【誕生日】- 2
ギイギイと音のなる階段を上がり部屋に戻った私は、カーテンから漏れ出している光をできるだけなくそうとするようにカーテンをしっかり閉め切り部屋を暗くした。
「あーあ…せっかくの誕生日なのになぁ。」
今日は日曜日。学校もなければ遊ぶ約束もない。
ベットに転がり退屈な一日になるのかと思ったら部屋の扉からノック音が響いた。
「ナコ、誕生日だしお父さんとお母さんと遊園地にいきましょ。」
「えっ本当!?」
私はベットから飛び下り、「すぐに支度する!」と大きな声で言ってピンクがところどころに柄になっている赤いワンピース、白いカバンとスニーカーを用意した。
「おまたせ!」
支度をすばやく済ませ部屋の扉を開けるとお母さんが立っていた。
「じゃ、行くわよ。」
お母さんが階段を下り私も続いて下りる。玄関を開け車にはお父さんが既に運転席にいた。お母さんが助手席に座り、私が後ろの席へ座る。
× × ×
―――私たち家族は遊園地につき、駐車場に車を駐車して私たちは車から降りる。駐車場を後にし、出入り口ゲートをくぐるとお母さんとお父さんにパスを配るネコさん、赤や黄色、水色やピンクなどの風船をたくさん持っているウサギさんがいる。
私は子供だからかパスは渡されなかった。
お母さんとお父さんは私が好きな乗り物がジェットコースターとわかっているからかまっすぐジェットコースターに向かう。
私は胸をドキドキさせながら二人についていった。
ジェットコースターは思ったよりも混んでいて二、三十人くらいの列に並んだ。
順番は思ったよりも早く来て係員のお兄さんを前にした。
「次の方二名ですね。」
「いえ、三名です!」
お兄さんは後ろにいるお父さんが別のお客さんだと勘違いしたのかな。たしかにお父さんはあんまり喋らないし影も薄いけど一緒だもん!
「では次の方前から順番にお座りください~、安全のためのホールドは係の人が下ろしますので上げたままにしてお待ちください。」
そう係のお兄さんが言いながら私たちが先頭の列を通していく。
一番前の席でお父さんとお母さんと私で三人で座った。後ろの列の人はみんな二人ずつ座っていた。私くらいの子供は一席三人でも許されるのかな。そんなことよりも一番前ということもあってジェットコースターが発進されるのが私は待ち遠しく思っていた。
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