第3話 装備、一撃でドカーン!

「渋子はどんな装備とスキルが欲しいの?」

 次に渋野姉妹は装備とスキルの開発に取り掛かる。

「全てを焼き払う! 悪魔の兵器! 原子爆弾! アトミック・ボム!」

 妹、渋子の趣味は、一撃でドカーンである。

「バニーガールが原爆を使うの? 合わないんじゃない?」

「何を言っているのよ!? セーラー服の女子中高生と機関銃とか、ギャップ萌えで成功したのよ! 大切なのはゲームを作っているお姉ちゃんの趣味じゃなくて、一般大衆に受け入れられる、掴みのインパクトよ!」

 そして姉より気の強い性格は、なぜか説得力があった。

「ううっ!?」

 妹に言い返せない姉の日向。

「分かった。こうしましょう。バニーちゃんにバスターランチャーを持たせましょう!」

 姉の日向の趣味は、エネルギー集約系でドカーンである。

「分かった。初期装備は両方ということでどう?」

「いいアイデアだわ。さすが私の妹ね。」

 血は争えないのである。姉妹揃って、ドッカン! 好きの似た者姉妹であった。

「でも、こんなレアな装備ばかり身に着ける必要があるのかな?」

 妹は頬に手を当てて悩んでみる。

「何を言っているの!? 渋子!? これはデス・ゲームなんだから、それぐらいの装備は必要よ!」

 本気でデス・ゲームを恐れる姉。

「いいわよ! 証明してあげよう! 渋子が今いるのはトップページのマイルーム。箱庭ゲーして遊べる安全地帯よ。」

「ほうほう。」

 どんなゲームにもトップページはある。

「扉を開けたら敵がいるから、全力で倒すのよ! じゃないと、あんた死んじゃうからね!」

「お姉ちゃんたら大袈裟なんだから。スライムやゴブリンに核爆弾なんて要らないでしょ。アハッ!」

 姉の忠告を無視して余裕で家の扉を開けて外に笑顔で出る渋子。

「スライムなんて、バニーちゃん・キックで倒して・・・・・・え!?」

 余裕だった渋子の表情が何かを見て青ざめる。

「巨大なドラゴンの化け物が二足歩行!? 隣には巨大な腕が六本の化け者!? 巨大な一つ目の頭でっかちの魔導士!? 巨大な体のお腹に顔がある者!? な、なんなの!? このスタート地点の直ぐ外に巨大なボスばっか!?」

 渋子が見たものは、どう見ても巨大なボスの集団だった。

「ボスを作って、とりあえずスタート地点に配備しちゃった。アハッ!」

「何やってんのよー!? お姉ちゃん!?」

 姉は何をやっても、決定的な何かが抜けていた。

「ギロ!」

 巨大なボスたちは渋子に気がついて、殺そうと殺気を漂わす。

「うふ~ん。可愛いからって、そんなに見つめないで。」

 渋子は咄嗟に核爆弾のスイッチを押して、安全なシェルターである、家の中に逃げ込み扉を閉めた。

「ドカーン!」

 外の爆風が中にも入ってくる。

「ほらね。お姉ちゃんの言った通り強力な兵器が必要だったでしょ。アハッ!」

「そうね。このお家が安全だということが良く分かったわ。ぷは~あ。」

 渋子は強力な装備が必要だと身をもって学習した。

 つづく。

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