第67話 姫様と謀略

警備隊隊長がやってくる

「エターナリア殿どうかしましたか?」

「隊長、実はこの娘は誘拐された様ですね、それも名前も言わないので対策を練りたいのですが」

エターナリアが言うと隊長は驚く

「誘拐された人だと私は知らないでこの犯罪者奴隷を買い取りました申し訳ありません」

奴隷商人はそう言うと

「解りました」

隊長は女に聞くが何一つ答えない

「これでは誘拐か判別出来ません」

「来た時からこの調子でだからエターナリア殿に買って貰おうと交渉していましたが、エターナリア殿が誘拐の疑惑を持ち相談しました」

奴隷商人はが言うと

「エターナリア殿が言うのであれば間違えないですね」

隊長は苦笑いしながら言うと

「隊長に調べて欲しいのですが、王都で行方不明の貴族の娘がいないかと死んだ事になっている者がいないか」

エターナリアが言うと

「王都ですか?何故ですか?」

「下着が王都の有名な店の物です、王都で暮らしていて、15歳ぐらいの娘で高位の貴族に絞ってください」

「解りました記録を調べさせます」

隊長が言うとエターナリアは女を見てから

「女はトレイソルト・バスコの奴隷商人に犯罪者奴隷として売られた様なのでその商人についても情報が欲しいです、女は記憶を失っていると言うことにしておいてください」

エターナリアが言うと隊長は頷き

「えーと、この奴隷は詰所で保護しますか?」

「それは・・・もし貴族で有れば大変な事になりますので、無理です、エターナリア殿に保護して貰うのが1番良いと思います、念の為領主に報告をしておきます」

「面倒事は要らないので預かりたく無いですね」

エターナリアが言うと

「そこを何とかお願いします・・・6人買って貰ったので、ただで良いので、連れて帰ってくださいお願いします」

「エターナリア殿が買うのであれば問題は有りませんね」

隊長が言うと

「問題有ります、エニスが怒っています」

エターナリアが言うとみんなでエニスを見ると

「連れて帰ったら許しません」

エニスが言う

「大問題です・・・エニス様が怒っていると無理ですね」

隊長は苦笑いしながら言うと

「エターはもう何となく解っているから嫌がっているのでしょ」

エニスがエターナリアを見て言うと

「え?それはわからないよ、あ!冒険者ギルドに行けば職業が見れるよね」

エターナリアが誤魔化して言うと

「そうですね、その手が有りますね、貴族が村人か判断はつきます」

隊長が言うと服を着させて連れていくことにする


「ケーレストいますか?」

「あ!エターナリア様お待ちください」

職員が応接室に案内してくれてケーレストを呼びに行くと

「今日は何の用ですか?」

ケーレストが言うと隊長が説明を始めるとケーレストは納得してから女の職業を確認すると

「え?どう言うことだ!!おお王族だと!!」

隊長は驚きケーレストを見る

「大変な事になりました・・・」

ケーレストも事態に青ざめている

「これで話してくれますよね」

エターナリアが女を見て言うと

「え?・・・・・」

黙りながら震えている

「名前まで言った方が良いですか?姫様」

エターナリアが言うと

「え?・・・・伯父に騙されて外出しましたがそこで捕まり奴隷にされてここに売られました、側にいた家臣も侍女も皆殺しにされて・・・」

涙を流しながら言うと

「だから死んだ事にしたまま奴隷として早く死ぬ事を願っていたんだね、そして、何も言わないで命令もきかないで苦しみだけ耐えていたんだね」

エターナリアが微笑みながら言う

「その通りです、申し訳ありませんがこのまま死なせてください」

女が言うと

「とんでもない事態です・・・領主に伝えても及び腰になります」

「ギルドでも対応は不可能ですご無礼が有ってはどうにも出来ません」

隊長もケーレストも困惑しながら言うと

「取り敢えずは、売りに来た奴隷商人を捕まえて吐かせる方が良いと思いますけど、まだ町にいないかな?」

「あ!はいすぐに手配します」

隊長はすぐに隊員に捕らえるように伝える

「奴隷から解放される方法は有るのかな?」

「残念ながらこの町では無理です」

ケーレストが答えると

「後は領主に丸投げで頑張って貰いましょう」

エターナリアが言うと

「それしか有りませんよね・・・・」

ケーレストが残念そうに王女様を見ると

「お願いです、もう死なせてください・・・生き恥はもう晒したく有りません」

「何を勘違いしているのですか?あなたと一緒にいた家臣の名誉はどうなりますか?その家族はどうなっていますか?謀略で死んだのと、盗賊に殺されたのではどのような違いが有りますか?」

エターナリアが言うと

「え?・・・まさか・・・」

王女様は青ざめる

「例えば、狙われたのは家臣の方であなたはどうでも良かったと言う事で、巻き込まれただけで有ればどうですか?」

「そんな・・・・どうしてそう言えるのですか?」

「もし私が犯人なら間違えなくあなたを殺すか、犯罪者達に犯させてから奴隷商人に売り飛ばして娼婦にしていますね、それも呪いで言葉を奪ってからね」

「え?・・・そんな・・・そこまでは・・・」

「もしくはボロボロになるまで犯してから放置して兵士に見つけさせるとか」

「え・・・・それは・・・」

「無傷で奴隷商人に売られたのがどれだけ温情が有るか解りましたか?」

「そうですが・・・」

「伯父に騙されたのでなく伯父を陥れる事が目的の可能性も有りますよね」

「え?それは・・・だとしたらどうしてですか?」

「伯父が失脚したら誰が特をするか考えてください」

「え?・・・・・従兄弟ですか?」

「従兄弟は結婚していますか?」

「はい、していますがどう言うことですか?」

「従兄弟の奥さんの実家はどうですか?」

「え?かなりの借金が有ると聞いたことが有りますが・・・・」

「それの可能性と後はクエールバスコ領主に奴隷商人の管理出来ていないと陥れて何らかの謀略もあり得ますので、こちらは奴隷商人の拘束と姫様の保護と国王陛下への報告と国王周辺の重臣に目を光らせないといけないですよ、隊長」

エターナリアは姫様と隊長を見てから言うと

「何としても奴隷商人は拘束しないといけないのですね・・・可能性が有るならば重臣と領主様に相談します・・・」

「私の名前は言わないでください、後が面倒ですので、西側の疫病で手一杯ですので」

エターナリアが苦笑いしながら言うと

「あのー西側の疫病とは何ですか?」

姫様が疑問になって言うと

「大分前に流行った疫病が再び発生して今この町から薬を送り込んでいます、今回の奴隷購入は今後の対応で必要になるので行った次第です」

「え?・・・疫病が大変な事態です私等よりそちらを優先してください」

姫様が言うと

「隊長、姫様の発言で1つ思い付きましたが、事が進行して姫様の件を隠す必要が出たならば、国王陛下の命令で姫様が来訪している事にしてしまえば、国王陛下が疫病対策に乗り出していると宣伝になりますよね」

「え?それはそうですが・・・」

「陰謀が全て明らかになった後の問題ですがね」

エターナリアが笑いながら言うと

「領主様に相談しておきます」

隊長は苦笑いしながら出ていく


「姫様の方はよろしくお願いします」

エターナリアはケーレストに伝えて帰ることにすると

「余り奴隷を鍛え過ぎないでください」

ケーレストは苦笑いしながら見送る

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