第1話 切り裂きジャック―――終節
「それではお待ちかねの解説をお願いしましょうか。」
「はぁ~、花の女子高生ともあろう者が妖怪退治の話に花を咲かせるとか、なぁんか間違ってると言うかもったいないというか……お父さんは悲しいです。」
「今どきの女の子でもオカルト好きはいるし。あと、以蔵がお父さんとかキモいからやめて。」
恩人の忘れ形見にキモイと言われて心なしか落ち込んでしまった以蔵だが気を取りなおして解説を始める。
「いいか、今回のオカルトは「妖怪」に分類することができる。そして妖怪の中でも「かまいたち」と呼ぶ妖怪とする。」
「以蔵が勝手に決めていいの?」
「オカルトと一口に言っても多種多様だ。今回みたいなのは新種、ないし亜種として見れる場合はどうゆう風に解釈できるかが重要になって来る。」
「そうゆうのって人によって意見が分かれたりするんじゃないの。」
「そうゆうのが都市伝説系のオカルト事件になるし、古いモノには「ぬえ」なんて言うのも存在した。―――俺等はそうゆうのを定義化して退治したりするんだ。」
「それが今回は「かまいたち」と定義したんだ。」
「まず基本が動物霊だったからな、これに加えて動物たちが殺された現場は風の属性の神社だった。これに通り魔的に人を斬りつけるという性質を取り出して「かまいたち」と定義してやったんだ。」
「それが何であんな一瞬でボッと燃えちゃったの。」
「まずは「かまいたち」は三位一体が基本だからヤツ自身が1体なのを無理くり3体にした。具体的には残された動物の死体を供養する際毛皮の一部を借りて2枚の護符にして三位一体とした。で、最初に蹴りつけた時に護符とヤツの霊的つながり、パスを強めておいたからあとはお焚き上げの要領で簡易的ながらも護符二枚を焼いて浄化することで連鎖的にヤツを燃やしたわけだ。」
「なんか聞いてみると戦いにすらならなかったって感じなんだけど。」
「オカルト退治は遊びじゃないんだからやるとは十全でもって挑み一方的に狩るぐらいで行けてやっとプロと言えるものですよ。」
「なるほどねぇ、金さえもらえたらプロだと思っていたよ。」
「それだと詐欺師もプロになっちゃうよ。」
「それじゃぁ、その言葉を閉めにしますか。」
「まだまだ未熟だねぇ。」
第1話~完~
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます