《第3話》
鈍い、重い、気持ち悪い音が出る。
ニートは床にぶっ倒れ、自分の頭をさする。手についた血液を見て、叫びそうになったところをもう一度殴り、女ニートは動かなくなる。
叫ぶ茶髪、変に冷静なお団子、ドン引きするメンヘラ。
「…これで、明日が十二月二十日だったらこのニートの言い分を聞けばいい。」
「はぁーっ!お姉さん見た目がドキュンなだけかと思ってましたが中身も相当ドキュンですね!いい殴りっぷりです、まるで経験者のよう!!」
「…目の前で人を殺した奴に、馴れ馴れしいあんたの方がイカれてんだろ。」
変人とはよく言われますねえ、と言う。変人、ねえ。
茶髪は叫んだあと、すぐにトイレへ駆け込んだ。メンヘラもかなり酷い顔色をしている。これが一般人の反応だろう。このお団子のように、頬を赤らめ、私に話しかけて来る方が可笑しい。
稀にいるんだよなあ、こういう気持ち悪いの…
「じゃぁ、もう考えるのとかやめて、お姉さん私と飲みに行きましょうよ。どうせ考えたってなんもわからないんですから!」
「…そうだな。バイトも行けないみたいだし。」
「え、きもい!!飲みに行くのは構わないから、この死体あんたがかたしなさいよサイコ女!!」
メンヘラがヒステリックにそう叫ぶ。確かに、さっき殴り殺したのは最初は感情が先だった。
このまま殺して、明日がどうなるのか確かめようと思ったのはついでだったし、少し申し訳ない。
私は、ニートの部屋の場所を聞き、こいつの部屋に死体を放り投げた。
…パッと見、私の暮らしていたアパートと似ているが、よく見ると全く違う。自室とリビングはどこをどう見ても私の家だが、廊下と玄関はまるで違う。
「じゃあ私、支度してきますので準備出来たら玄関で待っていてください!」
「あー、うん。」
私も支度をしよう。
自室に入り、とりあえず外着に着替える。支度と言っても、私は着替えて メイクをし、髪を軽くとかせばおわってしまう。
お気に入りのMA-1の上着をはおり、ポッケに財布とスマートフォンをつっこむ。
玄関に行き、靴をはき、タバコを吸いながらお団子頭を待つ。
「…あなた、タバコも吸うのね。」
「あ?あぁ…。気分はもういいの?」
「まぁね…。」
茶髪女が、自室から出てくる。茶髪の部屋は私の部屋の隣か…。
「……銘柄は?」
「セッター。」
「ふふっ、そこも元彼と同じ…。」
私を、懐かしそうな、憎たらしそうな 、なんだかよくわからない表情で見つめる。不思議な沈黙を破ったのは、あのイカれ団子頭だ。
「おっまたせしました〜。行きましょ!私雰囲気のいい飲み屋知ってるんで!」
「あ!あなたたち、飲むのはいいけど警察のお世話になるのははやめなさいよ。
それとせめて帰ってきてね、朝帰りでもいいから。」
茶髪はそういい、行ってらっしゃいと手を振る。お団子は元気よくいってきまーす!と言うが…。
私達、今日初対面だよな…。
今日は私がクックロビン 🅽🅽🅽 @nanana_0622
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