第51話 商会のお騒がせ者

家に寄りフレイとケニーに会ってから、屋敷に帰ることにする

「御主人様お帰りなさい」

フレイが挨拶すると小さい子供たちも挨拶してくる

「え?・・・」

カシタリーナとマタリーナは涙目になって子供達を見つめている

「あ!カシタリーナ様とマタリーナ様お久しぶりです」

子供達は2人に挨拶して笑顔になる

「私達も御主人様の奴隷になりましたので様は要りません」

「え?そうなのですか?」

「みんなカシタリーナお姉ちゃんとマタリーナお姉ちゃんと呼ぶように」

エターナリアが言うとみんなで

「カシタリーナお姉ちゃん、マタリーナお姉ちゃん」

呼ばれたカシタリーナとマタリーナは涙を流しながら膝を付いてしまうそしてしばらくそのままにしておいてあげる


「フレイ何か変わったことは合ったか?」

「いえ、特にありません」

「料理の調味料はどうかな?」

「色々試していますが面白いです、本当に良いものができるかも知れません」

フレイは笑顔で言うと調味料を試してみる


「ケニー新しい革だけどどうかな?」

「大蛇ですか?赤いですね」

「ベルトか鞄か靴で良いのが出来ないかな?」

「試してみますがある程度数が必要です」

「どのぐらい欲しい?」

「取り敢えず20枚欲しいです」

「じゃあ30枚預けておくね」

エターナリアは30枚の赤い大蛇の革を出して置く

「必要な革はすぐに言ってね」

「畏まりました」

ケニーはじっくり革を観察して考え始める


屋敷に戻り休むことにすると

「御主人様お帰りなさいませ」

マニタとタニタが出迎えてくれる

「変わったことは無いかな?」

「商会関係ですが、別の町の商会から取引の依頼が有りましたが知らない商会だったので断った様ですがその後代表を出せと騒いだ事が有りました」

「エリスナとトリスナが対応したのか?」

「はい!そうです」

「なら問題ないね、2人が断るなら自分も断る」

エターナリアが言うと

「2人を信用するのですね」

レインが言うと

「旅に出たら2人はこの町の商会を仕切るのだからね、タニタとマニタにカシタリーナとマタリーナにも補佐して貰うけどね」

「そうですね」

レインは微笑みながら頷く

「屋敷内の問題は?」

「有りませんでした」

部屋に向かうと中から話し声が聞こえてくる、フレナークとミリシアとエリスナとトリスナが話し合っている

「ただいま」

「あ!お帰りなさい、お出迎え出来なくて申し訳ありません」

4人は頭を下げて言う

「何か問題でも?」

「実は昼間に別の町の商会から取引と融資を依頼されたのですが断りましたが、騒ぎ立ててエターナリア様を会わせろと居座られて困ってしまいました」

「なるほど・・・でどうなった?」

「いないと伝えて何とか帰りましたがあの様子だと明日も来そうです」

「追い返すだけですね!」

「しかし騒がれては回りに迷惑がかかります」

「なるほど、ならば商会に入れなければ良いよ」

「よろしいのでしょうか?」

エリスナとトリスナは真剣な眼差してエターナリアを見る

「2人の判断は自分の判断と同じだから会う必要は全く無い」

エターナリアが言うと2人は笑顔になって頷く

「明日来たら追い返して騒ぐならそれ相応な対応をとると伝えてね」

「畏まりました」

「フレナークとミリシアは何か有ったのかな?」

「御主人様の言われた通り行商人に村や町の特産品を教えて貰っています」

「勉強になっているかな?」

「本当に楽しいです」

「それは良かった、所で特産品から騒いだ商人の話の信憑性はあるのかな?」

「それなのですが、遠い町なので情報が入ってきません」

「やっぱり怪しいね、詐欺かな?」

「そう思いますよね」

みんな笑い出す


翌日は休息日にしてみんな休むことにする、エターナリアはエニスとレインとクリスとセリカを連れて町中を歩いてから商会の様子を見ると男が騒いでいる声が聞こえ、中に入って聞いてみると

