第12話 赤壁、神の風が吹く
「第6クエスト! 赤壁の戦い! 曹操軍と孫権軍を殲滅せよ!」
100万の軍勢の渋子軍は、次に曹操と孫権が戦っている赤壁にやってきた。
「この調子で数で押し切ってやる!」
妹の渋子は前回の大勝利で勝気であった。
「ダメよ。ダメなのよ!」
「どうしたの? お姉ちゃん。」
「赤壁の戦いは、神の風が吹かないと曹操軍のバリアが破れないから無敵なのよ!?」
「ええー!? どうしてそんなハードな設定にしたのよ!?」
「私、ゲーム・プログラマーとしては優秀なので。アハッ!」
姉の日向は優秀なゲーム・プログラマーであった。
「日向お姉ちゃん! 何とかして! カワイイ妹のお願いよ!」
「もうしょうがないな。渋子のお願いじゃあ。じゃあ、私が息を吹き替えるわね。ふう~!!!!!!!」
姉はスマホの画面に息を強風のように吹きかけた。
「うわあ!? いきなり強風だ!? 松明の火が船に引火したぞ!? ギャアアアアアアー!?」
神の風の正体は、姉の吐息だった。
「いくぞ! 渋子軍! 全軍! 突撃だ!」
「おお!」
火事で混乱する曹操と孫権の軍に100万の渋子軍が勢い良く突撃する。
「やったー! クエストをクリアだわ!」
大乱戦の中、渋子軍は数の力で曹操軍と孫権軍を皆殺しにした。
「これも私と渋子の麗しい姉妹愛の賜物ね。アハッ!」
これでも天才ゲーム・プログラマーの姉であった。2Dでなく、3Dの世界をつなげたのだから、やっぱり姉の日向は優秀なのである。
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。