【第4話】『ある日から使えるようになった転移魔法が万能で生きるのが楽しくなりました』
「うぁ……頭痛い」
俺はフラフラと道を歩いて帰宅していた。それというのも、本日バイトに向かったところ、顔色が悪いことを
確かに数日前からどうにも体調が悪くなっているのを感じていたのだが、次々に入るバイトにかまかけて無視してしまっていたのだ。
ポスティングのバイトを何とか終えると時刻は夜を回っていた。
ふと足元に何かが落ちた。
「っと、証明書を落としちまった」
よろけた際にポケットから落ちたのはバイトで使っている身分証明書だ。これはポスティングをする際に、自分がどの事務所に所属しているかを示すもの。
中には変な客に
「それにしてもなんだこの痛み?」
意識が
「ん? こんな時間に女子高生?」
夜だというのにサングラスで目元を
パッと見た感じだとスタイルが良く美人さんなのは間違いない。
「こんな時間にコンビニか?」
この辺りは人通りがそれ程多くなく、現在は俺と女子高生がいるだけ。そして歩いている
すれ
ふわりと
何となく落ち着く
「えっ?」
目の前が
遠くから何かが
「
俺の横を通り過ぎたのはトラックだった。それも運転手が
「あぶっ…………」
トラックが向かう先には先程の女子高生。彼女は俺の声が聞こえたわけではないのだろうが、音に気付いて
「えっ?」
彼女の声がする。だが、トラックはすでに目前に
次の瞬間に彼女が
★
私がコンビニに買い物に行こうと歩いていると大学生らしき男の人とすれ違った。一瞬だけ目が合ったので
目的地のコンビニの明かりが私を照らし、ほっと一息つくのも
眩しいばかりのヘッドライトが私を照らしていた。ソレは凄い速度で私との
私は
私は迫りくる
次の瞬間。何かに落ちるような感覚の後、暖かい何かに
「えっ? えぇっ!?」
私は混乱している中、周囲に目を向ける。
そうするとまず目に入ったのは男の人の
「……ふぅ、間に合った」
彼はそうつぶやくと遠くを見ていた。
そこではトラックがコンビニに突っ込んでいて、その音を聞きつけた近所の住人達が野次馬のように出てきている。
「おい、
男の人は私に話し
(トラックに撥ね飛ばされた私をこの人が受け止めてくれた? それにしては衝撃がほとんど無かったし、トラックはコンビニに突っ込んでいるのだから撥ね飛ばされたのならコンビニの中のはず…………だめだ……現状ではよくわからない)
私はとにかく助けてくれたであろう男の人にお礼だけでも言おうと思ったのだが……。
「この場合は
などとこちらを気にしていない様子だ。私は彼の思考が
パチリと視線が合う。私はサングラスをしているので相手はわからないかもしれないが、こちらから見れば完全に見つめあう形だ。
私はお礼を言わなければならないと思うのだが、異常事態に
「
その人は私を降ろすと左手で口元を押さえつつ右手を上げると次の瞬間消えていた。
「なんだったんだろ…………?」
理解が追い付かない私を電話の着信音が引き
『もしもし、
相手はマネージャーだった。私は地面に落ちているソレを拾い上げる。
『何、あんた外にいるの? 何やらサイレンの音が聞こえてくるんだけどさ』
サイレンの音を耳にしたマネージャーから
「ええ、コンビニに行こうとしてたんですけど、コンビニにトラックが突っ込んでまして」
『はぁっ! それって事件じゃない。すぐにその場から
電話の向こうで
「
『なに?』
「
そう言った私の手の中には1枚のプラスチックのカードが
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