第13話 フェルリーナ嬢と決闘

一週間後:


「ルー!おはようー!後、森川さんも!」

「おはようございます、早山君、森川さん。」

「ふーわー....。おはようさん、二人とも。今朝もお似合いのカップルだね?」

「「カップルじゃない(ありません)っっ!!」」


と、仲良く揃って反論してきたいつもの二人である。で、聖メレディーツ女学園から1ミレほど近くに設置された学園寮を出て梨奈と一緒にここの学園の校門まで歩いてきたら、先に登校していった遼二と有栖川に出くわした。(この一週間に色々学んできたから、ここの世界で距離を測るための単位って、シレみたい。どうやら、俺らの元いた世界でのメートルに換算すると、1ミレって50メートルになると試しに目測で比較してみた。)


どうやら、俺達がここに着くのを待っていたらしくて、二人揃って挨拶してきたので冗談混じりで返した。隣の梨奈に横目を向けると、彼女も俺のやつらへのいじりを仕方なく思ったか、苦笑を浮かべてる様子である。因みにこの一週間で沢山の予備知識を教わってきたんだよね、俺達って。


さっきの距離測定における単位の単語もここの世界、<リルナ>の住民の大半が共通言語として使っているヤアンダル語から引いたもの。読む時はそもそも文字が違うから分からなかったが、じゃ、それでどうして、俺達は彼ら現地人と言葉を交わせるかと城にいたエレン姫に聞いたら、<神の聖騎士>として召喚されてきた皆さんはシェレー?なんだっけ?という神様からの祝福や加護によって、神使力を授けてもらったと同時に異なる言語により意思疎通もできるようにしてくれたらしい。でも、文字を読む時はそれがカバーされてないらしいので、自力に勉強してくしかないねー。


それにしても、さっきから梨奈も着てきたから今更だけど、その胸元がちょっぴり開いてる制服ってまじで壮観の一言に尽きるなー。その二つの饅頭みたいな物体、一動一動の動作で、ぽよんぽよんと揺らしてる有栖川さんを目にした遼二も俺と同じ感想か、目のやり場に困っていて、ずっとそれを見ないようにして彼女の顔だけに一生懸命に視線を集中して見てる。 


それにしても、黒タイツに相まってよくバランスの良い体つきがもっと強調されてるような印象を与える有栖川である。彼女も梨奈と同様、結構胸が大きいので目の保養にもなるな。まあ、そもそもここは元々<女学園>だし、男子生徒の存在を考慮して、刺激的でない制服の登用をする必要がなかったんだけど、今は俺たち二人も通うことになるんだし、何とか、変えてもらえないかと一対一の場で女王に懇願したが無駄であった。「御主達二人ならば、問題ないよのうー。じゃって、これぐらいのことでうろたえていたら、<その時>が来たら、もっと大変じゃからよーほほほうー!」と、何か意味深な事を言って、会話を終えたのをはっきり覚えた。


なんだったんだろう、<その時>って。確かに、男の子としてはこういうのには興味があるし、エッチな姿な女の子も嫌いじゃないが、生憎と男っていう生物は単純な生き物で、それを堂々と見せられたら、鎌首を擡げそうになる箇所が押さえられなくなるじゃないかー!ハーレム状態とかはまあ、今まで読んできた漫画やラノベなんかで、憧れちゃうように思うんだが、リアルだと、限度という要素がないと男としてつらいというか。だって、こんな格好をしてる女子を目にしたら、ちょっとムラムラしてしまって下半身が大変なことになっちゃうじゃんか! で、試しに隣にいる梨奈に目線を彼女の乳房に移動させてみるけど、何故か満更でもなさそう顔をして、あまり怒っていない様子らしくて、ただじっと目だけ浮かべてる。


「ここの学校の開館時間って、確かに午前6時半からになってるのよねー?なんで、先に入らずにあたし達を待っていたの?」

お互いの登校中で見てきたものを確認し合った俺たちであったが、ふとそういう疑問を口にした梨奈、

「いやだなー森川さん。何水臭いこと言ってるんですか?親友とその親友の幼馴染である君を待たずに入っていったら、仲間として失格ですよー!なあ、有栖川?」

「そうですね。付き合いが一年強あっただけとはいえ、私達は確かにいつも4人で連れんで来ましたよ。なので、別の世界へとやってきて日も浅いというのに、必要時以外は別行動を取りたくないです。」

「あははは....。こういう時のあんた達って息ぴったりね。まあ、気持ちも分からなくはないけどね。地球人同士として、なるべく行動を共にした方が緊急時になったら対処しやすくなるとあたしも思うのよね、ルーくん?」

