おはよう、『家族』!(桔梗)

◇ハロウィンのお話◇






 ハロウィンには現世に死者の魂が訪れる。




 ──死、とは生命が閉じることではない。

 父なる神に愛されず、誰からも存在を忘れ去られた時、この世界にとっての本当の 死 が訪れる。


「かわいそうに、きみは誰からも愛されていないのだね」

「わたしならきみを永遠に愛してあげられる」

「さぁ、わたしの『家族』にならないか?」


 今ある生命は閉じるが、それは新しい自分自身の始まりだ!

 ずっとずぅっと、わたしの愛で包んであげよう。


「おはよう、わたしの愛しい『家族』」


 死者の日にだって、絶対に帰してあげない。

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