心理テスト
今日は俺の家で(順番的に)愛華が作った夜ご飯を食べたあと2人で勉強をしていた。開始してから1時間ほどたった頃。彼女は勉強に飽きたのか携帯をいじり始めた。
「ねぇー秀。心理テストやろうよ!」
「お前勉強はいいのか?もうすぐテストだろ。」
5月、2年生になって初めての中間テストが近づいていた。学校はテスト部休に入っている。
「休憩だよ!休憩!」
「うーん。.......5分だけな。」
「わぁーい!Asante!」
「え、何語?」
「スワヒリ語だよ!知らないの!?テストに出るよ!」
どの世界線ならテストにスワヒリ語が出るんだよ!ていうかなんで知ってるの!?
「まーそんな事はともかく第1問!!」
「はいはい」
「えっと一本道の先に、動物がいました。どれですか?A:サル B:トリ C:イノシシD:タヌキ、だって」
「これで何が分かるんだ?」
「えっとね.......そう好きな動物!」
「そんな訳あるか!ごまかすな!」
「終わった後に教えるから~!そうカリカリすんなって兄貴~!」
「へいへい、分かりました。」
「それでそれで?」 「うーんそうだな。Bかな。」 すると愛華は心理テストのページのBをクリックし、答えが出るのを待った。
「答え出たか?」
すると彼女は明らかに落胆したような表情をみせた。そして前髪を触れながら、
「えーっとね。うん。なんかスマホ調子悪いみたい。次の問題行こっか.......!」
「嘘つくな。」
愛華は嘘を付く時に前髪を触る癖がある。ちなみにその癖を愛華は自分では分からないらしい。
「うーまた癖出てたの?いい加減教えてよ~!」
「大丈夫だ。俺しか知らないから。それより何が分かったんだ?」
しばらく抵抗した愛華はやっと答えのページを俺にみせてきた。そこには【Bを選んだあなたは今1番近くにいる人にあまり興味がないと思われます。もっと良い人を見つけましょう。】彼女が落胆している理由が分かった。そして俺は彼女に声をかけた。
「おいこんなもん信じるなよ、たかが心理テストだろ。」
「私もそう思うけどね、秀が深層心理では私に興味持ってないんなーと思うと悲しくて。」彼女が泣きそうな目で俺を見てきた。どうすればよいのかと思い、俺は思いついた言葉ををそのまま口に出した。
「安心しろ。愛華とはこれからも長い付き合いになっていくと思っている。」
愛華をみると彼女は最初きょとんとした表情をしていた。それから頬が赤くなっているのが分かった。
「その不意打ちはずるいよそういう所は嫌い!」そう言うと彼女はそっと自分の前髪を触った。
「それと同じくらいKamaだよ.......。」
「え?最後なんて言った?」
「えー今の時代難聴主人公は流行んないと思うよ~!」
「違うよ!今、言語の壁があったよ!?」
そんな会話をしている頃には彼女の顔には笑顔が戻っていた。
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