第6話 神滅鬼と 『神に仕える戦乙女<ヴァルキューロア>』2
そんな自己紹介めいた事を口にしたエレンという大剣を両手で持っている長髪で金髪碧眼の女の子は他の仲間っぽい武装した美少女達と共に降りてきた。彼女の顔を見ると、どきっとさせられるぐらいにとても美麗な北欧系の美少女の容貌をしていて横髪がドリル型で豊満な形の胸まで伸びていてそれが肌の露出の多い制服に相まっていい上品なアクセントを醸し出している。
やばい、顔から胸まで視線を移動させてたらそんなエッチな膨らみをガン見してしまい、なんかボッキしちゃいそうなので脳内で念仏を唱えながら乳房の方をあまり見ないようにした。もう一度彼女の顔に視線を戻すと、確かに綺麗ね、マジで。
さっき、王女とか何とか言ってけど、あれは本当の話のようだな。きりっとした佇まいに加えて気品のある気高い仕草だけじゃなくて、彼女は凛々しい雰囲気を身にまとって俺達から2キロ前方にいる少しだけ焼け度して痛みに耐えるかのように転げまわっているでかいムカデを警戒したままこっちへ近づいてきた。
「皆さん、大丈夫でしたの?」
真剣な表情でそう聞いてきたエレン...姫?(と呼んだ方がいいのかな)、が両手で抱えていた大剣を地面近くまでに下ろして俺達5人を見回している。彼女の剣を凝視していたら、なんか銃っぽいものが備え付けられてるっぽいぞ!ってか、これはゲームでよく見かけてたガンブレイードというやつだな!いかん、返事しないと!
「ああ、無事ですよ、エレン...姫?」
「エレンで結構ですわ。わたくしは確かにゼンダル王国の第一王女なのですが、立場からしたら神の聖騎士である貴方達の方がわたくし達より上にあるんですのよ。(それにしても、彼って何故そのような真っ黒い肌色をしていますの?あれを討伐し終えたら、直ぐに聞きたいですわ。ゼンダル国だけじゃなくて色んな国で色んな方々を見てきましたけれどそういう肌色は今まで見た事は一度もないですから凄く気になり過ぎてしょうがありませんわよね.....)」
なんかエレン...姫?がすごい目つきになって俺の顔を凝視してるっぽいけど、どうしたの!?さっきのユリンといい、俺ってそんなに変な顔をしているのかな?ってか、よくよく見回してたら、他の女の子3人も俺にだけ興味津々といった感じで集中して見つめてきてるんだけど、なんだあれ!?俺って、芸能人には見えないんだけど、どうしちゃったんだろう?とういか、芸能人って概念はこの世界でも存在してるのかな。
「そう?うんーーそういえば、さっきからずっと思ってた事だけど、<神の聖騎士>って何ですか?」
「僕もそれがずっと気になりましたね。エレン..姫でしたっけ?それを僕達に説明してくれませんか?」
「あたしも知りたいです、エレン姫!」
「私もですよ、ふふ....(ああ、あんな大きさの胸ってどうやって育てられたのかちょっと聞いてみたいなぁーもっと胸を大きくして遼二の事をこうやって包んでいたいです...ハァ...ハァ...ーーって、いけません、緊迫した状況だというのになんて浅ましい考えに没頭してしまってるんですか、私は!?有栖川財閥の跡取り娘としてまた恥ずべき事をしでかしてしまいました!)」
俺の質問に呼応したかのようにみんながそれぞれ同じようにエレン姫にさっきから気になっていた訳わかんない呼称について説明を促した。ってか、なんで有栖川さんがうっとりとした表情になってエレン姫を見つめているんだよ!?もしかして、彼女、隠れレズなのかよ!?前にいるユリンに視線を移すと、彼女はこちらに一瞬だけ振り向いて微笑んでから、エレン姫に会釈だけして前方にいる地面にのたうちまわって転がったままのムカデに意識を集中させたまま警戒態勢を緩めずにずっとあの障壁を維持したまま解除せずにロッドを天高く掲げたままにいる。さっきの彼女の微笑、可愛いなぁ.....
「皆さんがそれについて知りたいというのは理解していますわよ。でも、現在、わたくし達の最優先で最もすべきことはあの<ラングル級>な神滅鬼である<サカラス>を討伐する事ですの。なので、もっと後ろへ下がっていて下さいませんか?ここから先はーーー」
エレン姫が他の3人の美少女達を見回しながら目配せをしてると、
「地獄の時間だ!」
一人がエレン姫続いて、毅然とした表情でそう言った!ってか、後ろにひとまめに束ねた彼女の紫色のポニーテールって超可愛いなぁ....
