第29話 防具完成と愚かな父親

翌朝村を出発して王都に向かう、そして順調に進み王都の城壁が見えてきた

「大分並んでいるね」

「王都だから仕方ないけど面倒だね」

そして順番がきて、門番がこっちにくる

「王都には何の様だ!」

「依頼の討伐が終わったので帰ってきました、依頼書はこれです」

依頼書を確認して後ろの馬車を見て門番は固まる

「・・・・・・・」

「何している!!」

他の門番がやってくる

「申し訳ありません、グリズリーに見とれてしまい」

もう一人もグリズリーを見て

「ぐっグリズリー!!」

依頼書を見て

「北の街道のグリズリー討伐だと!」

「そうですけど、何か?」

「お前達が倒したのか?」

「ギルドからの指名の緊急依頼だったので」

門番は動揺しながら

「通ってよし」

門から入りギルドに向かい、職員に

「依頼から帰ってきたのですが完了の確認をお願いします、討伐の対象は外の馬車に有りますのでよろしくお願いします」

「わかりました」

職員はそう言って馬車のグリズリーを見て

「へ?嘘でしょ!!」

依頼書はこちらです

「少々お待ちください」

職員は急いで中に入り支部長を呼んでくる

「エターナリア殿お見事です、まさかこんな早く戻られるとは思いませんでした」

「運良くグリズリーに会えたからね」

「普通は運良くでは無いと思いますが・・・会ったら逆に終りと考えますので」

支部長は苦笑いする

「そうかな?アニタの一撃で倒れるまで待っただけだからグリズリーは弱いかな?」

「アハハ・・・・弱い魔物では無いですが・・」

「グリズリーはどうしましょうか?肉屋に売って良いのかな?」

「勿論良いですよ!」

「売りに行ってきますね」

「後で戻ってきてください、手続きしておきますので」

「わかりました」

肉屋に行って

「いらっしゃいませ、ボアをまた狩ってきたのか?」

「今回は違うよ、ギルドの依頼で狩った獲物だけどね」

馬車の荷台を見て

「ぐっグリズリーだと!!」

「買い取れる?」

「え~と金貨20枚でどうだ!」

「少し高くして欲しいな」

「金貨26枚だ!」

「金貨24枚で良いから、肉分けてね」

「良いぞ!旨い肉だから沢山食べろ!」

肉屋は笑いだす

村人と別れて冒険者ギルドに向かう

「戻って来ました」

「エターナリア殿お待ちしていましたこちらが報酬です、しかしまさか緊急依頼を3日で帰ってくるとは思いませんでした」

職員は苦笑いしている

「運が良かっただけです」

「エターナリア殿ならどんな討伐でも余裕かも知れませんね」

「そんな事無いです、運が良かっただけですから」

エターナリアは笑うとエニスも笑いだす

「じゃあ今日はこれで帰りますね」


ギルドを出て宿屋に戻る

「ただいま」

「おかえりなさい、部屋の鍵です」

「ありがとうございます」

「あとギレリムが店にきて欲しいと言っていました」

「ありがとうございます、あとこの肉を料理お願いします」

「え?この肉は・・・・」

「グリズリーの肉です」

「ぐっグリズリー!!」

「依頼で倒したので今しか食べれません」

「畏まりました、すぐに作ります」

店主は笑顔で食堂に肉を持っていく


翌日ギレリムの店に向かう

「ギレリムはいますか?」

「奥にどうぞ」

奥さんは奥に案内してくれる

「きたか!出来上がったぞ!」

2着の鎧が置いてある

「綺麗!ドラゴンみたい!」

「エニス、レイン2人とも着て見せて」

