第14話 曹操クエスト、反省会

「それでは曹操クエストの反省会を行います。」

 今後のゲームの改善点を考えるために、渋野姉妹とシバちゃんは曹操クエストの反省会を行う。司会は天才チート軍師のシバちゃんである。

「まず開発中のゲームということで、作りながらなので、1話の長さが不安定とうことです。途中で切って、1話を2話にすると短いし話が真っ二つになってしまいます。」

「渋子! 悪くないもん!」

「そうよ! 私も悪くないもん!」

「ね!」

「ね!」

 渋野姉妹は似た者姉妹である。

「ダメだ、こりゃ。」

 呆れるシバちゃん。

「えっと、対処策としては、1話1000字を撤廃しますか?」

「1話が長いとスマホで読めません! 遊べません! 疲れちゃう! それに投稿する時のミサイルは多いほどいいんだから!」

「エンジンがかかった時は1000字を超えるけど、萌えない時に1000字を超えるのは、かなり寿命を削るのよ!? あんた分かって行ってるの!?」

 シバちゃんの提案は、渋野姉妹に拒否される。

「分かりました。今まで通りブラジルスタイルで。」

「やったー!」

 自由スタイルの目安が1話1000字に決まった。

「次に三国志の時代に、現代の科学兵器の核爆弾やバスターランチャー、それに巨大ロボは、反則レベルということでした。」

 剣や一騎打ちの文化に、化学兵器は強力過ぎた。

「え~! 渋子、一撃でドッカンが好きなんだけどな。」

「ダメです。」

「シバちゃん! 大好き! ルンルン!」

「可愛く愛想を振りまいてもダメです。」

「シバちゃんのケチ。チェッ。」

 殿にも厳しいシバちゃん。

「渋子、お行儀が悪いから舌打ちはやめなさい。」

「鬼!? 鬼だ!? お姉ちゃんも鬼だ!? いいんだ!? いいんだ!? 二人で渋子をいじめるつもりだ!? 先生に言ってやる!?」

「どこに先生がいるんだ?」

「アハッ!」

 笑って誤魔化す渋子。

「味方と敵と互角の装備を配備しますか? スキルも同じにしますか? どういたしましょう。」

「全て同じで、プレイヤーの実力勝負バージョンもありね。でも、基本は自分の手持ちのキャラクターを編成して、育成して、相手を倒すのがPKの醍醐味よね。」

「なら、曹操様にも原子爆弾とバスターランチャーと、巨大ロボ曹操くんを与えますか?」

「まさか!? 実は三国志時代に巨大ロボを作る科学力があったら的な奴!?」

「ということは、シバちゃんなんかは、ニュータイプか、大魔法使い!?」

「う~ん。分からん!?」

 反省会の結論として、やってみた曹操クエストで分かったことは、決定的な何かが繋がっていないということである。

 つづく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る