「とっとと代表を出せてめえじゃ何も出来ないだろ!!」

「ですから、当商会は取引と融資は行いませんのでお帰りください、代表からもしないと言われています」

「なんだと!ふざけるなーー!!代表を出せ!!」


商会を出てから

「これは営業妨害ですね」

「警備隊に聞いて貰おうか?」

「それは良いですね、証拠になりますので恐らく騒いで金を出させる戦法ですからね」

レインは微笑みながら言うと

「警備隊詰所に顔を出して相談しよう」

警備隊詰所に向かおうとすると近くで隊員に会い

「すいませんがちょっと良いですか?」

「エターナリア殿!どうかなさいましたか?」

「実は商会で男が騒いでいるので証拠代わりに内容を確認して貰いたいのですが」

「隊長は領主の館に行っていますので副隊長を呼んできます、恐らく騒いで追い返されるのが目的で金を要求するためですから」

「やっぱりそうですよね」

エターナリアが笑うと隊員も笑い出す


副隊長と隊員は商会の中で話を聞いて苦笑い始める

「これは脅迫ですね」

「それよりもあいつ何処かで見たような気がします、すまんが手配書を探してきてくれ」

副隊長は隊員に言うと隊員は詰所に走っていく

「営業妨害も良いところですね」

エターナリアが言うと

「私だったらもう殴っています」

「それが狙いかな?」

エターナリアの言葉に副隊長は苦笑い始める

「周りにいる人で昨日もいる人は何人いる?」

「え?・・・3人です」

商会職員は見渡して言うと3人を教えてくれる

「あの3人も仲間かな?」

「エターが悪いことを考えている!」

エニスが苦笑いしながら言うと副隊長がこっちを見ている

「全員に伝えて、これから自分が客としてあの男の横で商談をするから口裏を会わせるようにと」

「畏まりました」

エターナリア達は表に回り男の横で商談の話を始める

「これを買って欲しいのですが」

エターナリアはレッドドラゴンの鱗を手渡し確認して貰う

「え?・・・鱗?赤い鱗ですか?」

トリスナが確認し始めて

「これはどこで手に入れたのですか?」

「知り合いに高く買ってくれるところで売ってきて欲しいと言われました」

「これだけのドラゴンの鱗・・・1枚金貨10枚でどうですか?」

「もう少し高いと思うのですが・・・」

「どのぐらいになると思っていますか?」

「オークションなら1枚金貨20枚になると聞いたことがあります」

「オークションなら可能性は有りますが、普通の商会では、即日支払いますのでオークションより安くなります、複数枚あるのでしたら1枚金貨12枚出しますがそれ以上は無理です」

