第269話 新章だったりして?

今回は色々と怒られそうなのでぼかしています。

伝わらなかったらすいません。



 今日は、託宣があったとかで、俺は王都に来ていた。

 オーリスも一緒に来ているが、呼び出されたのは俺とオッティである。

 オッティはグレイスと一緒来た。

 オーリスは俺の監視の為だが、グレイスは単に面白そうだからという理由である。

 託宣を伝えるというわりには、何故か神殿ではなくて、王城に呼ばれていた。


「何で王城なんだろうな?」


「さあ?」


 オッティの質問に肩をすくめる。

 謁見の間に案内されると、美形の若い男がいた。

 格好を見ると神官かな?


「ようこそおこしくださいました。私は神官のザガートです」


 その名前を聞いて、嫌な予感を虫が知らせてきた。


「用件はこの後姫様が自らお伝えいたします」


 その言葉のすぐ後に、綺麗なお姫様が入室してきた。

 全員が頭を垂れる。

 そして、姫様は口を開いた。


「この 世界セフィーロを救って……伝説の……」


「いやいや、ご冗談を」


 相手が姫様だろうが、これを突っ込まずにはいられなかった。


「アルト!」


 慌ててオーリスが俺の袖を引っ張り、無礼な振る舞いを止めようとする。

 たが、俺は止めない。


「そもそもこの世界がセフィーロなら、あんたはエメロード姫か?」


 俺は冗談のつもりでそう言ったのだが、姫様は頷いた。


「いかにも、私がエメロードです」


 ショックを受ける俺に、オッティがポンポンと肩を叩いてきた。


「アルトは気づいて無かったかも知れないが、この小説の登場人物のところに、セフィーロが世界の名前って最初からずっと書いてあったぞ」


「なっ、なんだってー!!」


 確認すると確かに書いてある。

 どうやったら確認できるんだよっていう突っ込みはなしだ。


「っていうか、エメロードもセフィーロも俺達に助けを求めるんじゃなくて、メインバンクか政府に助けを求めればいいのにね」


「おいアルト。それは流石にいいすぎだぞ。まだ自力で再建出来るレベルだからな」


 俺の愚痴にオッティが絡んできた。


「二人とも、何を言ってるのよ!世界の危機なのよ」


 グレイスに怒られてしまった。


「赤も青も助ける余裕な……」


「「それは言っちゃだめ!」」


 うっかり爆弾発言をしそうになるグレイスを止めた。

 セフィーロの危機についての話をしようじゃないか。


「あの、話を進めてもいいかしら?」


 エメロード姫が不機嫌そうにこちらを見ている。

 その冷たい視線にゾクゾクするが、何かを感じ取ったオーリスも、俺を侮蔑の眼差しで見てくる。

 真面目にいこう……


「で、俺達が世界を救えるのですか?」


 その質問にエメロード姫が頷く。


「魔王マークⅡが復活したのですが、あなたたち二人なら魔王マークⅡを倒せると託宣が有りました」


 無理矢理な導入だが、わからなくもない。

 ただひとつ、魔王マークⅡを除いては。


「魔王マークⅡ?」


 聞き返すと、エメロード姫は無言で頷いた。


「先代の名前があまりにも恐ろしくて、今の二代目はマークⅡとだけ呼んでおります。魔王マークⅡが復活してからというもの、セフィーロは危機に瀕しております」


「だから、そういうのは、赤青緑のどれかに助けて貰った方が……」


 敢えて何がとは言わなかったのだが、空気を読めないオッティが余計なことを言う。


「赤青緑は今なら魔王マークⅡの方に行くだろうな」


 この子は何て事をいうんだ!

 グレイスもそこに加わる。


「緑は半分が昔魔王に失礼な態度を取ったので出入り禁止よ」


「ストップ!いつもよりも多くの問題を抱えているから!引退した役員が暴露本出しちゃうとかあったけど、今はそこまででやめておいて!」


 俺は二人を制止させた。

 異世界に赤、青、緑の女の子を召喚する話のはずが、いろんな所に喧嘩を売っている気がする。


「だってあの人、その後に行った会社で……」


 グレイスはまだなにか言いたそうだ。


「それはここで言うべき事じゃない!!」


 兎に角黙らせる。


「いいじゃないか、どうせ一年後には東京タワーの中で、『こんなのって、こんなのってないよー』って叫ぶことになるんだから」


「オッティ、それってバッドエンドだよな?読者も視聴者も株主も嫌な思いをする」


「そこまでは言ってない」


 無配転落で、作者も思わず叫びたくなりました……


 こうして、俺達と魔王の戦いが始まったのだ。

 多分続かない。



※作者の独り言

多分続きは書かない。

三ヶ月後に決算を見て、書きたくなる可能性はあるけど。

たまたまレ●アースの主人公たちととある企業のイメージカラーが一緒っていうね。

緑は許される日がくるのでしょうか?

金融に比べたら、製造業はマシですね。

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