第23話 王都へ出発
翌朝宿屋を出て王都に向かって出発する
「どんな旅になるかな?」
「楽しみです」
エニスは笑顔で言う
「食料に薬も忘れ物は無いよね」
「はい!ご主人様大丈夫です」
城門に向かっていると兵士が手を振っている手を振り返すと
「良い旅を!!」
笑顔でそう言って子供達も手を振っている
「あれが孤児院の子供達かな」
「わざわざ見送りに来てくれるなんてね」
「ゴメン実はこの間の賞金と盗賊の持ち物に全部寄付しちゃった」
「珍しいねどうして?」
「人攫いの為に子供は働けずに食べるものに困っていたから、自分達は全く困っていないからね」
「戦闘狂だけど、やっぱり優しすぎるよね」
エニスは笑顔で子供達に手を振りだす
そして、門を出て道を進んでいく
4日後道の脇に馬車が止まっているのを見つけると自分達が近づいてくるのを見て手を振っている
「お願いですどうか少し手伝ってもらえませんか?」
「どうしましたか?」
「車輪が壊れてしまいました」
おじさんは困った声で言う
「直し方は解りますか?」
「直すためには少し持ち上げないといけないのですが私達では無理です」
「わかりました」
「ケシルとミシルは後ろを警戒しておいて」
「わかりました」
「クーラ手伝って」
「わかりました」
良く見ると車輪の軸の棒が折れている
「ここを持ち上げてから何かに乗せれば良いのかな?」
「その通りです、持ち上げれればこれを積んで乗せれば良いです」
「わかりましたでは持ち上げるのでいれてください」
エターナリアはそう言って、気合いをいれて、馬車を少し持ち上げる
「早く!」
「は!はい!」
おじさんは急いで木を積み上げて、そこに下ろす
「クーラ手伝ってあげて」
「畏まりました」
予備の車軸に交換をしていき、終わると再び馬車を浮かして木を取り除く
「これで終りですか?」
「助かりましたありがとうございます」
おじさんは頭を下げてお礼を言う
「じゃあこれで失礼します」
「お待ちください、是非お礼をしたいのですが、王都に来られるのであれば是非我が商館を訪ねてください」
「王都に向かっているのですか?」
「そうですが、もしかして王都に向かっているのですか?」
「そうです」
「御一緒いたしますか?」
「そうですね、こちらは慣れない旅ですので迷惑かも知れませんが」
「こちらこそよろしくお願いします」
おじさんは笑顔で準備を始め出発する
日が落ちて1つの村に到着する
「この先宿屋のある所まではまだまだあるので、野営になって申し訳ない」
「野営はなれていますので大丈夫ですよ」
広場で野営の準備をしながら、村長に許可をもらいにいき、商店で薪とパンと野菜類を買ってくる
「エニス、ご飯の準備をお願いね」
おじさんの奥さんも手伝ってもらいながらご飯作りをしている
「近くでウルフが出たそうです」
「ウルフがですか?」
「村の狩人が見つけ逃げる際に怪我をしたそうです」
「森で野営をしないで良かったですね」
「御一緒してなかったら情報を聞かないで無理して町に向かっていたかも知れません」
ご飯を食べているとアニタが何かを察知したのか村の入口を振り返り
「魔物の気配です!」
アニタの言葉にみんな武器を持って戦闘準備をする
「エニス、クーラ、リリス、レインは馬車を守って!」
「アニタは迎撃!」
「わかりました」
村の入口の方から悲鳴と共にウルフの姿を確認するとウルフこっちを獲物と思い突撃してくる
「都合良いね、ウルフのステーキ食べれるね」
「干し肉の補給もね」
「3匹?4匹かな?」
アニタは笑顔でウルフに突撃して向かってくるウルフの首を切り落とし、もう一匹を追いかけている、エターナリアは槍でウルフの頭を殴り砕き、もう一匹も首を一撃で砕く、アニタの追いかけているウルフは逃走を図っていたがアニタに追い詰められて首を一撃で切り落としていた。
「エニス、狩人の家に行って解体を手伝ってもらえるように頼んできて!」
「わかりました」
