ボクはずっと彼女だけを見ている(シエルちゃん/ブラン)

◇シエルちゃんと光の神の要素が出会うお話◇




 ボクはずっと彼女だけを見ている。


 白雪ブランネージュ

 そう名付けられた彼女は、雪のように白い肌が印象的だ。

 くるくると変わる表情、愛らしい仕草、突飛な言動、どれをとっても僕のブランネージュは心を釘付けにする。



 愛しい、愛しい、愛おしい……。



 彼女のためなら何だってしたい。

 けれど、ボクは、彼女のために何かするどころか会話すらできない。


 こんなに愛しているのに。

 どうして僕に気づいてくれないの?

 どうして僕の愛情に応えてくれないの?


 彼女が他の奴と話していると、もう、どうしようもなくイライラして仕方がない!


 ブランネージュをずっと一番近くで見てきたのはこのボクだ。

 ボクの愛しい愛しい愛しい愛しいブランネージュ。誰にも渡すものか。




 いつしかボクのブランネージュは「シエル」と名乗るようになった。

 そしてようやく、ようやくボクの存在に気づいてくれた!


「はじめまして。愛しいボクの愛しいシエル。ボクはキミの中でずーっとキミを見守ってきた光の要素。名前はそうだなぁ、「ブラン」とでも呼んでよ」


 ボクはこれからもずっと彼女だけを見ている。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る