5話 ふとした名案から予定が生まれる
焼肉でお腹いっぱいになった私たちは、家に帰った後、特になにかするわけでもなくダラダラと過ごしていた。
「気温が落ち着いてきたら、バーベキューしたいな~」
萌恵ちゃんが発した意見に、私も賛同する。
これまでにも毎年のように家族ぐるみで経験しているので、詳しくはないけどまったくの無知というわけでもない。
必要な道具や炭の熾し方ぐらいは、なんとなく把握している。
「美咲ちゃんと芽衣ちゃんも誘って、みんなでキャンプするのも楽しそうだよね」
「真菜っ、それ名案だよ~! これはもう決定事項っ、絶対にやろう!」
便乗する形で提案を言ってみると、萌恵ちゃんが瞳をキラキラと輝かせて賛成してくれた。
「も、萌恵ちゃん、ちょっと声が大きいよ」
「あっ――ご、ごめん、つい」
慌てて声のボリュームを下げ、恥ずかしさから頬がほんのり赤くなる萌恵ちゃん。
うぐぅっ……か、かわいすぎる!
暴力的なまでのかわいさに暴走してしまいそうな私は、痛いほどに拳を固く握ることで自らの野性を抑え込む。
ちなみに、私が二人きりではなく美咲ちゃんと芽衣ちゃんを誘おうと思ったのは、二つの大きな理由がある。
まず、『人数が多いと楽しそう』という至極自然な考え。
そして、万が一私が理性を失って萌恵ちゃんを襲いそうになった時、私の魔の手から萌恵ちゃんを守ってもらうため。
「とりあえず、明日学校で二人に話してみようか」
そう言いもってゴロンと寝転がり、さりげなく萌恵ちゃんの太ももに頭を預ける。
ホットパンツから伸びる脚はスラリと長く、それでいて柔らかく滑らかな肌触り。
あえて難点を挙げるとするならば、真上を向くと豊満なおっぱいが視界を遮り、萌恵ちゃんの顔をしっかり拝めないことだ。
「みんなで道具とかも見に行きたいね~」
私の髪を優しく撫でながら、萌恵ちゃんが楽し気につぶやく。
いつも行くショッピングモールの中にはアウトドア用品の専門店もあるので、この機会に足を運んでみるのもよさそうだ。
とまぁ、それはそれとして。
「……萌恵ちゃんって、本当に贅肉ないよね」
体を横に向けつつシャツをペロンッとめくり、萌恵ちゃんの愛らしいおへそと対面する。
胸は言わずもがな、お尻にもほどよくお肉が付いているのに、二の腕とかお腹周りは羨望してしまうほどきれいに引き締まっている。
「子供の頃から、無駄に動き回ってるからかな?」
「それはあるかも。無駄ではないと思うけどね」
萌恵ちゃんのおへそを見ていると、ついつい意識も体も引き寄せられてしまう。
身じろぎを重ねて体の位置を微調整し、顔がお腹に触れそうな距離にまで近付く。
「――ちゅっ、ぺろぺろ」
「ひゃんっ! ま、真菜っ!?」
おへそにキスをしてから続け様に舌を這わせると、萌恵ちゃんの体がビクンッと跳ねた。
萌恵ちゃんの視点からすれば胸が邪魔をして私の行動が予測できなかったはずなので、こちらが思っている以上に驚かせてしまったかもしれない。
「ごめん、体が勝手に……」
このままでは歯止めが利かなくなると思い、名残惜しくも体を起こす。
素直に謝ると、萌恵ちゃんは「お返しっ」と言って不意打ちで頬にキスをしてくれた。
お返しの連鎖がしばらく続いたことは、もはや言うまでもない。
***
翌日。美咲ちゃんと芽衣ちゃんにキャンプの件を話すと、二つ返事でOKを貰えた。
決行するのは気候が穏やかになってからなので、予定を立てたり準備を整える時間はたっぷりある。
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