第25話 防具作成依頼

翌朝加工職人ギレリムの店に行く、店の前に馬車を停めて、エターナリアとエニスとアニタとレインとクーラで店に入る

「いらっしゃいませ」

「ギレリムさんはいますか?」

「いますが、どのようなご用件ですか?」

「防具の作成をお願いしたいのですが」

「多分断られますがよろしいですか?」

「断られたら別の職人を探します」

「解りました」

奥に行き1人の男を呼んでくる

「は!こんな小僧と小娘がふざけるな!!」

「はじめましてギレリムさんよろしくお願いします」

「帰んな!小僧に用はない!」

「何も聞かないで帰させて良いのですか?」

「小僧ごときの依頼なんて興味ない!!」

「外見で判断して痛い目合いますよ」

エターナリアはニッコリ笑う

「馬鹿馬鹿しい!」

ギレリムは笑いだす

「じゃあこれを見せる気になりませんね、ケーレスト支部長からの手紙も必要ないですね、期待外れの職人だったと帰ったら言っておきます」

「ケーレストだと!あいつの紹介だと!」

ギレリムは手を出すが

「相手を外見だけで見るような愚かな職人には用は無いですねサヨウナラ」

エターナリアは帰ろうとする

「言ったな!!小僧!愚かな職人だと!!」

ギレリムは怒る

「どうかしたのですか?本当の事を言われて頭にきたのですか?」

「小僧!!」

ギレリムは殴りにくるが軽く片手で受け止める

「この程度ですか?」

「何だと!!・・・・馬鹿な!!」

「どうしたのですか?」

エターナリアはニヤリとしてギレリムを見る

「ただの小僧じゃないな!何者だ!」

「ただの冒険者ですよ」

「ここまでこけにされたのは初めてだ!!」

ギレリムは怒りに震えている

「では失礼します」

エターナリアはわざと鱗を落とす

「あ!」

鱗を叩いて汚れを落として帰る振りをする

「ちょっとまて!それを見せろ!!」

鱗を奪いじっと見ている

「返してください」

エターナリアはニヤリとして言うと

「馬鹿な!これは硬さと軽さ・・・何の鱗だ!!!」

「聞く必要は無いでしょ、知っているはずですから」

「何だと!これを譲ってくれ!!!」

「それで防具を作ってもらうつもりだったけど、追い返されたしね」

「ぐぅー!頼む譲ってくれ頼む」

「自分達の防具を作るつもりなのでね」

「作るから作らせてくれ!!」

ギレリムは必死になる

「小僧の依頼は受けないのでしょ?」

「くそー!受けるから作らせてください」

「解りました作ってください」

「何が良い?」

「鎧が良いけど他は何が作れますか?」

「鎧か・・・一枚じゃ無理だ!出来て小手だ!」

「誰が1枚だと言いましたか?」

「もう一枚持っているのか?」

エターナリアは馬車からドラゴンの鱗を持ってくる

「これね」

「馬鹿な!こんなに沢山だと!どこで手に入れた!」

「迷宮ですよ」

「迷宮だと!あ!ケーレストの手紙を見せろ!」

「はいこれね」

ギレリムは手紙を読んで

「最初から手紙を読んでいれば!!」

「解りましたか?」

「本当にドラゴンを倒した英傑だとはな・・・・見た目で判断するものでは無いな!」

「鱗以外にどんな物が必要ですか?」

「質の良い革があれば申し分無い」

馬車から持ってきてリザードの革と大蛇の革を見せる

「この革は!迷宮の物か?」

「そうです、20層のリザードの革と19層の大蛇の革です」

「良い革だな!しかし小さい何枚か合わせて縫う必要が有るな、どのぐらい有る?」

「馬車に来てもらった方が良いかな?」

馬車の後ろから革を出していくと

「こんな大量に!この革は1枚どのぐらいの価値か解っているのか!」

「ギルドには買い取らせたからそれ以上の価値はあるとは思うけど」

「1枚銀貨4枚だ!」

「ギルド買い取り価格の2倍ですね」

「何枚持ってきたのだ!」

「700枚ぐらいかな?」

エターナリアはエニスを見ると

「そのぐらいだと思いますよ」

「馬鹿な・・・売ってくれ!」

「え?」

「質の良い革は中々手に入らないからほしい!」

「防具を作って余ったらね」

「わかった!!」

オルクスがやってきて

「ギレリム何興奮しているのだ」

「オルクス帰っていたのか!」

「昨日帰った!」

「それよりこれを見ろ!」

リザードの革を渡して

「この質の革は・・・・迷宮産か?」

「そうだ!それに迷宮のドラゴンの鱗!良い防具が作れるぞ!!」

「エターナリア殿の防具を作るのか?」

「悔しいがこんな素材見せられたら作るに決まっているだろ!」

「作らないと言うと思ったから頼みに来たが必要は無かったな!」

「素材に負けた!!」

エターナリアは思い出したように大蛇の革を渡す

「オルクス殿この革はどうですか?」

「これは!大蛇の革!」

「これでカバン作ったらどうなりますか?」

「素晴らしいカバンになります」

「そうですよね数もあるしね」

エターナリアは革を見せると

「売ってくれ!」

「ワハハハ」

ギレリムは見て笑いだす

「ギレリム!なんだ!」

「お前も革を見て即売ってくれとはな!」

「そう言うことか!職人にとって素材は宝だぞ!アハハハ!」

「そう言うことだ!!勝てるわけが無い」

「オルクスはアナコンダの革カバンを作ってくれる?」

アナコンダの革を見せて言うと

「勿論作るぞ!」

「ギレリムは大きなリザードの革防具もね」

大きなリザードの革を見せて言うと

「こんな隠し球を!鱗と合わせたら凄い鎧になるぞ!」

「そう言うことでよろしくね」

エターナリアが言うと

「ここまでの素材を持ってこられたらやるしかない!」

「じゃあ完成したら教えてね」

「わかった!」

「加工代金はいくら?」

「リザードの革50枚だ!!」

「大蛇の革20枚だ!」

「じゃあ残りはどうしようかな?」

「全部買い取る!」

ギレリムとオルクスは同時に言う

「本気?」

「当たり前だ!」

「わかった、代金は分割で良いよ、大金だからね」

「確かに大金だ!アハハハ」

ギレリムは笑いだす、そしてリザードの革を全部ギレリムの倉庫に運び込む

「この数最高だ!作って作って作りまくるぞ!!」

ギレリムのテンションが上がりまくり加工場に入っていく

「あのギレリムをあそこまでする人は、はじめてです、1日でここまでのやる気を出すなんてね」

女性はそう言って見送ってくれる、そして、オルクスの商会で大蛇の革を降ろして運び込むと女性がいる

「親父なんだこの革は!」

「大蛇の革だ!」

「こんなに大量に金があるわけ無いだろ!」

「うっー!何とかする!」

「分割で良いから」

「え?本当に!」

「今は困ってないから沢山良いもの作って売れば代金稼げるでしょ」

「素材があればいくらでも作ります」

「そっそうだよな!」

オルクスはそう言って奥に入っていく

「すいません、父は職人なのに商会を始めて最初は良かったのですが、今は失敗のせいで良い商売が出来ていません、必ずこの費用は払いますので」

「そうでしたか、腕が良ければ、素材があれば良いものが出来ますよね」

「勿論です、服と鞄は得意ですから!」

女性は笑顔で言うと頭をさげる

「これで失礼します」

女性が見送ってくれて宿屋に帰る

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