「これで1枚当たり金貨12枚で良いですよね」

鱗を9枚出して渡す

「え?こんなに!!素晴らしいです、約束通り1枚金貨12枚で買い取ります」

「ありがとうございます」

聞き耳をたてていた男が後ろの男に合図をして男達が出で行くのを確認してから、レインはエターナリアに合図を送る

「金貨で120枚ですね」

「白金大金貨出はなく金貨がよろしいのですか?」

「別けにくくなるのでお願いします」

「解りました金貨を用意しますので少々お待ちください」

トリスナはそう言って奥に向かう

「そろそろ帰って頂けますね」

エリスナが言うと

「仕方ない!今日は帰ってやる!!代表にちゃんと伝えておけ!!」

男は商会を出ていく

「2度と来ないでください」

エリスナはそう言って溜め息を吐き、トリスナは金貨を数え始め、金貨を袋に詰めて受け取る

「確かに金貨120枚です」

「また手に入ったら買い取ります」

トリスナは笑顔で言うとエターナリア達は商会を出て打ち合わせ通り歩き始めると後ろを男達がつけてくる

「こっちが近道だから通っていこう」

「わかった」

脇道に入っていくと、男達は走って先回りする

「死にたくなければ懐の金を出しな!!」

男達は待ち伏せと後ろから挟み撃ちにして笑みを浮かべている

「痛い目を見たくなければ消えてね」

「この馬鹿め!」

男達は剣とナイフを抜いて見せてくる

「本当に馬鹿だね、商会で騒ぎを起して金を巻き上げようとするなんてね強盗さん」

「ななんだと!!」

「そろそろお仕置きしようかな?」

エターナリアが言うとみんな苦笑いする

「このガキ!!」

男が斬りかかってくるが、かわして腕をつかみ投げ飛ばすとレインは笛を鳴らす

「え?なんだ!」

警備隊隊員が前後から逃げ道を封鎖する

「逃げられないから安心してお仕置き受けていろ!」

副隊長が笑いながら言うと隊員が笑い出す

「は?まさか罠か!!」

「じゃあ遠慮は要らないからぼこぼこにしてから警備隊に明け渡すよ」

エターナリアが笑いながら次々と男達の腕を折り投げ飛ばすとレインが笑顔で回復して次はエニスがボコボコにのしてまたレインが回復させる

「ひぃーー何なんだテメーらは!!」

「賊に教える名前は無い」

エターナリアが言うと笑顔で

「クリスとセリカ殺さないようにたっぷり、痛ぶってあげてね」

エターナリアが言うと2人は相談しながら腕を折ってみたり足を折ってみたり色々試し始める

「あぎゃーー!もう辞めてくれ!!たたた頼むから!!」

男は警備隊隊員にすがり付く

「余罪吐いちゃえば助けてくれるかもよ」

エターナリアが笑顔で言うと、男は隊員に次々と何か言い始めていると副隊長の顔が怒りに満ちてきて

「この!!!貴様が犯人か!!」

怒鳴り出す

「だから早く助けてくれたたた頼むから!」

男はすがり付くが副隊長はぶん殴ると蹴飛ばしてクリスの元に転がる

「もう一回手足を折ってくれ!!」

副隊長が言うと隊員は大笑いする

「クリス転がっているからやってあげなよ」

エターナリアが笑いながら言うとクリスは両手両足を折って男は悲鳴をあげ続けるが、レインが回復魔法で回復させる

「も・・う・・や・め・て・く・だ・さ・い・・」

男は放心状態で涙を流しながら言う

「じゃあ続きは訓練所でやろうね楽しみにして牢屋で待っていてね」

エターナリアが笑顔で言うと隊員達は笑いながら男達を縛り上げていく

「確かに預かりました馬鹿どもはキッチリ調べます」

「よろしくね」

「そのー先程の・・・」

「気持ちは解りますので聞いていないことにします」

エターナリアが笑うと副隊長も笑い出す、そして詰所に引き摺って連れていく


「商会に戻ろうか?」

「そうだねエリスナに伝えてあげないと」

エニスが微笑みながら言うと商会に戻り始める

「ただいま」

「終りましたか?」

エリスナが聞いてくる

「クリスが楽しそうに腕を折っていたよ」

「え?・・・本当?」

「えーと、本当です・・・」

クリスが苦笑いしている

「お仕置き終ったなら良いかな・・・」

「後でちょっと詰所に行って様子見る?」

「え?宜しいのですか?」

「牢屋から出てくれたらだけどね」

エターナリアが笑うとみんな苦笑いする

「御主人様は恐ろしいですから、見たら2度と口答え出来なくなりますよ」

レインが言うとクリスとセリカは頷いている

「何が有ったかは想像出来ませんがもう馬鹿は来ないのですね」

「あの後行商人は来ているかな?」

「それなんですが、ドラゴンの鱗を売ってくれと何人も言ってきましたが断っています」

「なる程ね、変わりにリザードの革でも売る?」

「え?宜しいのですか?」

「100枚ぐらいで良いかな?」

「良いと思います」

エリスナは笑顔になって言うと

「いくらに使用かな?」

「大体ギルドの買取価格の三倍から四倍が相場です」

「そうだね、あ!商会の持ち物じゃないからどうしよう?」

「売却価格の2割を商会の手数料でどうですか?」

「それなら問題ないかな?」

エターナリアはレインを見ると

「問題有りませんが書類は残してください」

「すぐに作成します」

エリスナは急いで書き始める、エターナリアはリザードの革を出して数えてから職員達と店頭に出して即席商談をすることを告知すると、行商人達は革をじっくり見てから微笑んでいる


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