現実とは

勝利だギューちゃん

第1話

「私、看護婦さんになるの?」

「ナースさん?」

「うん。白衣の天使。」

「そうなんだ。叶うといいね」

「ありがとう」


小さい頃、仲の良かった女の子との会話。


当時はまだ、看護婦という言葉が使われていた。

今は、男女共に看護師で統一されている。


保父、保母も、廃止され、保育士で統一されている。

他にも、統一されたのがあるが、例外もある。


そのひとつが、巫女。


これは、女性しかなれないので、当たり前なのだが・・・


それは置いておいて・・・


あれから、20年以上経った。

あの女の子とは会っていない。


どうしているのか、たまに思い出す。


病院に行ったことも何度かあるが、そこで看護師になった彼女と再会。


なんてことは、あるはずもなく、音信不通。

彼女は、生まれつきの茶髪なので、巫女にはなれない。


さてと・・・


こうしていても仕方ない。

散歩でもしてくるか・・・


「あなた、どこ行くの?」

「散歩」

「私も行くわ?いい」

「オフコース」


見合いで知り合った、嫁さんと毎日散歩している。

互いに運動は苦手だが、歩くのは好きだ。


嫁が、あの彼女であるということも、断じてない。

いくら僕でも、あの彼女ならすぐにわかる。


初恋の人なので・・・


それから、さらに10年経った。


僕は定期健診で、病院に来た。

確か今日から、新しい主治医になるはずだ。


「○○さん、お待たせしました」

看護師さんに呼ばれて、診察室に入る。


医者は、女性の方のようだ。


「○○さん、少し尿酸値が高いですね。他は異常ありませんが、ダイエットしてください」

女医が振り返る。


そこには・・・


「どうかしましたか?」

「いえ・・・」


やはり、あるはずないか・・・

そんな、再会は・・・


あの子とは、もう会うことなく一生を終えるんだろう・・・

まあ、それでいいか・・・

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現実とは 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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