第14話
「ヒールお願い!」
「背後に敵複数!」
「おっしゃ、俺が敵引きつけておくからその隙に攻撃してくれ」
僕たちはすっかりMMOにハマっていた。僕はヒーラー、千歳は攻撃職、亮平が盾職だ。
部活にパソコンを導入してもらえたからみんなで何気なく始めたMMOだったが、終わりのないいつまでも続けられるゲームに僕たちはすっかり虜になってしまっていた。
そんな僕たちは今日、現環境で一番強いと言われているボスに挑戦しようとしていた。
「ここまで装備を揃えるのはほんとうに大変だったな」
「そうね、経験値を貯めるのも大変だったし」
僕たちは出撃前に装備やアイテムの確認をする。ボスを攻略するのにアイテムは重要要素だ。
回復やバフに集中してる間に気づいたら魔法発動ポイントが無くなっているなんてことがよくある(まあ、僕のプレイが下手なだけなんだけど)。
魔法発動ポイントの回復アイテムは念入りにチェックする。
そしてアイテムの準備が終わり、僕たちはダンジョンへ向かう。
ダンジョンの道中の敵、中ボス等を片付けながら着実に奥へと進んでいく。
そしてとうとう僕たちはダンジョンボスの部屋の前に辿り着く。
「いよいよだな…」
「うん、行こう!」
僕は自分と二人にしっかりバフ魔法をかける。そして僕たちはボスの部屋に入った。
入ってすぐ亮平が敵を引きつける魔法を発動しボスと1対1の姿勢になる。
僕は亮平の体力に気をつけながらボスにデバフ魔法をかける。
僕がデバフ魔法をかけたのを見て千歳がボスに攻撃する。
順調に戦いを進めていた僕たちだったが、戦いを始めてしばらくしてから異変が起きる。
ボスが形態変化をしたのだ。最初の形態は攻撃力と防御力がそれぞれ高かったが、それだけに動きがゆっくりだった。
しかし形態変化後のボスは目で追えないほどスピードアップしたのだ。
困惑する僕たち3人。
焦った僕はついついヘイト管理を気にせず亮平と千歳に回復魔法をかけまくってしまう。
「優希、まずい!ヘイトを引きすぎだ!」
気がついた時はもう既にボスが僕に向かって突進してきていた。
ボスの攻撃を避けきれず気づけば画面にはYou Deadの文字。
回復職の僕が死んでしまい、千歳、亮平も続いて死んでしまう。
そして3人は街に戻される。
「あのダンジョンは俺らにはまだ早かったな」
「そうだね、もうちょい経験を積んでからまた挑みに来ようか」
ボスを倒すことはできなかったが、3人は非常に楽しい時間を過ごすことができた。
あれ?気づけば僕たちゲームがやめられなくなっちゃってる⁉︎
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