「ええ。そうだね。俺もそれには同意するよ。じゃ、無駄話もほどほどにして中へ入ろうぜ!」

「「「おう!(はい!)(ええ!)」」」


と、校門を潜っていったら、まず最初に目に入ったのはとっても雄大な雰囲気を醸し出している、それでいて清潔そうな外観をも持っている、真っ白い建物がいくつも建てられているのを感嘆とした表情になって拝んでいる俺達であった。どうやら、中心の一番デカイ建物だけじゃなくて、その左右には2棟の建物もあって、全ては真っ白い石とかでできているみたい。その両側の2棟と繋がっているのは通路みたいなのがあって、どうやら、どっちの棟からもそれを通って、別の棟へと移動できるみたい。で、屋根にはドーム状になっていて、そこを目を凝らして眺めたら、横型に細長い窓なのがあって、あっちからじゃ控えめに下にいるものを完全に見渡せる作りになっているようだ。中心にある本棟はここへと伸びてくる長くて幅の広い舗装道路で一本道となっていて、ここを通っていけな、真っ直ぐに玄関から入れるんだよな。


「...綺麗な外観なのよね、ルーくん?」

「うん。これぞ、俺達が今日からになって通うことになるであろう聖メレディーツ女学園だな。」

「ふ......マジですごい光景だな、有栖川...」

「そうですね。私達が前に日本で通っていた島羽学園より、面積が広いですね。多分、その本棟の後ろには中庭とかもあって、または訓練場みたいなところでも立てられてるかもしれませんね。では、いつまでも突っ立っていてもいられないし、さっそく中へ入りましょう。」


と、促した有栖川さんに賛同するように足を踏み出していった俺達。さっきの校門にいたら、ちょっとだけ女子生徒が中へ入っていったのを横目で見かけるのを思い出した。それで、前や横を見回してみたら、確かに他には数人の可愛い制服を着ている女の子はいる。相変わらず、エレン姫たちと同じく、胸元の露出が顕著なデザインではあるなーありゃー。ほうほう、あの子はポニーテルで大人しい顔をしているけど、あっちの子はくすくすと笑い声を上げて、友達らしき数人の女子と元気いっぱいに何か歩きながら楽しく談話してる。その笑い声を何度か聞かされた後、遼二の反応が気になって彼の方に目を向けたら、ああ、やつも俺と同様、舞い上がってる感じで、目を点にしてここいら中を通っていく何人の女子生徒に視線を集中させて、側にいる有栖川さんの不機嫌な表情に気づかないまま!(あっちゃ、ありゃ今後、大変なことになりそうだな、あいつ。お気の毒に.......) あっちこっちにいる徒歩中の女子生徒を一心不乱になって目で追う俺に、いってー!と、耳を詰まれながらじっと目で睨んできた梨奈に意識を戻された。


「ルーくん!分かる。分かるよ。あんたも思春期な男の子だから、こういうのに免疫がないのも理解できるのよ。けど、あんまりジロジロ見すぎると、変質者に見える恐れがあるかもよ!だから、少しは自重して!我慢ね!ほら、テレビだと良く見かけたじゃない?白人とか黒人女優が胸元の開いてるドレスを社交界のダンスホールで着るのって。そういうのを思い出して、何事もないように自然とそれらを達観した目線で見れば多少は男としての本能もシャットダウンできるかもよ。」

と、俺の耳元で口を近づかせて小声で諭してきた。


「え?ね?見てよ、あれー?あそこの女子二人と一緒に歩いてるのって二人の男の子だよね?」

「うん。なんか内の制服と同じ感じの服も着てるし、あれって、先日、学園長が言ってた<奇跡の子>の二人だですよね?」

「ってことは、歴史的として、初めて、戦闘可能な神使力を持ってる男の子が目の前にいるってことなのよね?」

「それにしても、何で一人だけあんなに真っ黒い肌をしているんですの?」

と、こっちに気づいたか、数人の女子生徒が俺たちの方にちらちらと目を向けて、なにやらひそひそ話してる。胸元にある肌が露出したぽよんぽよんとしたおっぱいを隠そうとせずに、堂々とこっちの方へと目を向けてきてるぞ、彼女たち!確かに乳首や下半分は見えないけど、それでも童貞の俺からしたら、十分刺激的な光景すぎるよ!!うぅぅぅ......