「ヒュー!ヒュー!ローザちゃんってカッコいいね!わたしも負けていられないね!先に<サカラス>にとどめをさした者はみんなから奢って貰う権利を得るのってどう?」
「エリーもさんせーい!なんか面白そうでいいね!」
さっきの子の気合に触発されたかの様に他の女の子二人もなんか、一気に舞い上がってテンション高くなってきた!おいおい!これって一応ゲームじゃないんだよね?可愛い顔してなんでそんなに気満々になって戦いに身を投じようとしてんだよ!もしかしたら、彼女達ってラノベで良く出てくる女騎士とか何かだろうか?
それにしても、見た目からして戦う美少女軍団っていうのは分かってるけどさ、もっとこうきりっとした姿勢がもっと相応しいというか、真剣さが足りないというか。まるで目の前の化け物がさほど脅威ではないように振舞っているというか。どちらかというと、まるで遊園地かゲーセンで行くような感覚ではしゃぎ過ぎだろう、あの二人!
それを言い合っているやいなや、先にエレン姫が転げまわっているままのムカデに向かって走り出していった!それに続いて、さっきローザと呼ばれた紫色のポニーテールっ子も先を追った!
「ああ!エレンっちにローザっち、エリーはまだ飛行系の現神術ロアンヌを発動してないのになんで勝手に先走ってるの!?」
「仕方ないよ!だって、あの二人がさー。神滅鬼を目の前にすると、ああ熱くなっちゃうのっていつものことじゃん?わたしも血沸き肉踊るような気分になってるのって時々あるしね。だってー!」
さっきの二人と同様、走り出していったボイーシュな感じの緑色ショットな髪の子はそう答えながら、両手で握っている鎖で繋がった長身な二刀の刃の内に一一本だけ手から離して、それをあのムカデに向かって投擲した!!って、うううおおおお!!!あの鎖って、前方2キロっぽいの距離にいるあの化け物にまで伸びやがったぞ!!なんて恐ろしい武器だな、おい!
「ルーくん!見てよあれ!すごいね!」
「あ!すごいな!ゲームとかでよく出てくるような得物だけど、あんなに伸びるなんてマジで信じらんない!お前もだろ、なあ、遼二!?」
「ええ!マジで半端ないっすよね!あれって!あの化け物もそうだけど、あんな武器がこの世の中に実在してるのを見るのってやっぱここは地球じゃないなとまた再度、実感してるよ!ね、有栖川?」
「そうですね。私も時々、君の漫画とかを何度か読んだことがありましたけど、あのような武器、実際に目の前に使われるのを見てしまうと、なんか現実かどうか疑いたくなっちゃうんですよね。というか、あのムカデにも言える事ですね、ふふ。多分、長い間あれを見慣れているから感覚が麻痺してしまいましたね。」
というか、有栖川さん、長い間ってなんだよ?確かにユリンが到着する前からあれから逃げ回っていたし、障壁の中でなんども攻撃を凌いできたけど、一時間も満たないんで、「長い間」と言えるかどうか議論の余地があるっぽいんだけど。ってか大事な時になんでどうでもいいこと考えてんだ、俺??
シュウウウーーーーン!!
風切り音が聞こえてきたのでユリンや他の3人と一緒になって前を見てみたら、
さっき信じられないような速度で投げ出された2キロメートルも伸びる鎖で繋がった一本の刃が何やら光っているかと思うとあのムカデについていた頭身から右側の前後に並んでいる10本の触手を切断した。
すごい!もっと目を凝らして見ると、素早いスピードで先に走り出したエレン姫もそれに続いて奔りながらガンブレイードっぽい大剣にある銃口をムカデに向けて、
「現神術、アロナ」
それを唱えると、銃口からぶっとい黄金色のビームが放出されてあのムカデに一直線に向かって直撃したと同時に凄まじい大爆発を起こした!なんか大技っぽいな、ありゃ!あっちこっちへ煙や破片が飛来してきて飛び散ったにも関わらず、なんか障壁っぽいものを張ったエレン姫、そして彼女の後ろに駆けているローザという紫色のポニーテールっ子も!
こっちはユリンがさっきの真っ白くても透明で巨大な障壁を持続継続して張ったままなので、こちらへの被害はゼロになる。まあ、距離があまりにも離れているために、こっちへは破片が一片も届いてきてないが。じゃ、彼女二人の後ろに続いて駆けていた残りの子二人は?