エターナリアの言葉にエニスとレインは頷いて鎧を装着する

「エニスどう?」

「少し大きいのかな?」

「エニスは少し成長するから少し大きめに作ってあるがこうすれば気にならないだろう」

「あ!大丈夫です」

「レインは?」

「動きやすいだけでなく、革の鎧と同じぐらいの重さです」

レインの感想にギレリムはニコニコしている

「ギレリム良い鎧だね」

「俺の代表作になるだろう!自信作だ!」

ギレリムは笑いだす

「目立つから外套でも作らないとね」

「フフフ!用意してあるぞ!!」

ギレリムは自慢げに出してくる

「流石だね」

「エニス、レイン似合っているよ」

「ありがとう!」

「ギレリムありがとうね」

「約束通りリザードの革は50枚もらうがな!」

ギレリムは笑い

「頑張って儲けてね」

「任せておけ!」

ギレリムの店を出てオルクスの店に向かう

「いらっしゃいませ!」

「久しぶりです」

「親父!エターナリア殿が来たよ!」

「エターナリア殿お待ちしていた!」

鞄を出してきて

「アナコンダの鞄だ!」

肩から架けれる鞄が置いてある

「この鞄ならかなりの物が入るぞ!」

「リリス架けてみて?」

「はい!」

「似合っているな!気品がある」

「大事な物をもってもらう時に便利だね」

「本当に良い素材だった!こんな鞄はこれ以上の物が作れないと思う程の自信作だ!」

オルクスはそう言って笑いだす

「親父はそう言っているけど素材があれば何個でも作りますね」

娘の方はそう言って笑っている

「そんな事言うな・・・・」

「後頼まれたベルトはこちらです、リザードの革に大蛇の革で作りました、後これはベルトに通して取り付けれるポーチです」

「良い出来ですね」

娘はニッコリ笑い

「新しい商品になります、特にベルトは流行ると思いますし、冒険者は必要になります」

「便利ですよね」

「こちらが試作の服です」

「ありがとうございます」

「ご主人様これは?」

「ベルトを通す所だよ!そうすればヒモが切れて直す必要がなくなるでしょ」

「あ!そうです!丈夫なベルトだから切れることも無いです、このポーチに金貨いれておけば落とすことも無くなります」

レインは微笑んでいる

「馬鹿な・・・・そんな画期的な物を作っていたのか・・」

「オルクスこれを利用すればもっと良い鞄が出来るね」

「うっ!そうです・・・・・・くそーー!」

オルクスの悔しがる姿に娘は満面の笑顔で笑い始める


オルクスの店を出て歩いていると、奴隷商の前を通りかかり、エターナリアは

「ちょっと奴隷を見てくるね」

「え!ダメー!」

「どうして?」

「わかっているくせに!戦闘狂!!」

エターナリアはエニスの顔を見ながら

「エルフとか別の種族がいるか見てみたいだけだよ」

「だけど・・・・わかりました」

奴隷商に入り奴隷を見せてもらうようにするが没落貴族の娘は要るが気になる人はいなかった

「うーんやっぱりいなかったね」

「そうだね、だけど貴族の娘が多かったね」

「どうしてだろうね」

エターナリアの言葉に

「借金ですね、領地の運営をあまりしないから借金に娘や妻を売ったのだと思いますこの時期は特に多いと思います」

「そうなんだね、貴族も色々なんだね」

レインの言葉にリリスと頷いている


奥の商談の声が聞こえる

[何とか金貨30枚いや20枚で良いからお願いだ!ダメですまだ子供ですから金貨5枚がやっとです!何でだ!何とかしてくれ!なっ頼むから・・・ダメです!もういい!]