「......ううぅぅ.....これって、マジで生殺しだよ、梨奈....。」

「我慢してね、ルーくん。確かに、<終わりの饗宴>が近いという事はここの皆さんも分かっているらしいが、騒動を避けるために女王の計らいによって、あたし達は異世界から召喚されてきた神の聖騎士であるという事実は伏せられたけど代わりに、微々たる物であるけど戦闘可能な神使力を体内に宿している、前代未聞な<奇跡の子>なる男子二人がこの学園に通うことになると、女王が学園長に発表させたらしいのよ。」

「つまり、俺たち二人がそれで、世界の救世主とかなんとかでしつこく崇められたりされずに純粋に同年代の男で対等な個人として見てくれる上で人気者になる可能性が高いってことだよねー!」


前に日本にいた時の学校って、いつも俺の家の財力が目当てで、興味を示して近づいてきてるみたいな子が何人かいたので、対等な人間として見てくれた上で気に入られてたら、それはまるでハーレム漫画によくある凡人がいきなり何かのきっかけで沢山の女子に好かれるようになる展開で俺のいつも憧れてるシーチューになるんだよね!うひょおおー!純粋なハーレム生活、ゲットじゃんー!と興奮してる俺に飽きれた顔になる梨奈だったが、直ぐにスールして先を続ける。


「確か、女王から先日聞いた話だと、なんと神の聖騎士を召喚する流れにしたのは、元々はシャリン王国にいる現在の聖虔白女、リリム王女だったそうよ。大母神からの言葉を聞いて、ネネサ女王にあたし達をここへ召喚するための儀式を行うよう命じたのはの他でもない、彼女らしいの。」


「それで、先日の晩餐の時に同席したネネサ女王によると、その儀式を行うのに必要な特殊の現神術が使えるユリンさんにその使命を任せたんだね?」

「そうよ。だから、冷静になって辛抱強くこの一日を過ごしてね? この一日を無事に過ごせたら、その.....えっと....」

ん?急になって、俯いてる梨奈ではあるが、気になってよく見てみれば、ほんのりとほっぺの所が少し赤くなってんぞ!どうしたの?

「梨奈、大丈夫か?」

「え?うん。あたしが言いたいのは....その.....えっと.....」

また口ごもって、言いづらそうな表情だけじゃなくて、顔も赤いままだったから、熱でもあるのかな?

「....<あたしの....胸を触らせて....やっても...いいの>.....」

と、顔を赤らんでるまま小声でブツブツ何か言ってた梨奈だけど、よく聞こえなかったなー。彼女の挙動が不審になりすぎたので、心配になって聞こうとしたけど、遼二の声によって遮られた。


「そういえば、エレン姫たちって確かにここの学生さんだよね?僕たちは先に校門に着いたけど通ってきたのを見かけなかったから、彼女達ってさっきに校舎へ入っていったのか?」

「ええ。療にいた子に聞きましたけど彼女は昨日、饗宴場で言ってた通りに、部隊の隊長のようなので色々な職務があるみたいですから、朝がいつも早いと教えてくれましたよ。」

因みに、女子がほとんで住んでいた療なので、俺と遼二は空き部屋が一列になってたくさん並んでいる、領内にある開いてる一隅に部屋を割り当てられたのである。後、これはネネサ女王から聞かされら情報だが、この聖メレディーツ女学園に在籍している80パーセントの生徒は貴族家の娘ばかりで、その理由とは貴族家に生まれた娘の方が平民の生まれより、高確率で戦闘可能な高い神使力を大母神に授けてもらえるからだ。なにそれ、不公平じゃん!


「....ああ!思い出したよ、みんな!」

「「「!」」」

と、急に何かを思い出してそう叫んだ俺に3人はびくっとなって俺のほうに向く、

「どうしたの、ルーくん?」

「神使力?なんだっけ、という異能みたいなのをこの世界にやってきた瞬間から、俺たちの体内にその大母神が授けてくれたという話だったんだよな?」

「そうね。って、あああ!!あたしも思い出したよ!」

「ええ。私もですね。ということは、この一週間が経ってきた今、全員も同じということで例外なく身体の変化がありましたよね?」

「そうだな。で、そういう君だから、僕と同じで既に気づいたんだよね?」

「そうですね...。私達がこの世界に召喚された最初の日ではあの平野で飛ばされたが、その時や数日後は特に身体に異変は何も感じなかったけど、つい二日前はそれっぽいものがありましたよね?」


そう。有栖川さんの言った通りに、二日前ぐらい...だっけ?正確に覚えないんだけど、その日は朝起きた時に、急に身体が前よりもっと軽く感じて、まるで体力が何倍も強くなって全身に満ち溢れてるかのように気づいた。あの日、一日で城の広い中庭を走り回ったり、練兵場で腕試ししてきたばかりだけど、俺より柄のでかい新兵と試合を何度やっても、増大した体力や強化された身体能力で簡単に負かしてきた。その後も色々試してきたけど、一例としては跳躍を何回も繰り返してきても疲れずに王城の一番上の5階建てまでの高度で高くまで跳べたりとか、と様々な新体験を味わってきたなあー。なんか、まるで映画で見たスパイダーマンにでもなった気分だよ。まあ、昨日の昼過ぎからは学園にもっと近い学園寮に引っ越してきたので、50メートルの距離だけで、ここへと通える。まあ、確かに王城からここへは200メートルの距離があるが、得たばかりの新体力で例え、1000メートルだろうと、30秒以内でもここへと走ってこられると思えてきたよ!


