第13話 クーラとレインとリリス

奴隷商に向かい

「約束通り、奴隷を見に来ました」

店員に声を掛けると

「お待ちしておりました、こちらにどうぞ」

応接室に入ると直ぐに奴隷商人が来て

「今日は来店ありがとうございます」

「良いのがいれば良いですが」

別室にいる奴隷達を順番に見ていくと最後の部屋にドワーフと人族が数人がいる

「こちらの者達がお勧めです。特にこの2人です、ドワーフは鍛冶士の娘ですがまだ修業中です、この娘は神官の修業中ですが、親に条件付きで売られた娘です」

「そこまで勧められると話だけでも聞かないといけないですね」

「ありがとうございます」

応接室に戻りまずはドワーフの娘の話を聞くことにする

「はじめまして、クーラと言います、鍛冶士を目指していましたが、家の借金が返せそうに無くなり、奴隷として売られました、勿論どんな事でもしますし迷宮にも、何処でも行きますので、どうか私をお側に遣えさせてください」

次に神官持ちの女の話を聞くことにする

「はじめまして、レインと申します、巫女の修業中父から呼び出され、借金を返すために売られました、何でもしますので私を買ってください」

2人は退室して

「どうでしょうか?」

「そういえば条件付きとか言われていましたが、何が条件ですか?」

「それはですね、貴族と人族以外には売らないと言う条件です」

「何故?」

「親は没落貴族で、他の貴族に売られ変な目で見られたくないのと、人族以外に下に見られたくないとのことです。」

「かなり厳しいですね、買い手はいないですね、かなり安くないとね」

奴隷商人は厳しいところをつかれ顔色を変える

「その通りです、だから金貨25枚になりました」

「やはりそうでしたか、ドワーフの方もかなりの訳アリですよね」

「その通りですね、鍛冶士としての腕が全く無い様で見捨てられた様ですね」

「腕が無いので安くなったと言うことですね」

「その通りです、金貨25枚です」

「わかりました」

エニスを見て相談を始めるがエニスは人族は嫌な様だったが、回復魔法が必要だから仕方なく了承する

「2人共買います」

「え?本当ですか?合わせて金貨50枚になりますよ」

エターナリアは金貨を積み上げ始めるのを見て

「申し訳ありませんがもう一人訳アリの者を見て貰えませんか?」

「どうかしましたか?」

「実は人族の冒険者以外には売るのは禁止された奴隷でどうやら、かなりの訳ありすぎて売り物にならないので・・・死ぬまで面倒を見て貰える人がいないです」

奴隷商人は申し訳なさそうに言うと呼び出す

「この者なのですが・・・年齢も14歳で何の取り柄もありません」

色白で痩せた少女は頭を下げてからこっちを見ている

「どうして冒険者なのですか?」

「ハッキリ言えば貴族の妾の娘で嫌みで売られたのと一生奴隷としていたぶられるのを楽しみたいとの事です」

「リリスです、奴隷の為自害も出来ませんどうか死ぬまで奉仕しますのでお願いします」

少女は涙目で言う

「買っても役にたたないですよね」

「費用は・・・いりませんので、おまけとしてもらって下さいお願いします」

「え?何故?」

「ハッキリ言えば厄介払いです」

奴隷商人の言葉に少女は涙を流す、エニスを見ると仕方ないと返事がくる

「わかりましたが3人で金貨50枚で良いですよね」

「勿論です」

エターナリアは金貨を50枚積み上げて確認して貰う

「間違えなく50枚あります」

奴隷商人はすぐにクーラとレインを呼び出す

「お前たちのご主人様だ!今から契約するから3人とも良いな!」

「はい」

契約の儀式を始め、契約の儀式でクーラ、レイン、リリスは、エターナリアの奴隷になる


「ご主人様一生あなたについていきますのでよろしくお願いします」

レインはそう言い膝をつく

「ご主人様の為に一生役にたつように頑張ります」

クーラも真似て膝をつく

「ご主人様に見捨てられない様につかえます」

リリスも真似て膝をつく


奴隷商から出て宿屋に向かう

「3人も一気に買ってちょっと驚いた」

エニスは苦笑いしている

「そうだね」

エターナリアは3人にエニスは婚約者と説明するとエニスは真っ赤になって

「えーと、良いの?」

「嫌いになって去っても良いけどね」

「絶対無い!!」

エニスは声を大きく言って涙目になる

「アニタは3人と仲良くね、先輩として面倒をみてね」

「はいご主人様」

宿屋に着いて、主人に前もって言っていた、1部屋追加して貰う

アニタとクーラとリリスが1部屋でエニスとレインが相部屋になって貰う

「まずは3人は迷宮に入ったことはある?」

「私は2層まで入ったことあります」

レインが言うと

「残念ながら無いですが武器は棍棒とか斧が好きです」

クーラがいう

「私は昔連れていかれましたが、魔法使いの才能無いので見捨てられました」

リリスがいう

「リリス魔法使いの才能が無い?」

「はい、無いので戦えず母が死んでから奴隷に売られました」

リリスの言葉にエニスは驚く

「もしかして魔法珠でモンスターを倒したの?」

「はい!倒しました」

エターナリアは考えながらリリスのステータスを確認するが(貴族)Lv:1のままだった

「もしかしたら、凄いお買い得だったりしてね」

「エターそう思うの?」

「なんと無く、迷宮で鍛えればね」

「レインは槍と剣と短剣どれがいい?」

「槍で良いです」

「リリスは短剣で良いかな?」

「はい!」

「この棍棒と剣をクーラが使うように」

「畏まりました」

「明日から迷宮に入るからそのつもりで!」

「わかりました」

「じゃあまずは替えの服と防具を古道具屋で買うよ」

そう言って、買い物に行く事にする

古道具屋で革の鎧とブーツとリュック等を買い、服屋で替えの服と下着と迷宮用の服と袋に類を買い準備をする

「奴隷になってから、新品の服を頂けるとは思いませんでした」

レインはそう言うとクーラとリリスも頷く

「明日から地獄に落ちて貰うしね」

「頑張らせて頂きます」

「レイン神官の修行はどんなものだったの?」

「司祭に洗礼をしていただき、山や迷宮で精神と肉体を鍛えて神官を得るとの事です、まだ見習い神官ですが・・・」

エターナリアは笑顔で

「すぐに神官になって貰うからね」

そう言いながら、冒険者ギルドに向かい冒険者登録をする

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