男は女の子を連れて出てくる娘を見て

「キャスカ」

レインは怒りの目をして男を睨む

男も気がついてこっちを見る

「レイン!何故こんなところに!」

「それはこっちの台詞です、幼いキャスカを奴隷にするなんて・・・・恥知らずもここまでくるなんて・・・・」

「レイン!キャスカが可愛かったら!金貨20枚で買え!!」

「馬鹿は変わらないのね・・・・私にそんなお金はありません、わかっているはずです!人でなし」

「あ!・・・・・私の爵位が・・・・何とかしろ!!」

「何とかと言っても奴隷の私には何も出来ませんそんな事わかっているはずです」

「育てた恩を忘れたか!!」

男はレインを殴る

「お客様!大丈夫ですか?」

奴隷商が出てきて言うと

「レインを殴った落とし前をつけてもらいましょうかね」

エターナリアが言う

「何だと!!貴様!それが貴族に言う言葉か!」

逆上する男

「奴隷商人、奴隷を殴ってただで済みますか?」

「罪になります」

「何だと!娘を殴って何が悪い!!」

「罪は罪です!詰め所につき出します」

「ふざけるな!!」

「そう言えばこの男は娘をいくらで売ろうとしていたのかな?」

「金貨20枚ですね」

「金貨2枚の間違えじゃなくてか?」

「常識も無いですがすでに売れる子供がいないのですね」

「そう言うことですか・・・・可愛そうな子供ですね」

エターナリアが言いキャスカを見る

「その通りです・・・・」

「貴様ら!!許さん!貴様!」

「条件も色々つけていたのですよね」

「冒険者がこんな娘を買うわけ無いですよね」

「確かにそうですよね」

「くそーーー!貴様ら許さんぞ!」

兵士達がやってくる

「どういう状況だ!」

奴隷商人が事情を説明して

「面倒だな、貴族が暴力とは・・・・奴隷商内と言うことは、子供を売りに来たのか?」

「うっ・・・・」

「それも以前売った娘に会ってしまい、金を要求してしまうとはね、それが出来ないから殴るなんて恥知らずも良い所だな・・・・」

「何だと!!」

「事実ではないのか?」

「それは・・・・」

「殴ったのは事実なのか?」

「娘を殴って何が悪い!!」

「場所が悪い!奴隷商内は貴族特権は利かない、そして、売った娘は買った主人の所有物だ!その所有物を傷つけるのは犯罪だ!!」

兵士が言うと男は

「お前ら!許さんぞ!!」

「まだ解りませんか?犯罪者になった時点で貴族特権は停止されます、そして牢屋行きです」

「くそーーこうなったら!貴様決闘だ!!」

男はエターナリアに決闘を申し込む

「私に戦いを挑むのですか?」

「そうだ!!」

エターナリアは奴隷商人を見ると

「決闘相手との間にある罪状は決闘終了まで停止されるので、この場合決闘が終わるまで罪状は停止されます」

奴隷商人の説明に

「なるほど・・・それで無謀な決闘をするのですね」

エターナリアが言うと

「この間貴方が売られた決闘と同じです」

兵士が言い苦笑いする

「そうですか・・・・面倒ですね」

「何を言っている!!小僧!!」

「ハッキリ申し上げますが、この人に決闘を挑むのは無謀過ぎます、超一流の冒険者ですから!」

兵士はそう言って男を止めようとするが

「所詮冒険者だ!!」

「ダメですね破産するしか無いようですね」

兵士はそう言って

「賭ける対価はどうなさいますか?この前と同じですか?」

「現在私達が所持している所持金でどうですか?」

「金貨20枚以上あれば何でも良い!!」

男は言うが兵士は

「この間より多いですか?」

「そうですね、前回他の硬貨はいれていなかったので」

エターナリアが言うと兵士は苦笑いする

「取り敢えず確認させてください」

エターナリアは財布と白金大金貨を見せる

「これではこの男と親類全てが破産させれますね」

兵士が笑う

「え?親類全てが破産・・・そんな金額があり得ない・・・止めさせる為の嘘だな!!」

「解釈は好きにしてください、だが負ければ親類全てが不幸になることは確実です」

「そんな嘘にごまかされないぞ!!」

男は言うと

「いい加減にしなさい!!ご主人様はドラゴンバスターですよ!あんたごときが勝てる訳無いでしょ!!更にご主人様は大金を所持しています!!」

レインは怒りながら言うと

「どドラゴンバスター!だと・・・そんなことあり得ない!!そんな嘘ついても無駄だ!」

「決闘の場所ですが、相手は貴族なので国王の前でやるか、詰め所でやるかはどっちでも良いがどっちが良い?」

「詰め所で良い!!」

男はそう言ってエターナリアを睨む

「娘を売った事実を隠さないといけないでしょうからどこでも良いですよ!」

「わかった!移動してから執り行う!良いな!」

兵士と共に詰め所に向かう

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