第52話 平穏な1日

「かなり人が集まるかな?」

「凄い人気になります」

トリスナが横で見ていて言う

「方式をどうするかです」

「オークション形式よりは、複数の人と交渉した方が良いかな?」

「どうしてですか?」

「オークションは資金がある人が勝つからね複数と交渉になれば次にチャンスがあると思い人が来てくれるから商人も集まるよね」

「あ!そうですね!」

「目玉は客寄せの為だよ」

「御主人様には勝てません、もっと勉強します」

トリスナはそう言って行商人達を見ている

エターナリアは紙と番号札を用意するように伝えて職員は作り始める

「これはどうするのですか?」

エリスナが聞くと

「リザードの革を10枚でいくら出すか、書いて貰い、番号札の番号で呼んで話し合いをするようにします」

「なるほど!これなら一人ずつ様子を見れます」

「更にこの札を返却したら預り金を返却すると言えば返却する時に全員を観察出来るから次回以降の取引する時に有効でしょ」

「すっ凄いですこれなら有益な人を選べます」

「人の繋がりも大切だからね、エリスナには人を見極めて欲しいから頼むね」

「はい!精進します!!」

エリスナはそう言って職員達に指示を出して次々と準備をする、取引の内容と方式を壁に張り出してテーブルの準備を始める、時間になり商人達は次々と入札を始めるとほとんどの商人が100枚欲しいと書いている


エリスナとトリスナは内容を確認して、8人を選ぶとすぐに別室に呼んで商談を始める、そして落選した人は一人ずつ番号札を回収して次回は事前公表する旨を伝えると商人達は帰っていく


「どうだった?」

「御主人様大成功です!面倒な断りも要らないのでスムーズに商談が進み、そして選ぶのも金額だけでなく、近くの町や相手の商会等からも選べたのでお互いに腹の探りあい無しで話せました」

