《第2話》

「何、この頭悪そうな画面。」




「ね!多分私より頭悪いよ〜。なんかそこのニートちゃんいわく、五人で今日からシェアハウスするんですって!」




お団子が馴れ馴れしく話しかけてくる。ニートちゃんと呼ばれた陰キャ女は、いや、その、あの…っ!とどもっている。


あぁ、イライラする…はっきり喋れよ陰キャ




「…ねえ、名前は??」


「は?」




ピンクのツインテール…と、思っていたら反対側は水色だった。にしても、どこぞのバンギャというかメンヘラというか、格好からの地雷臭さが半端ない女だ。




「私は……。」




沈黙。


あれ、まて。


こういうの普通考えるものでは無いはずだ。


どういうことだ…。




「…やっぱ?ここにいる人、みんな名前がわかんないの。」


「…。」


「さらにね、私は今日朝十時からバイト。とりあえず連絡を入れたら、私という人物はそこで働いていなかったの。友達も誰一人と私を知らない、家族からも他人扱い。ここの人達、皆この世界からいないの。


なにか可笑しい事がおこってることしか分からない。


理解する為に、こいつ、このニートから知ってること聞き出すの手伝って欲しいの。」




そう、たんたんと話す。このメンヘラ女とは気が合いそうだ。メンヘラいわく、ニートはこのよく分からない状況を、二年も続けているらしい。


今わかってることは、テレビにかいてあることは事実。今日から五人でシェアハウスをする、そこで問題なのは次だ。




" だれかがしんだら あしたはこないよ! "




「ニートちゃん、これどういう意味か教えて欲しいです…!」


「だれかがしんだらって、一人死んだら他四人全員死ぬってことかしら?」


「なら、明日は来ないよじゃなくてみんな死ぬよでよくない?てか、あんたがはやく話せばいいだけでしょ!」




「…ぁっ、…え、あ…!」




ニートは、どもってばかりで一向に何も話さない。


そんなことより、ニートがこの家で二年もシェアハウスしているなら、同じ境遇の奴がいないのはなんでなんだろうか。


…疑問は探せば探すほど出てくる。それだけで、答えは出ない。けれど疑問が疑問すぎて考えざるを得ない。


あぁ!!面倒くさい、かったるい…


一人考え込んでいると、やっとニートがポツリ、ポツリと話し始める。




「…そ、それは…。ここの、人、が…。その、一人でも死んだら…。




き、今日が…も、もっかい来るってこと…です…!


な、なので、えっと、え…あの、死んでも大丈夫っていうか…。」




…なんて癇に障る話し方の女だ、ムカつく。そして、やっと話した内容もなんて現実味のない話だ。


考え事をしていた私は、考え事をしている所を邪魔され、腹がたっている。他三人もにわかには信じ難いという表情。


あぁ、じれったい、イライラする




手元にあった灰皿で、ニートを思い切り殴ったのは、そう思ったと同時だった。

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