第44話 アーガナルド商会

「エター明日、王都出発は出来ないのかな?」

「無理だね、まぁーこれで商業ギルドは敵対しないよね」

「御主人様金貨30000枚とは驚きました」

「副ギルドマスターを潰す気でいたから、どのぐらいの価値か考えないでやり過ぎたね」

「本当に御主人様は凄いと思います」

レインはエターナリアに微笑みながら言うと

「王都の冒険者ギルドはこれを買い取るだね」

「え?本当に全部買ってくれるのかな?」

「買取義務が有るから買ってくれますが、口座預かりですね」

レインは微笑みながら言う


商業ギルドマスター、ベルダートは青ざめていた、副ギルドマスターが溜め込んでいた資産よりも不正をして隠されていた資産、そして奴隷と借用書の多さに驚き考え込んでいた、そして調査を進め始める

借用書の商人に聞き取りをして判明する事実と奴隷達が借金の利息代わりに奪った者もいた事実で商業ギルドの意義を悪用していた証明も出来て副ギルドマスターの処分もする必要も出てきた

「副ギルドマスターお前は何を・・・ここまで酷いとは思わなかった・・・言い訳はあるか?」

「言い訳?何のだ!」

「商業ギルドを悪用していた件だ!」

「何が悪い!商売に利用して悪いことなど無いだろう!」

副ギルドマスターの言葉にギルドマスターは溜め息を吐いて副ギルドマスターを牢屋に入れるように言う


商業ギルドマスターベルダートに呼ばれて商業ギルドに行くと

「エターナリア様こちらへどうぞ」

職員は笑顔で案内してくれ、待っているとギルドマスター、ベルダートが入ってくる

「申し訳ありません、副ギルドマスターの資産の方ですが差し押さえて出来ましたが、隠し資産等も沢山有り今のところ金貨8000枚分になります、又借用書と奴隷等の資産について御相談させて頂きたいと思います」