エリスナは笑顔で言うと

「かなり好評でした」

トリスナはエリスナを見て言う

「ここで1つ告知をして貰おうかな?」

「え?告知ですか?」

「次は革細工数点を目玉商品にしようと思うだけどね」

「それは人が集まります!!」

「ケニーに商品を納品して貰おうか?」

「明日早速話しましょう」


翌朝ケニーに話すと驚きながら完成した物を見せて貰う

「結構作ったね」

「楽しくて作り続けていました」

ケニーは恥ずかしそうに言う

「何点か売って良いかな?」

「はい!勿論です御主人様の物ですので好きに売ってください」

ケニーは笑顔で言う

「ケニーも商談会の時どんな人が買っていくか見てみる?」

「宜しいのですか?」

「どんな評価が有るか知りたいでしょ」

「はい!御主人様!」

3日後商談会を行うと告知を出して商品に警備を付けて展示する


商談会までは迷宮に向かいカシタリーナとマタリーナとクリスとセリカの訓練をすることにする

商談会当日商会に向かうと人集りが出来ていた

「エリスナこれは?」

「御主人様出品数が少ないのに沢山の人が来てしまい番号札が足りません」

「人気だねこれじゃどうしようも無いね」

「革製品の人気は凄いです」

入札を始めていくとすぐに候補者を絞っていく

「カバンの人気が凄いです、既に金貨20枚越えている人が多いです、赤いベルトも凄い金額になっています」

エリスナが言うとケニーが苦笑いしている

「私の作ったものがこんなに評価受けるなんて嬉しいです」

「これで何を作れば売れるかわかったね」

「あ!はい!御主人様」

エリスナが選んだ人と別室で交渉を始めて、みんな笑顔で商品をもって出ていく


「ケニー売った相手見てみてどうだった?」

「嬉しかったです、これなら気合いいれて作れます」

「通常品と特別品に別けて作って特別品はこの方式で売れば色々人気が出るかもしれないね」

「はい!御主人様!!」


リザードの革の方も見てから帰ることにする、ベルダートが声をかけてきた

「エターナリア殿素晴らしい商売です」

「思い付きだから、改良が必要です」

「これなら恨み言は言えないですから良いです!」

「それなら良いけど、オークションよりは安く売れますし、販売相手も選んでいるので怨まれるかもしれません」

「選んでいるのは必ずしも高い価格の人じゃ無いのですか?」

「リザードの革は今後の取引等も考えています」

「一回の取引よりも未来の取引・・・・勝てるわけ無いですね」

ベルダートは苦笑いしてエターナリアを見る

「次回はもう少し時間を開けて告知しますよ」

「何故ですか?」

「今回の件で噂が広がるのを待ちます」

「あ!商人たちがくるのを待つのですね」

「商人が来れば取引と宿屋が儲かりますからね」

「これも全部計算されているのですね」

エターナリアはニッコリするとベルダートも笑い出す

「寄るところが有るので帰りますね」

エターナリアはそう言って警備隊詰所に寄ると

「エターナリア殿やっと来たか」

「隊長どうでしたか?」

「奴らは全て吐いた!強盗、殺人、人攫い等いくらでも出てきたぞ!」

「そんなに!」

「お陰で各地の仲間まで吐いてくれて隊員に使いに出て貰っている所だ!」

「それは良かったです」

「あまり良くない!忙しくなりすぎだ!」

「え?」

「捕まえた数が多すぎて領主が泣き言を言っているぞ!こんなに盗賊が入り込んでいるとは門番は何をしているとな!!」

「門番に謝らないといけないですね」

「今まで門番に権限を与えていない事が原因と言われて領主が調査権限を与えてくれて喜んでいるぞ!」

「え?そんなことに?」

「今回の奴らの持ち物は確認してくれ、積んであるからな」

山を見ると

「この数は?」

「アジトも潰したからこの量になった」

「犯罪の証拠は無いのですか?」

「全て調べた後だ!」

エターナリア達は確認して、目ぼしい物が無いのを確認してから

「全部何時も通り孤児院に寄付してください」

「この金貨の数でもやっぱりそう言うか」

「面倒ですから」

「エターナリア殿が捕まえれば、孤児院の孤児達が食事に困ることが無くなるな」

「立派な職業について貰えたら嬉しいですが」

「孤児や奴隷から名をあげるのは難しい、出来れば幸せになってくれればいいな」

「そうですか?冒険者や職人なら腕次第ですけど」

「確かにそうだな!兵士も実力次第だ」

隊長は笑い出す

「エターナリア様ですね」

孤児院の院長がやってきて挨拶する

「孤児院院長様こんにちは」

「沢山お礼を言わないとと思いつつ中々機会がなくて申し訳ありません」

「こちらこそ孤児に礼儀正しく教育されている立派な院長様だと思い挨拶もしていなくて申し訳ありません」

「いえいえ本当に孤児たちの食事に困らなくなったので本当に助かっています」

「これからも孤児達が礼儀正しく育つことを願っています」

「ありがとうございます、どの様にお礼したら良いか思い付かない程の恩ばかりです」

「必要な人の所で役に立つならそれで良いと思います」

「院長これも持って帰って処分頼むぞ、またエターナリア殿に喧嘩売った馬鹿が負けて捕まえたからな」

「こんなに沢山・・・」

院長は涙を浮かべて

「これ以上は仕事を増やさないで欲しいがな」

隊長は苦笑いする

「こんな大金頂く訳にはいきません」

「必要が無いので受け取ってください」

「院長受け取っておけ!エターナリア殿はとんでもない人物になったからな!」

「そう申しますと?」

「商業ギルドの副ギルドマスターは知っているな」

「はい、勿論です・・・」

「好きだったか?」

「いえ・・・ハッキリ言うと子供たちに危険な事をさせるので嫌いです」

「安心して良いぞ!商会はアーガナルド商会になりエターナリア殿が代表だ!更に副ギルドマスターは奴隷落ちだ!」

「え?どど奴隷落ち!!」

「犯罪も次々と判明して忙しいがな」

「犯罪も・・・・」

「それ以上は話さない方が良いと思いますが」

「あ!内緒にしてくれ」

隊長は苦笑いしている

「解りました」

「だから必要ないので使ってください」

「解りました有益に使わせて貰います」

院長は頭を下げて言う

「これで失礼いたします」

エターナリア達は帰っていく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る