今日は私がクックロビン
🅽🅽🅽
《第1話》
耳障りな、なにか硬く、脆いものが割れる音が響く。
十一月二十日の昼下がり、私はスマートフォンのアラーム音で目が覚める予定だった。
予定だったというのは、私が目を覚ましたのはアラーム音ではないからだ。
眠りを邪魔され、イラつきながら寝返りをうつ。見慣れた天井、いつも寝ているベッド、いつも通りの午後一時半。
なんとなくすぐ起きる気にはなれず、スマートフォンをベッドから出ずに数分いじる。今日のバイトは十七時からなのでまだ時間はたっぷりある。
二度寝しようか…と思ったが、お腹がすいた。ある程度SNSを確認し終わった私は、ようやく重い体を起こし寝室から出た。すぐ左にあるリビングのドアノブに手をかける。
ちなみに1LDKのこのアパートは、一人暮らしのフリーターである私に優しい3
4万円の…。
…そう、私は一人暮らし。
先程目を覚ましたのは、室内からした、皿のようなものが割れる音だ。ペットは飼っていない。
…昨夜誰か友人でもとめたか?と思い、私はリビングの扉を開けた。
「あら、最後のお寝坊さんが来たみたいね。」
「…ひぃ…っ…!」
「は、はじめまして~…ははっ。」
「おはよう…っていうより、こんにちはか!」
…リビングには、4人の見知らぬ女がいた。
茶髪の巨乳、陰キャ、ピンクのツインテール、タレ目のお団子頭。
…どういう面子だろうか。少なくともよくあるバーで仲良くなり、知らないうちにできた友人の類いでは無いことはわかる。
「あの、誰かわかんないんで帰っていただいてもいいですか。」
冷静にそう言い放つ。遊び歩いている私からしたら、男ならともかく女の見知らぬ奴らなどどうでもいい。はやく出ていって欲しい、それくらいにしか思わなかった。
「そうね、そうなっちゃうよねぇ。私もあなた達にはやく帰ってもらいたいわ。
ここ、私の家だし。」
「酔い覚めてないなら、覚めたら帰ってください。」
やれやれという顔で、ため息混じりに茶髪女はテレビを見て、と面倒くさそうに言う。
このクソアマ、その言い方気に食わねぇなあ
けれど腹だたしさより疑問が勝った私は 、先にテレビがある方向に目線を向ける。
電源は入っており、画面には文章が表示されていた。
" きようからみんなですむよ!
だれかがしんだら
あしたはきません!"
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