「アニタ他に気配は?」
「うーん、あったけど気配を殺している」
「どっちの方かな?」
「向こう側!」
「アニタはここで警戒しておいて」
エターナリアが走り出すとレインが着いてくる
「本当に気配が無いね」
「ご主人様が見つけられないなんて相当の魔物ですか?」
「殺している気配を見つけるのは困難だよ、普通はね」
エターナリアは笑顔で言った後、森に向かって[威圧]を使う
「見つけた!」
エターナリアは森に走っていくと茶色いウルフはエターナリアを襲いに来るが槍で頭を貫き、後ろ足を掴み村の方に投げ飛ばす、村の方から悲鳴が聞こえるが、戻ってみると人が集まっていた
「面倒だったから投げ飛ばしたけど怪我人はいなかった?」
「だっ大丈夫です」
「解体手伝ってもらっても良いですか?」
「勿論です」
村長がやってきて
「まさかこんなウルフまでいたとは・・・町のギルドに討伐依頼を出していましたが、こんなウルフまでいたら冒険者が犠牲になっていたかも知れません」
「そうだね、こいつ相手だと手こずるね」
「それを瞬殺するあなた方は?」
「迷宮で鍛えているからね」
エターナリアが笑うと
「それにしても強い!強すぎます」
ギルドカードを見せてあげると
「え?ドラゴン・・・・階層主・・・!」
村長は言葉を失い呆然と見ている
「そう言うことで!有名になりたくないので内密にね」
エターナリアは笑顔で言うと
「とんでもない幸運に感謝します」
村長は頭を下げて言う
「みんな怪我は無いよね」
「アニタと戦闘狂が2人で片付けたから有るわけ無いでしょ」
「そうだけど」
「それよりあのウルフ投げるなんて何考えているの?」
「運ぶの面倒だったしね」
「桁違いを見せつけているようだから、もうしないように!!」
「アハハハ、わかりました」
エターナリアは苦笑いをしながら言う
おじさんが
「ウルフを瞬殺する実力・・・・ただ者でないのはわかっていましたが・・・冒険者ですか?」
「そうですよ」
「普通の冒険者では無いですよね?」
「迷宮で鍛えただけですよ」
「しかしあの実力・・・ギルドカードを見せて頂いてもよろしいですか?」
「内緒にしてくださいね、有名になりたくもないので!」
「約束します」
エターナリアはギルドカードを見せた
「ドラゴンバスター!階層主討伐!それも複数!!」
おじさんは目を丸くして固まっている
「誰にも言わないでね」
「ウルフ等敵じゃ無いわけですね・・・・」
「王都にはドラゴンの鱗で防具を作ってもらうために向かっているですよ」
「ドラゴンの鱗!!凄い防具が出来ますがそれ程の職人だと、ギレリムにですか?」
「そうですよ、だからケーレスト支部長に紹介状を書いてもらいました」
「ギレリムは私の昔馴染みですから、私からも言っておきます」
「そうなのですか?」
「職人ですから中々気が乗らなければ作ってもらえませんからね、特にあいつは!」
「じゃあ別の職人に持っていくだけだよね、ドラゴンの鱗が嫌なら」
エターナリアが笑うと
「あいつなら飛び付きますね」
おじさんは苦笑いする
「そういえばどんな商品を運んでいるのですか?」
「私は布を仕入れに行っていました」
「布ですか?」
「綺麗な服には布が命なので!」
「なるほど、革も加工するのですか?」
「鞄などは加工しています」
「もしかしたら加工を頼むかも知れないですね」
「ウルフの毛皮ですか?」
「必要ですか?」
「貴族のコートで需要あります」
「言い値で売りますよ」
「え?本当ですか?見てきてもよろしいですか?」
「好きにしてくださいね」
おじさんはすぐに立ち上がり、ウルフの毛皮を確認に行った
「エター良いの?言い値で!」
エニスが問いかけてくる
「まともな商人かはこれで解るしね!」
「あ!そうだね!大体の値段は解るからね」
エニスも理解して微笑む
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