食事

俺と愛華の家は隣接している。まぁお隣さんというやつだ。バドミントンを終えた俺と愛華はお互いの家でシャワーを浴び、愛華の家で食事を取っていた。両親は互いに海外に行ってしまっているため、料理が得意な愛華にいつもお世話になっている。俺は皿を並べたりなど雑務をしている。

「うん。今日も美味しいよ。いつもありがとな」

「1人分も2人分も変わらないから気にしなくていいよ~!それに秀の両親からお金は貰ってるし!」

「俺も料理作れるようになるべきだよな~」

「まぁ私に身体掴まれてるみたいなもんだからね~」

「それをいうなら胃袋だろ。」

「胃袋は否定しないんだ!あと私が掴んでない胃袋って何個ある?」

「俺は牛か!?胃は1つしかない。」

テクニカルなボケをしてくるな。

「まぁ秀の胃が何個でも私は掴めると思うけどね!」

「自信ありそうだな。」

「うん!小さい頃からずっと見てたから。秀の事なら自分に聞くより私に聞いた方がいいよ~!」

そんな事はないと言おうとしたが、愛華なら有り得る。と思いその言葉を引っ込めた。

「ごちそうさまでした。」

「ご粗末さまでした。」

「食後のコーヒー飲むか?」

俺は愛華にたずねた。彼女は首を縦に振り、バッグから教科書を取り出した。

「今日は何から始めるんだ?」

「うーん数学かなー!」

「じゃあ俺もそうしよっかな。」

2人分のコーヒーを机に持っていき、俺も勉強を始めた。


~~~

そして1時間みっちり復習した後、休憩に入った。喉が乾いたので冷蔵庫からお茶を取り出そうとすると俺が好きな期間限定のコンビニスイーツが入っていた。

「お前もこれ好きなのか?」

「あーまぁまぁかな。秀が好きだと思って買っておいたんだ!食べていいよ!」

「ありがとう!後でお金置いとくな~」

「うん!1日目は1円でいいよ。2日目は2円、3日目は4円で、それを30日目まで続けてね!」

「おい、詳しくは分からないけど、それ莫大な数になるだろ!幼なじみを騙そうとするな。」

なんだかんだ言うが結局俺を思って買ってくれたことは嬉しかった。後ろで30日目まで合計何円になるのか計算している愛華がいた。そしてその結果をこちらにみせて楽しそうにしている。

愛華といると退屈しないな。俺は彼女の料理に胃袋を掴まれているだけではなく、彼女の魅力にも心を掴まれているのかもしれない。





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