で、その当日に色々試して見たら、異変を自身にも感じた梨奈は俺にそれについて話しに部屋を訪ねてきたら、一緒に部屋を出て、練兵場で色んな信じられないような快挙を回りにいた兵士達に見せていた。<神の聖騎士>であるという事は彼等にも知らされていないので、普通に現役の聖虔白女(シーヴァ)のリリム王女が情報隠蔽として俺たちを<奇跡の子>と呼称したもの達であると接してきて、それで物凄い称えてたりしてたのを覚えてるな。<奇跡の子>だけであれだから、もし本当の事を知っちゃったら、もっとしつこく敬われたりしてたなーありゃー。


今朝もそれで遅刻せずに苦もなく早起きできたね。まあ、でもやろうと思えば、もっと寝てもできたけどねーはは....。因みに、その当日で王城にいた女王とその第一娘である金髪美少女で長髪ドリルなエレン姫に自分や梨奈の身体に起きた突然の変化に、「それは素晴らしいことですわ!早山さんに森川さん!その変化があるということは貴方達の体内で流れている神使力の量と出力率もわたくし達と同程度に近づくのにも近いですわー!」と何か興奮したままキラキラと目を輝かせて巨乳を揺らしながら、俺に身体を寄せてきたエレン姫に顔を真っ赤にした俺が側にいた梨奈に密かに足指を踏まれたのを今でも覚えてるよー。苦痛と柔軟性のあるおっぱいによる同時快感を味わわされてラッキだったぜー!! その後、エレン姫によれば、彼女とその部下達も俺と梨奈のような普段の身体能力もあると教えてくれた。ああ、よかったね、俺たちだけあまり周りと違わないのって。


「それにしても、今更だけど、こういう格好ってまだ慣れてませんね。」

「そうね。胸元の上半が露出していて、ちょっとおかしいとは思うけど、どうやら、三日後、あたし宛に学園の制服を届けにやってきた侍女長からそれを受け取ったら鏡で着てるとこを何回見ても納得いかないので女王に聞いてみたら、「それは必要な事じゃよ。女性が使うことになる神使力や現神術はのうー、母性の持つ保養力をもとでできておる。なので、シェレアーツ様のお言葉を頂いた、何十代も前の聖虔白女(シーヴァ)によると、新滅鬼と戦う事を前提に活動するヴァルキューロアはみんな、胸元はできるかぎり肌が露出した服を着るべきと命じたんじゃったよ。」

「母性の保養力.....ですか?なんか、男性が思いつきそうな思考ですね。」

「ええ。それ、絶対変よね、有栖川さん?まるであの女神様って変しつーんんんふうううーー~~。」

と、地雷を踏みそうになった梨奈なので、彼女の口を手で塞がった。危ない!もしここの周りの子達に聞かれたら、あの神様への冒涜ととらえられて罰を食らうことになるかもしれなかった!


と、俺達にあった様々な出来事を喋りながら長い道路を通っていったら、膀胱に重い感覚を感じ始めた。くそ!玄関に辿り着いた途端いきなりこれー?面倒くさいなー!


「みんな、すまん。俺、ちょっとトイレ行ってくる。お前らは先に行ってくれ!」

そう。例え、新体力を獲得しても、結局、本来の人間の身体における自然現象はまだ健在で、抗えぬままである。まあ、でも確かに、神使力を用いて、とある一種の現神術を使えば、体内にある廃棄物はそれで蒸発させる事ができるとこの一週間に本で読んだことがあったが、なるべく自然に済ませたいよねーうん!それに、基礎の現神術もまだ使えない俺たちにどうやったら、それが身につけるんだ? で、入学手続きは昨日、皆で済ましてきたから、今日はホームルーム担当の教師と共にそれぞれの教室へと案内してもらうために事務室に行った皆のを横目に、玄関を潜ると同時に走り去っていった俺であった!


