━━ 第二章 ━━
━━閉ジ目ヲ塞グ者━━
━━私は、ある男の存在が気になった。
その者は、膨大な知識を持ち、錬金術師からは賢者、魔導師からは大魔導師と呼ばれている。
数々の偉人や王族とも面識があり、助言を与えるという。
風の便りで聞いたところによると、彼は、不老不死の研究を行い、それを会得して何世紀も生き続けているんだとか。
私は、ますます彼に対しての好奇心が高まり、彼に関する資料を世界中からかき集めてほしいと命を下すと、大陸一と言われている我が宮殿に集められた。
そこは、多くの最高機密文書が保管されており、私に仕える100名近くの国家魔導師によって厳重に守られている。
書庫ごとに様々な封印魔術が施されており、虫一匹入ることは許されないのだ。
ところが、一夜にして自慢の宮殿が燃えたという報告が入り、出火原因は、
耳を疑う事件だが、まるで、何者かが隠蔽しようと妨害しているかのように思えてならなかった━━。
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