黄昏と白い雪(シエルちゃん)

◇シエルちゃんが生まれる前の両親の会話◇



 彼女は雪が好きだった。

 白い雪がキラキラと光を反射する様が好ましいようだ。


「ねえ、私達に子どもができたとしたら、どんな子が生まれると思う?」


 彼女の問いかけに、私は少し考えてから口を開いた。


「そうだね。この雪のように肌が白くて──」

光闇の神私たち両方の要素を持った、例えば黄昏色の髪をした子とか?」


 彼女は私の闇色の髪を撫で、それに応えるように私も彼女も光色の髪を掬う。


 私たちは光と闇、そのものだ。

 それは相反するようで、常にともに存在する。


「名前は、そうねぇ……白い雪にちなんだ名前がいいなぁ」

「白雪とか?」

「素敵。でも、もう少し捻りたいわ」


 白い雪が沈みゆく陽の光を反射して美しく輝く。

 私はそれに目を細め、いずれ私たちの元にやってきてくれるであろう存在に思いを馳せた。

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