でかい!この本棟ってでか過ぎて、どこにトイレがあるか走り回ってもそれらしきものが目に入らん!くそ、昨日はここへ来た時にトイレはどこにあるか、聞くの忘れた!だから、今は必死になって探してるんだけど、一向に見つからなくて困ってるよ! さっきから擦れ違ってきた何人の女子生徒と目があったけど、走行中の俺になにやら騒ぎ出して、きっと<奇跡の子>がここへ通いにくるという知らせを学園長から聞いても実感とかないらしくて、男の存在に驚いているようだった。でも、他のはあまり騒がないから、きっとさっきの子達ってまだ寝ぼけてんだなー。


トイレはーーーああ! ここだ!と、喜びながらそこへと猛ダッシュしていった!


ああ、すっきりした!それにしても、豪華な感じなトイレだな、おい!用事をたす場所だけであるといのに、さすがはお嬢様学園といったところだろう。1分後、用事を済ませた俺はようやく出ようと綺麗なドアーを開けようとしたら、


「きゃあー!」

と、小走りにドアーを外から押そうとする誰かとぶつかったようで、思わず足も同時にそれのと引っかかったのでバランスを崩してしまい、押し倒した形にしてしまった!いやーーー!!俺はこういうので殴られる展開になるのか!??と、よく見てきたアニメで覚えてきたこの展開。それって長ラッキじゃーっていかん!下にいる子に目を向けると、


「すみません、まさか人が入ってくるとは思わなかったんで、わざとじゃないです!大丈夫ですか?」

え?良く下にいる子の顔を見てみれば、結構可愛い容姿をしているな。オレンジ色の長髪だけど、エレン姫と違って、ドリルじゃなくて真っ直ぐに伸びたストレートヘアな子である。ん?この手にある柔らかい感じはなんだー?と、視線をもっと下へと移動させて見たら、......終わったな、俺。オ.ワ.タ. はい、そうです。俺、知らない女の子のお胸を手で掴んでしまったのであります。それも、肌の露出した箇所を。(でも、下にあるであろう乳首に触らなかったのは不幸中の幸い........ともいえるね。って、いかん!早く謝罪をしないと.......殺されちゃう!


「あの、これはその.....わざとじゃー!」

「あなた、何か言い残す事がないのかしらー?」

「え?」


ドゴッーーーーーーー!!!


と、そのトイレの中にある壁を破壊してしまうまでに、強くパンチされた俺であった!


トイレの壁が粉砕されて殴り飛ばされた俺は外にあるだだっ広い中庭みたいなところに背中から地面へと叩きつけられて、痛みを堪えようと背中を手で抑えながら立ち上げようとする。それにしても、超いってーけど、なんで気持ちよく感じたんだろうー?っていうか、体力が上がってきた俺だけど、もし以前の俺だったら、これで死んでいたかもね?ね?それにしても、前より何倍か強化された身体能力を以ってしても、あの子から受けたパンチをこうまで容易く身体を吹き飛ばされるようになったとはー。あの子、エレン姫に比べば、どれほどの神使力を持ってるの?


と、その疑問が頭に浮かんだやいなや、トイレの壁に開けられた穴からこっちへと歩いてくるさっきのオレンジ色の長髪っ子と目が合った!

やばい!冷酷な表情を浮かべてる彼女は怒りを堪えるかのように、顔を引きつりながらまったく笑ってない目でこっちを睨んできてる。と、ブルブルし出す俺に、


「あなた!私にあんなような無礼で野蛮な変態行為をしたわね!変な黒い肌色をしておかしいな髪形で見かけない顔だけど、男であるあなたが何故この学園にいるか知らないけど、きっと<奇跡の子>の一人であると窺える。」

ほう。少しは話が通じるようなタイプじゃない。よかった!なら、交渉なり謝罪なり弁解をー


ぱふー!

と、何か素材の柔らかいものが俺の直ぐ足元に投げ出されてきたのを下を向いて見てみると、

手袋??と、彼女の方に視線を戻せば、


「でもそれはそれ、これはこれ。<奇跡の子>だろうと、フェリィー家の跡取り娘である、フェルリーナ・フォン・フェリィーによくもさっきの無礼な行為に及んだわね!伯爵家の令嬢に対して、なんてことを~~~~!!そのような破廉恥な事をよくもこの私にーー!! 万死に値することなのよ!」

と顔を赤らんでいるまま、叫んだ!

「私、フェルリーナ・フォン・フェリィーはあなたに決闘を申し込むわ!」


と、すごい形相でこっちを睨んでるまま、そう聞かせてきた!--こりゃーかなり大変なことになってるんじゃない?ってか、決闘っていってたんだよねー? 俺、もしかして積んだ?というか、勝てるの俺? と、そんなことを悩みながら、溜息を吐いた俺であった..........。


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