似非ヨーロッパ語は詭弁の上に成り立っているという話

 例えばアイルランドゲール語で水はuisce(/ˈɪʃcɪ/ イシュキみたいな発音で、whiskeyの語源になった)という。

 英語のwaterとは全く似ていないように見えるのだが、実はこれどちらも印欧祖語の同じ単語から派生してできた単語らしい。こういうのが素人目には「ハン、言語学も適当だな」と思えてしまうわけだ。

(一応ウィキペディアの説明をはると、From Old Irish uisce, from Proto-Celtic *udenskyos, from Proto-Indo-European *wódr̥とある。

 要するに、ケルト祖語でudenskyosだったものがuisceになったということらしい。まあudenskyosならwódr̥とも似てる……かな?)


 で、何が言いたいかというと、自然言語の音韻変化や文法の変化というのはメチャクチャに起こっているわけではないので、私が10分ぐらいでテケトーに思いついた変換法則に則って作ったものはやはりインスタント麺でしかないのである。手打ち麺(=自然言語)には勝てない。


 ヴァドリア語こと似非ヨーロッパ語は印欧祖語から単語を作る手間を嫌って、現代語のみを参考にして作られた。そのせいで音韻変化や文法の作りがかなり雑である。


 具体的な例を挙げると、

・似非ヨーロッパ語ではb-始まりの単語は英語でいうf-始まり、スペイン語やフランス語などのp-始まりの単語に対応している。例 bize(魚)など。(英語のfish、スペイン語のpez)

 ここまでは許されると思うが、f-始まりの単語をなんでもかんでも全部bにするのはおかしいような。Famousがbamosiになっているのは流石にダメなんじゃない?(ラテン語ではfāmōsus)


・ロマンス語派以外の言語でla/liみたいな定冠詞を使うのは珍しいような。スラヴ語派の言語でも北ゲルマン語派の言語でも大体定冠詞は後置されるし、laとは全く違う発音である。

 似非ヨーロッパ語には不定冠詞がなく定冠詞しかない。その点アイルランドゲール語と似るが、アイルランドゲール語の定冠詞はan(※後ろに続く名詞が母音で始まるか子音で始まるか、名詞の性でも変わる)である。anじゃ発音的に関係ないだろう。


 という感じでご覧のとおりかなりガバガバである。ギャグマンガ日和に登場した聖徳太子の法隆ぢなみにそこかしこでユルユルなのであまり突っ込まないでほしい。これはギャグです! ギャグなんですって!(必死)

 

 てなわけで、私が言語学者か何かと勘違いして印欧祖語からきちんと構築した言語を作ったなどとゆめゆめ思わぬように。 

 私はグーグル+Wiktionaryでそれっぽい言語をでっちあげてるだけのアホです。

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