「借用書?」

「個人で商人や貴族や町人に貸し付けていた事が書かれています」

「取り立ては難しいと言う事ですか?」

「いえ、可能ですが貴族はすぐに返済出来ないですね」

「旅に出ることもあるので、例えば商業ギルドで取り立ては可能ですか?元本は私の分で利息部分を商業ギルドの取り分にして貰うことでどうですか?」

「え?宜しいのですか?」

「そうしないと商業ギルドの利益が出ないですよね、返済が滞ると困るのは私ですから」

エターナリアが微笑むと

「ありがとうございます、次は奴隷ですが、転売が出来ませんので一度エターナリア様の奴隷にして頂売却する方が良いと思います」

「え?どのぐらいいるのですか?」

「100人です」

「は?100人もどうして」

「警備奴隷に性奴隷ですが、裏で何かしていたようです」

「犯罪って事ですか?」

「その様です」

「面倒ですが1人ずつ確認してから、売却か警備隊送りですかね」

エターナリアが苦笑いする

「それしか手は無いですね」

「副ギルドマスターはどうするのですか?」

「問題はそこです、どの様な処分にして良いかですね」

「奴隷としてこき使うしかないですね、色々あとで聞きたいこともあるでしょうから、商業ギルドの奴隷とかは出来ないですか?」

「成る程、良いですね取り調べが終るまでしっかり働かせましょう」

「取り調べが終り、犯罪が立証出来たら警備隊送りですね、それまでは商業ギルドの敷地から出ることを禁止で」

「良いですね、それで行きましょう、最後に奴の商会ですがエターナリア様に買い取って頂きたいのですが」

「商会をですか?面倒ですね」

「この町で2番目に大きいので、取り潰すと大変な事になりますので、お願いします」

「他に買い取れる人はいないのですか?」

「不可能です」

「奴隷に運営を任せるしか無いかな?」

「それで構わないと思います、奴隷の中に実際していた者がいますので大丈夫です」

「成る程ね、やられましたね」

エターナリアが笑うと

「このぐらいしないと気が済みません」

ベルダートも笑い出す

「これでどのぐらいの資産になるのですか?」

「全部で約金貨12000枚です」


ベルダートと共に商会に行き職員達と話し合いをして、全員エターナリアの商会の職員として働く意思を確認してから、運営を開始して貰う

「宜しいのですか?」

「休みが多くなると町に影響が出ると読みましたから、なるべく早く運営をしないといけないですからね」

「素晴らしい判断で助かります」

ベルダートは笑顔で言うと屋敷に向かい奴隷達と面会する、そして奴隷商人に全員エターナリアの奴隷に変更して貰う

「これで終わりですか?」

「そうですが後は商会の名前ですね」

「名前ですか?・・・・・・アーガナルド商会でどうですか?」

「伝説の女神の名前ですね、良いですね!」

ベルダートはそう言って帰っていく


「エター奴隷達をどうするかだね」

「いくつかのグループに別けて仕事内容を決めるとしようかな?」

「そうですね」

「早く旅に出たいからね」

「旅に出たいからっていい加減な運営はダメです」

「だから色々な仕事の人にするのさ」

エターナリアは奴隷達に先ずは嘘を禁止して正直に言うことを約束させてから

「犯罪に荷担した者は立ち上がれ」

そうすると男の奴隷が10人立ち上がった

「お前達はあとで話を聞くから、アニタの所で待機していろ」

男達はアニタの所に集まり待機する

「商会の運営又は資産管理等をしていた者はいるか?」

男が3人立ち上がる

「お前達はエニスの所で待機だ」

「次は警備の仕事をしていたもの達はいるか?」

男達と数人の女も立ち上がる

「お前達はクーラの元に集まり待機だ」

エターナリアは残った男達を見てから

「お前達の仕事は何だったのかな?」

「屋敷の掃除と馬車の行者です」

「お前達はケシルの所で待機だ」

残った女達を見てから

「性行為をした事の無い者と処女は立ち上がれ」

小さい女の子と6人の女が立ち上がる

「お前達はリリスの所で待機だ」

残った女達に

「主人の命令で性行為が有った者は立ち上がれ」

女が立ち上がる

「お前達はミシルの所で待機だ」

「残った者は誰と有ったのかな?」

口々に夫や彼氏と答えてくれる

「解ったお前達はキャスカの元で待機だ」


「これで全員別けたけど、レインは商会の関係を調べて纏めて欲しい」

「畏まりました」

レインはエニスの元に行き資産と商会の把握を始める

「クーラこのもの達はどう思う?」

「隙だらけですから、あまり役に立ちません」

「取り敢えず屋敷の警備を任せるしか無いな!」

クーラは同意する

「屋敷の警備に戻れ」

「畏まりました」

女2人が残り出ていく

「お前達はどんな警備をしていたのだ?」

「お嬢様の護衛です」

「仕事は無くなったな、お前達は処女か?」

「はい」

2人は答えてから暗い表情になり

「御主人様の命令ならご奉仕いたします」

涙目になっていう

「奉仕はまだ必要ない、リリスの所で待機してくれ、仕事を後で話を聞いてから決めるから」

「畏まりました」


「ケシルこの者達は信用出来るか?」

「わからない」

「掃除と行者だから取り敢えず仕事をしていろ」

エターナリアが言うと全員出ていく


キャスカの元に向かい

「お前達はどんな仕事をしていた?」

「侍女と料理人です」

「男の料理人は居なかったのか?」

「居ましたが奴隷でなかったのでここにはいません」

「当面は料理人と侍女をして貰うが落ち着いたら別の仕事もして貰うぞ」

「畏まりました」


ミシルの所に行き、女達と話をしてから別室で待機するように伝える


リリスの所に行くと女達とリリスが話をしている

「大分待たせたな」

小さい女の子達に話を聞いたあと

「お前達は俺を恨んでいるか?」

「え?どうしてですか?」

「妾とはいえ父親から全てを奪ったからね」

「感謝します、どうせもう少ししたら売り飛ばされていましたので・・・・」

少女達は涙を浮かべていう

「え?売り飛ばされる?」

「お姉ちゃんもお母さんも売られました」

「解った、だが成人するまでに役に立たないと判断したらお前達も売り飛ばすから覚悟しろ良いな!」

「あ!はい!必ず役に立つように頑張ります」

残りの6人の話を聞くと、賊に親を殺され、借金の為に奴隷になった者ばかりだった、そしてまだ来てから間もなかったもの達だった

「売れば良い金額になるなぁー」

エターナリアが言うと

「え?お願いです売らないでください・・・」

6人とも泣き出す

「どんな命令も死ぬまで従うと約束出来るかな?」

「はい!何でもします・・・・まっまっ毎日でもほっほっ奉仕しますので、お願いします」

必死に頭を下げて言う

「解った役に立たないと判断したら売り飛ばすからな、お前達2人もだ!」

「解りました必ず役に立つように致します」


「アニタお待たせ」

「こいつら全員処刑!」

「え?そんなに?」

エターナリアはアニタと全てを聞いてから

「女の子欲しさに両親を殺したのか・・・可哀想に・・・・」

男達は青ざめながら座っている

「お前達はこのまま待機していろ、あいつの処分が決まってないからどうしようも無い」


エニスとレインの所に行くと

「目録に無い資産が有ります」

「え?本当に?」

「間違えないです・・・盗賊も匿っています」

男は震えながら言う

「はぁー?盗賊!」

「金さえ貰えれば何でもしていました」

「ベルダートに連絡してまだやることが増えたと」

レインは警備担当の者に走らせる

「後はどんな隠し財産があるのですか?」

「クレイト・ハレストの町にもう1つ商会を持っています、そしてゲルトバナ・エレトに支店を持っています」

「え?他にも商会を?もしかして家族を代表にとか?」

「いえ当人が代表です家族等どうでも良いと言ってましたから、兄弟等はみな殺していましたから子供達だけが家族でした」

「どうやって運営を?」

「私達と同じように奴隷を使って運営をしています」

「そう言う事ですね」

エターナリアは面倒事になったと思うのだった

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