あのえげつない武器を投擲した緑色ショットな髪の少女も障壁っぽいものを身の回りに張り巡らせて、耳にかかった少し長めな横髪を揺らしながら身体を捻って投擲した一本の刃を戻した。
目に追えない伸縮速度で刃を手元に戻した彼女はその行為に伴う勢いをバネ代わりにして、逆側にまた身体を捻って逆側に握ってあるもう一本の刃を今度はムカデの身体の左側にある触手を前後一直線にさっきと同様、10本も両断した!ヤバイ!ヤバイよあの子!めっちゃ強えええな、おい!戦う女の子ってマジでかっこいいね!憧れちゃうよ!というか、他の子と違って彼女の名、まだ聞いてないんだっけ? しかし、後ろにはまだ触手がいっぱい並んでるけど、あの鎖の伸縮可能な範囲って10本までにしかないのかよ!
「ずるいよ!ネフィーっち!エリーも殺りたいよー!」
ユリンの位置から差ほど距離を開けずにいるエリーと一人称として自分を呼んでいる小柄で人懐こい膨れっ面を浮かべた哀願動物も同然な見た目をしている三つ編みの茶色いセミロング髪をしている女の子は何やら武相な事をいってるぞ!外見に反して怖いな!彼女の手を見たら、どうやら彼女はユリンと同様にロッドを武器にしてる様子だけど、もっとサイズがユリンのより短くてちっちゃい様だ。見た目と同じで武器を可愛い形をしてるなあー!
そういうやいなや、エリーは自分の手に持つ小型なロッドをムカデに突きつけて、
「現神術、ニラ・フォルーナ・」
詠唱し終えたら、頭上に掲げたロッドの先端にあるキラキラで大きいな宝石みたいな丸い物体がぴかっと光り輝いたかと思うと、数え切れない程の小さな尖っている氷柱を頭上高く生み出して浮かせたままにした!何が起こってるかもう驚かなくなった俺はそれらが全てムカデに向かって恐ろしい速度で飛んでいったのを目にしたら、いきなり自分の袖が隣にいる梨奈に摑まれたのに気づいた。
くっついていて離れずにいるのを見ると、なんか俺の直ぐ隣に梨奈がいるのって超安心するなぁー。やっぱり、漫画やラノベを読んでた事も同じように思ってたけど、持つべきものは幼馴染だな、それも女の子で。
「ルーくん!すごい!すご過ぎるよね!あの子達!」
「うん!俺もそう思う。」
感嘆とした顔の梨奈は彼女達の起こした様々な現象を目で追いながら俺に話しかけてきた。わかる。わかるぞ、我が幼馴染よ!あの少女達はマジで、戦女神の部隊、みたいな存在だと思う。だって、すごい、なんてありふれた言葉じゃもう表現しきれない程のことを見せやがったな、彼女達。
また視線を前に戻したら、あの百本以上もあるかもしれない氷柱は雨あられと見事にムカデの上から放物線のごとく落下して、ムカデの全体を凍らせている。というか、なんで2キロも離れた距離にあるのによく前方で起こった事全てが見えるんだ、俺達!?とユリンに聞いてみたら、
「私達の今いるこの障壁の中は<イエクト>という防御系の現神術です。術者を中心に半径5メートルの円状型な障壁を発動する効果を持ちます。それだけじゃなくて、透明であるため、障壁外にあるものも全て簡単に観察できますし、何より、遠い所も何倍になって拡大表示できるので観察面としても優れている機能を持ち合わせています。」
と、また訳のわかんない言葉を羅列していたユリンだった。
「さっきも思ってたことだけど、現神術って何ですか?」
「あたしもずっとそれが気になるよ。教えてくれない?えーっと、何かすんごいローブ着てるし、ユリンって大物っぽいんでしょ?敬語を使うべきなのかな?」
「とんでもありません!神の聖騎士であらせられる貴方達に敬語を使われる必要がありませんよ!だって、貴方達に比べれば、私の立場や地位なんて平民にも等しいほどです!世界の救世主たる神の聖騎士に対してあってはならないことなので、どうかお好きに呼んで下さいませ。」
と深く頭を下げて恭しく礼を示したユリンだけど、なんか可哀想なので彼女に頭を上げるよう勧めると、さっきに俺達の質問に対する返事を促してみた。
「現神術とはー」
「があおおおおおおおおおおおおおおおーーー!!!!」
そう言いかけたユリンだったけど、急に耳を劈くような咆哮が轟いた!
またあのムカデに目線を移すと、身体の大半の凍り固まっている箇所ががバキバキと音を立てて崩れている。あれー?さっきは青い色な表面をしていたのに、何で今は赤色になってんの!?
シューシューシュルルルルルルルルーーーーー!
という気持ち悪い音と共に、さっき根元から切断されていた左右側にあった全ての20本の触手がまた生えてきやがった!おいおいおい!!それって、反則だろうがああー!!!
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