幼なじみの愛がうっとうしいほど重たいです。(笑)

幼なじみの愛がうっとうしいほど重たいです。(笑)

「ちぃちゃーん！」

「おふっ！」

はっ！いけないいけない。女子としてあるまじき声を出してしまった。

でも、それも私の腰に巻き付いてるこいつのせいだよね。

「あ、今なんか俺のせいにしたでしょー。」

......

「なんで心の声を呼んでんの？」

「えー？だって俺、ちぃちゃんのことなら何でも分かるんだもん♪」

「なにそれ。てか、いい加減離れろ！！」

「えー、ヤダ。」

なんで、私の攻撃全部綺麗にかわすの！！

「ちぃちゃんの攻撃の癖は全部分かってるよ。」

「分かったから離れて！！」

「むー、はいはい。しょーがないなー。」

「って言いながら離れてないよ？」

「ちぃちゃんが、俺の名前呼んで、お願いしてくれたら、いいよ。」

にっこぉと、音が出そうなほど良い笑顔をしたこいつ。ほんと良い性格してるよね。

「ほら、ちぃちゃん♪どーするの？俺としてはどっちも美味しいんだよねー。だってさ、このままだったら抱きついたままでしょ？でもでも、離れるなら、ちぃちゃんの可愛いお願いが見れるんだよ？」

「はい？可愛い！？」

「え？うん。ちぃちゃんの、とーっても可愛いお願い。」

「えー...」

なんか、無茶振りが増えたんですけど。

「ほーらちぃちゃん！」

ううぅ、なんでそんな期待した目で見るの...！

「はぁぁ、可愛い。照れてるの？顔真っ赤だよ？？」

ここぞとばかりにからかってきて...！！

「そんな、可愛くお願いなんて出来ないよ！！」

「大丈夫。ちぃちゃんなら何しても可愛い。」

「じゃあ、離れて！！」

「それはダメ～。」

なんでよ！？

「ほら、出来ないの？だったらずっとこのままだね～♪」

「......」

「？ち～ぃ？？」

「ふ、ふぇぇえぇん...」

「あぁぁあぁ！ごめんね！ごめん、ちぃ。ほら泣かないで？ね？」

「もぉ！ゆぅなんて嫌い！！」

「ちちち、ちぃ！？ごめん、ほんっとうにごめん！！だから、嫌いなんて言わないで？ね？お願い！」

そんな風に言ったって許さない！！

「ちぃ～。」

ふんっ！

「...ちぃ、ちーい。」

しーらない。

「......」

あれ...やり過ぎたかな...？

「.........」

.........

「はぁ。いい加減こっち向いてよ、ちぃ。」

呆れられた...？

「ちぃ。」

怒ってる...どうしよう...

「ちぃ、お願い。俺のこと嫌いでも良いから無視しないで。」

...っ

「はぁ...」

え、腕が...離れてく...

「...ゆぅ？」

「もういいよ。ちぃは俺のこともう大嫌いなんだもんね？分かった。２度と触らないし喋らない。」

え、それはやだ！

「だめっ...！！」

思わず後ろを向くとそこには...

「はぁ///ちぃってば相変わらず可愛いよね///なんでそんな単純なの...可愛すぎ...///」

すっごい蕩けた顔のゆぅがいた！

騙された！！

「むぅ...」

「っ！///ちぃちゃんが可愛すぎるっ！！俺のこと殺す気なのかな、この天使は。...監禁して一生俺の手で育てていつか俺無しでは生きられないようにしたい。」

ほんと、なんでこんなやつがうちの学園の王子様なんて言われるんだろ...ただの変態じゃん...

「俺がこんなこと言うのはちぃちゃん限定だよ♪」

「だから心の声を読むな！！」