掌のショートショート
('ω')
夢を見ると。
夢を見るのが怖いと、男は告白した。
それを聞いた女が「なぜ、夢を見るのが怖いの?」と尋ねた。
彼女は彼の事が好きで、心配しているのだ。
男はかぶり振り答えた。
「夢で怪我をすると、現実の体が傷つくんだ。みてくれ、この腕」
そこには切り傷がある。鋭いナイフで切りつけられたかのようだ。
「うわ、いたそう……」
「しかも、その夢は何度、寝直しても同じ夢でね。起こった事は全てその夢の中で歴史みたいに存在するんだ」
「じゃあ、ひょっとして、以前は死にかけるところで終っているとか?」
男は笑った。
「そんな酷いものじゃないよ。僕が怖いのは子供ができることなんだ」
「は? ……相手は誰?」
「……言いにくいんだが、君なんだ」
彼女は驚きのあまり顔を赤らめる。 だが、複雑な思いなのか、苦笑を浮かべた。
男は続ける。
「君を愛しているのは間違いない。でも問題があってね……」
「どんな問題なの……?」
「……夢の中では、君が男、僕が女なんだよ……」
掌のショートショート ('ω') @Shiro_kurohara06
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。掌のショートショートの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます