきた?どうやって?」

「御主人様の持っている迷宮のアイテム全部でいくらぐらいになると思いますか?」

「え?考えた事無いですが・・・あれ?とんでもない量ですよね」

「武器も合わせたらいくらかな?」

「え?数万枚分ですか?」

エリスナが考えながらいうと

「その10倍買い取ると契約を結んで、買い取れなかったら契約違約金としてギルド買取額の3倍の違約金支払い義務となったら払えるかな?」

「え?絶対不可能です、まさかやってきたのですか?」

「そうだよ!余罪で警備隊隊長と領主様が大変な事になっているし、商業ギルドも大変だね、だから今がチャンスだよ」

「畏まりました」

エリスナが苦笑いしている


エターナリアがゆっくりしていると

「御主人様警備隊隊長が至急会いたいと来ました」

「え?何だろう」

エターナリアは苦笑いしながら玄関に行くと

「朝早く申し訳ない実は・・・」

「会いに行きません」

「え!まだ何も言っていないが」

「面倒事は嫌ですので、会いません」

エターナリアがいうと隊長は苦笑いしている

「アハハハ・・・・・頼むから話だけ聞いてくれ、領主様が今回の件でお礼を言いたいと言われ面会に来て欲しいと言われている」

隊長が苦笑いしながら言うと

「忙しいのでお断りします」

「そこを何とか出来ないか?」

「面倒事になるのでお断りします」

「やはりエターナリア殿は断りますか・・・」

隊長は苦笑いしている

「実は領主様にそう言ったのですが・・・どうしても相談したいと言われていますどうしたら会って貰えますか?」

「御主人様ここは私が代理でお会いしてきましょうか?」

レインが言うと

「レインに任せた方が貴族相手は良いよね」

「え?レイン殿を代理ですか?」

「何か問題でも?」

エターナリアが言うと隊長は苦笑いしている

「レイン殿はその・・・奴隷ですよね」

「そのどこが悪い?」

「その領主様が相手ですので・・・」

「それなら絶対に会わない、それだけだよ」

エターナリアが笑顔で言うと

「解りました、お連れしますが会えない可能性も有ります」

隊長はそう言う

「準備して行ってきます」

レインが着替えてから隊長と出掛けていく


「エター、レインは大丈夫かな?」

エニスが心配そうに言うと

「もしレインに何か有れば、領主を叩き潰すだけ!」

エターナリアが笑いながら言うと

「本当にやりそうだから怖い」

エニスも笑い出す

レインが帰ってくるまでエターナリアは商会の資料をタニタと一緒に確認していく


「ただいま帰りました」

レインが微笑みながら部屋に入ってくる

「どうだった?」

「領主様は疫病の心配とその感謝を言いたかったのが、表の要件でした」

「裏の要件は?」

「ベトルセル商会の件でしたが、更に裏で王女様の件で相談したいとの事でした」

「警備隊隊長は信用出来ないね」

エターナリアが微笑みながら言うと

「その通りでした、帰りに問い詰めておきました」

レインが微笑みながら言う

「王女様からはなんて言ってきたのかな?」

「助けてくれたことに対してのお礼を言っていました、御主人様以外だったらと考えたら震えが来るとの事です」

「冷静になったのですね、それは良かった」

エターナリアは微笑みながらレインに言うと

「それが・・・無理矢理服を奪い下着を確認した件は全てが終わったらお詫びに来てくださいとの事でした・・・・」

「え?・・・・これはやられましたね」

エターナリアは苦笑いして言う

「取り敢えずは身分も解らず全ての命令を拒否した王女様が悪いと言っておきました、又、奴隷商人の奴隷なのですから、そんな事でお詫びは出来ませんと伝えてあります」

レインはニッコリして言うと

「やはりレインだね」

「やはりもう一度お会いして正式にお礼を言いたいと言っていましたので、気が向いたらお会いしますと回答しておきました」

レインはニッコリして言うと

「レインがいてくれて本当に助かるよ」

「ありがとうございます御主人様」

「やっぱりレインは完璧だ・・・全く考えられない事を平気でしてくる・・・」

エニスが苦笑いしている

「エニスそれは育ちの違いだよ、レインは元貴族で成人していたからね」

「あ!エターその通りだ!」

エニスも納得する

「帰ってすぐで悪いだが、レイン頼みがあるだけど、アニタが調子のって6人を滅多打ちにしたから、回復魔法使って貰っても良いかな?」

エターナリアが苦笑いしながら言うと

「え?またアニタ暴走ですか?」

「リースの作戦が大当たりしてアニタが一本取られそうになって本気を出したみたいだね」

「え?アニタがそれは凄いですね」

レインは驚きながら言うと

「エルフ族は頭が良いね」

エターナリアは笑顔で言う

「鍛えれば本当に戦力になりますね」

レインは笑顔でアニタ達の所へ行き6人に回復魔法を使うと

「レインごめんなさいちょっと危なくなって本気を出して・・・・」

アニタはションボリしながら言うと

「もう少し頭を使えるようにしなさいねアニタは1番剣術に優れているのだから」

「うん!頭も使う様にする・・・」

アニタは反省しながら考えている

「リース戦術でアニタに本気を出させたのは凄いですよ、戦闘力の差をもっと考えなさい」

「あんな速さどうにもなりません・・・・」

リースは涙目になる

「本気にさせたのを誇りなさい」

レインが微笑みながら言うと訓練を再開する

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る