第四章 緊急依頼と旅へ

第54話 ビックキングタイガー

目的の町まで2日の所の村が見えてくる

「御主人様村が見えてきました」

「難民が来ていると噂の村か」

「エターどんな状況か解ると良いけど」

「ここまでの話よりは詳しい話が聞けると良いよね」

「前から人が走ってきます」

「なんだろう?」

「村に魔物の気配があります!!」

アニタの言葉にみんなすぐに戦闘準備をする

「先行はアニタ、ケシル、ミシル頼んだ!」

「馬車は防御体勢で待機!エニス後は頼んだよ」

「わかった」

エターナリアも走り出して村に向かって走り出す、そして先に着いたアニタが大きなタイガーを見つけて頭を斬り飛ばしたのを確認できる

「え?もういないの?」

アニタは呟き周囲を確認する

「あっ!御主人様」

「え?出番無しで終っちゃったの?」

「周囲に魔物の気配は有りません」

ケシルとミシルが言うと

「雑魚が一匹だけでした」

アニタがつまらなそうに言う

「ミシルみんなを呼んできて」

「はい!畏まりました」

ミシルは全力疾走で走る

「アニタは警戒をケシルは着いてきて」

「はい!」

「ケシルここら辺の家で人の気配は?」

「こっちです」

ケシルは床を指差す

「(コンコン)誰かいますか?」

「魔物が人の言葉を!!!」

「魔物は何匹いましたか?」

「へ?確認したのは一匹だけだ」

「大きなタイガーだけですか?」

「そそうだ!」

「倒したので確認をお願いします」

「あんな化物倒せるわけ無いだろう!!!」

「じゃあなんで自分がゆっくり話しているのですか?」

「えー・・・・本当か?」

「確認して貰えたら解ります、後解体もお願いします」

エターナリアはタイガーの方に歩いていくと村長が警戒しながら外を見て

「ひぃーーー!!たたたタイガー!本当に倒したのか」

村長は腰を抜かして座り込んでいる

「御主人様ーーー!」

ミシルが馬車を先導して戻ってくる

「状況が状況だから一泊ここでするしかないかな?」

「その方が良いと思います」

レインが答えるとみんな野営の準備を始める

「大きなタイガーだね、美味しいかな?」

エニスが言うと

「早く解体しますか?」

クーラもやる気になっている

「え?・・・・まさかビックキングタイガー!」

ギルド職員が震えている

「ビックキングタイガーって言うんですね」

「最強クラスのタイガーです・・・倒したのですね・・・・」

「アニタ強かった?」

「デカイだけで雑魚だったよ」

アニタが言うと

「はぁーーーー!最強クラスが雑魚!!!あり得ない!!」

ギルド職員は苦笑いしている

「食べたら美味しいかな?」

「え?食べた人いないですから解りません・・・え?食べるのですか?」

「新鮮な食料ですね」

エターナリアが言うとみんなを喜びだす

「常識外れの実力・・・本当に40層に行ったのかな・・・・」

「ささ先ほどは申し訳ありません、村を救ってくれた恩人です」

村長が頭を下げて御礼を言うと村人達が頭を下げている

「お願いが有るのですが宜しいですか?」

「何でしょうか?出来ることなら協力は惜しみません」

「これを解体して貰えますか?後は革を出来たらクエールバスコのアーガナルド商会に届けて貰えたら嬉しいのですが」

「そのぐらいはやらせて貰います」

「ビックキングタイガーの肉は美味しいですか?」

「え?食べたこと無いので解りませんが解体したら食べますか?」

「みんなで食べましょう!残りは村の保存食にしてください」

「え?宜しいのですか?」

村長は驚きながら回りを見渡し村人達に指示すると村人達は解体を始める

「エターナリア殿帰ったらギルドより報酬と証を与えます」

ギルド職員が言うと

「アニタが倒したからアニタだけ良いですよ」

「えーと一人だけに与えるのは無理です」

「え?何故ですか?」

「このクラスを一人で倒したなんて信じて貰えません・・・まだ信じられませんが」

「じゃあ証は無しで」

エターナリアが笑いながら言うと

「倒したのを見てしまいましたので、それは無理です」

「面倒だから任せます」

エターナリアが言うと

「名誉は要らないのですか?」

「いらない、面倒だから」

「英雄になれますよ」

「面倒ならならない」

「領地貰えますよ!!」

「面倒だからいらない、有っても誰かに任せて旅にでる」

「本当に・・・・・」

「必要ない」

エターナリアがキッパリ断るとギルド職員は唖然としている


避難してきた村人にこの先の損害を聞くとほとんどが壊滅しているとの事だったが迂回した村に兵士がいたのでまだ残っていると言うことだった

「どうする?このまま野営しながら町まで行く?」

「難しいです、状況が状況だから詳しい情報と道案内も欲しい所です」

レインが言う

「兵士は面倒かも知れないよ、自分達を守れとか村を見捨てるのかとか、命令だ言うこと聞けとかね」

エニスが言うとみんな苦笑いしている

「申し訳ありません、実はこの書状を領主様から預かっていますので、兵士が何を言っても無視して大丈夫です、ケーレスト支部長がギリギリまで出さない様にと言っていましたので・・・エターナリア様の性格上嫌がると言うことで」

「もしかして今回の依頼は領主からも依頼が出ていたのですか?」

「申し訳ありません・・・」

「権力は使い様だから面倒じゃなければ良いかな?今度は領主を使い走りにすれば良いしね」

エターナリアが笑い出すとみんな笑うがギルド職員はひきつっている


ビックキングタイガーの肉が焼けてアニタが一口食べて

「上手い!!」

みんなも次々と食べて

「上手い!!!!」

「固さもちょうど良いし、肉汁も上手い」

「タイガー毎日狩りたい」

「タイガー沢山いるところに住みたい」

「タイガー毎日狩ったらいなくなるでしょ」

「だけど沢山食べたい」

みんな笑い出すがギルド職員は苦笑いしている(この人達ビックキングタイガーを食料としか見ていないの!!)

村人達も肉を食べて笑顔になっている

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る