第13話 シバちゃん
「最終クエスト! 曹操と直接対決! 曹操を殲滅せよ!」
姉の日向は曹操の歴史書を読んでいて気付いた。
「曹操って、意外と早くに死んじゃうのね。可哀そう。」
「本当だね。生まれながらに悪い人で生まれてくる人なんていないのに。優秀過ぎると周りの人間からいじめられるんだね。曹操が哀れだよ。」
優しい渋野姉妹は曹操に同情していた。
「じゃあ、渋子は曹操に負けてあげれば?」
「それと私の勝利とは別の話です。」
他人に同情しても自分の利益は守りたい渋子であった。
「曹操クエストをクリアして、私は早くお姉ちゃんのいる自分の本当の世界に戻りたいもん!」
渋子はゲームをクリアして、現実世界に帰りたかった。
「かかれ! 渋子軍! 100万の軍勢で曹操を蹴散らすんだ! 血祭りだ! 皆殺しにしろ!」
「おお!」
容赦ない数の暴挙の渋子軍が曹操軍を総攻撃する。大人が子供を虐待するように勝敗は一瞬で着いた。
「やったー! 曹操クエストをクリアだわ!」
遂に渋子は曹操クエストをクリアした。
「おめでとうございます。殿。」
「シバちゃん!?」
「司馬懿!?」
現れたのは裏切り者の司馬懿であった。
「曹操様が死んでしまい、許されるのであれば、殿に再びお仕えしたいのです。」
なんと司馬懿は勝手な言い分で、もう一度、渋子に仕えたいと申し出た。
「ちょっと!? 私のカワイイ妹を裏切って、しかも矢まで放って渋子を殺そうとしたくせに何を言っているのよ!? 私は、そんなプログラミングをした覚えはないわよ!?」
姉の日向は司馬懿の図々しい態度に激怒した。
「いいよ。」
しかし、渋子は快く司馬懿を受け入れる。
「渋子!? あんた!? 何を言っているのよ!?」
「だって、シバちゃんは私を殺せたけど殺さなかった。それは渋子とシバちゃんの心が通じ合っているからだよね。だからシバちゃんは渋子を殺せなかったんだよ。」
優しい妹に姉は何も言えなくなった。
「これからもよろしくね。シバちゃん。」
「宜しくお願い致します。殿。しかし、そのシバちゃんという呼び方は恥ずかしいのでやめて頂けませんか?」
「司馬懿って呼んでると、作品のオリジナル性がないから、シバちゃんって呼ばせてね。」
「そういう事情なら仕方がないですね。殿の御威光に従います。」
「ありがとう。シバちゃん。」
渋子は、チートの天才軍師シバちゃんが仲間になった。
「これで三国志に出てくる武将や武器に姫とかはガチャに使用できるから実装できるわ。これがレアクラス表ね。」
Sランク、シバちゃん、諸葛亮孔明。
Aランク、曹操。
Bランク、劉備、孫権。
Cランク、夏侯淵、夏侯惇。
Dランク、一般兵士たち。
「三国志ガチャはキャラクター数がかなりあるから、これで当分ガチャの更新には困らないわ。愚民共に課金させて、いっぱい儲けるんだ! アハッ!」
ちゃっかり仕事はこなす天才ゲーム・プログラマーの姉であった。
つづく。
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