第284話 用語解説47

品質管理部なら知っていて当然な単語を解説



・これくらい大丈夫


 品質管理の重要な仕事のひとつ、限界の見極め。

 図面の記載が曖昧なキズなどは、限度見本を取り交わすってのもありますが、量産が始まっており、これを納入しないとまずいってときには、限度見本なんて間に合いませんよね。

 そんな時に品質管理の担当者は、出荷出来るのか、出来ないのかを判断することになります。

 というのは建前で、たいていはNGなんだけどばれないかな?っていうのが多いです。

 自分はそんなものはNGとしますが、他社の話を聞くと「あのタクトでこのキズを発見することは出来ない」っていう謎理論で出荷してたりするとか。

 弊社じゃなくてよかった。

 弊社じゃなくてよかった。

 大切な事なので二回言いました。

 まあ、そういった経験の積み重ねが、自分の中での判断基準になるのですけどね。

 他人の言うことを信じて出荷して、大変なことになったりもするので、他人に聞いてばかりではなく、自分の中で消化して処理していかないとですね。



・準備会議


 新規プロジェクトでは、自社の開発チームを客先に報告することもあります。

 とくに、あの会社はきっちり要求して来るよね。

 で、そこに名前が載ると、客先からの問い合わせが多くなるので、プロジェクトには参加するけど、客先に名前は出されたくないって人が出てきます。

 そんなもん、会社から給料もらってるんだから、諦めて欲しいのですが、必死の抵抗で会議が長引く。

 会議中にコーヒー飲み過ぎて、頻尿になりました。



・内燃機関関連の部品メーカー


 やったこと無い分野に進出するのは大変だけど、電気自動車が増えるなら、既存の仕事は先細りなのでやらざるを得ない。

 ピストンとかマフラーは間違いなく数が減りますからね。

 自社開発よりもM&Aしちゃった方が楽だとは思います。

 今後は益々新規参入が増えるのかなとは思ってます。

 大変だー。



・ぬれ性測定


 油分残りの測定と書きましたが、検査規格などには洗浄度の確認って書いてます。

 油分残りはテープ剥がれ試験でもやりますからね。

 インクを弾く、弾かないは感覚なので、わかりにくい時も多いです。

 特に平面が小さい製品だと、判定しにくいですね。

 誤判定は必ずしも作業者だけが悪いわけではありません。



・コピー&ペースト


 パソコンが業務に導入されてから、類似品の書類作成は楽になりました。

 だけど、そのせいで内容を見ないでコピペするだけっていう社員が、間違った資料を作成する事案が後を絶ちません。

 書類に全部レ点チェックをして、それをエビデンスとして添付したりもしますが、ポカヨケもないので当然見逃したりします。

 製造にばれると仕返しされますよね。

 具体的事案は避けますが、設計変更の製品で変更点を見逃して、協力メーカーに以前と同じ検査規格を送ってしまい、大変なことになったのもありました。

 単にコピペすればいいだけの仕事って無いですよね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る