第4話 スキル、巨大ロボ召喚
「渋子、あなたはどんなスキルがいいの?」
渋野姉妹は次にスキルを開発することにした。
「何度死んででも生き返るチート蘇生。これならデス・ゲームも怖くないわ。」
妹の渋子は巨大なボスたちに囲まれて、一度死ぬかもしれないという背筋が、ゾクっとする恐怖を知ったから、生きることの大切さを優先している。
「見損なったわよ! 渋子! そこまでして生きたいの!?」
「生きたい! 死にたくない! 文句あるか!」
姉も妹も必死で自分の立場を主張する。
「あるわ! どうせチートなら巨大ロボットにしない? カッコイイじゃない! アハッ!」
「そこかい!?」
姉の日向はSFやロボットが大好きであった。
「じゃあ、お姉ちゃんはどんなスキルがいいのよ?」
「巨大ロボットとかどう? バスターランチャーも持てるし。アハッ!」
自分の趣味を妹に押し付ける姉。
「嫌よ! 乙女がダサいロボットに乗るなんて!」
「巨大なバニーガールロボでもいいわよ。」
「その話! のった! やったー! 前代未聞のバニーガールロボだわ! アハッ!」
似た者姉妹であった。
「ということでスキルは、デス・ゲームなのに死ねない無限蘇生と、その気になったら巨大なバニーガールロボを呼び出せる巨大ロボ召喚と。これでOK!」
渋子のスキルが決まった。
「本当にOKなのかしら?」
「疑うんなら、原子爆弾を爆発させるのに魔法の詠唱時間を付け足すわよ?」
「結構です。」
そうすると直ぐに爆発ではなく、呪文を唱えないといけないので、唱えている間に殺される危険性が増す。
「さあ! スキルも手に入れたし、外の世界に行ってらっしゃい!」
「え!? 誰があんな危険な世界に行こうとするの!?」
妹は家の外で巨大なボスの集団に出会い殺されかけたことがトラウマになっていた。
「大丈夫よ! 前回の原爆で敵は皆吹き飛んでいるから! さあ! 新しい世界を自らの手で開拓しよう!」
「おお! 私は開拓者になる! お姉ちゃん! 行ってきます!」
妹のフロンティア精神に火が着いて、家の外に出た。
「し、し、渋子! 本当はピヨコ・・・・・・ええー!?」
歌を歌いながら家を出た渋子が突如驚いて動きが止まった。
「ギロ!」
前回倒したはずの巨大ボスたちが腕の本数が増えたり、目の数が増えたりと以前より強力な姿の化け物になって渋子を恨みの目で睨んでいる。
「忘れてた!? 巨大ボスは第二形態も実装してたんだった!? アハッ!」
「なんですって!? なんでお姉ちゃんはいつも大切なことを忘れているのよ!?」
「だって渋子のお姉ちゃんだもん。アハッ!」
「笑って誤魔化すな! こうなったらこっちも巨大ロボを呼んで戦うまでよ! 私のバニーちゃんが来たら巨大ボス何てイチコロよ! いでよ! 巨大バニーガールロボ!」
しかし渋子が呼んでも巨大バニーガールロボは来なかった。
「なぜだ!? なぜ私のバニーちゃんは来ない!?」
「まだプログラミングできてないんだ。アハッ!」
「お姉ちゃん!? いい加減にして!?」
「ごめんなさい!
「ギロ!」
姉妹で漫才をやっている間にも四方を巨大ボスに渋子は囲まれた。
「こ、こんにちわ。みんなで仲良く遊びましょうよ? ね? ね? ・・・・・・ギャアアアアアアー!?」
妹は巨大ボスたちに蹂躙された。
ゲームオーバー。
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。