第153話 用語解説24
品質管理部なら知っていて当然な単語を解説
・リース
会社の自動車や設備はリースが多い。
ローンとの違いは資産が誰のものかという事。
ローンは自分の資産になるが、リースはリース会社の資産となるため、決算時に資産を圧縮して税金を安くできるというメリットがあった。
その穴は塞がれたけど。
商法で設備のリースは最長7年だったため、翌年も継続して使用する場合は再リース契約を結ぶ必要があった。
再リースを繰り返すと最後は資産価値が無くなるので買取となる。
減価償却については専門家に聞いてほしい。
まあ、そんなわけで、古い設備はリース費用がやすいので、ポンコツな経営者はよろこんでポンコツ設備を購入する。
トータルコストを見たら、新しい設備の方がはるかにお得。
・輸送トライ
実際の納入と同じルートを往復させて、輸送による品質的な懸念が無いかを確認する試験。
大体問題は発生しない。
実際の納入が始まると、不思議と不具合が発生する。
ロードノイズからの揺れで製品が傷つくのだが、どこを走ったらそうなるのか不明。
ソニーのトランジスタラジオも、赤道をコンテナで超える時に不具合が発生していたらしいですが、事前にわからなかったんですよね。
あれは温度ですが。
因みに、高温によるシールの剥がれなどもあったりします。
冬場よりも、夏場の方が見えてなかった不具合が多いですね。
設計は冷凍車で運搬しろとか言いますが、お前それ設計に織り込んでおかないと見積もり出来ないぞと。
・リバースエンジニアリング
パクリ。
大陸で良く行われている。
・3Dスキャナー
非接触三次元測定機と3Dスキャナーは似ているけどちょっと違う。
説明が面倒なので、作品中では3Dスキャナーと呼んでいるが。
品質管理の仕事で使用するのは非接触三次元測定機です。
3Dスキャナーは非接触三次元測定機に比べて、測定精度が低い。
・サスペンション
路面の凹凸を車体に伝えないための装置。
昔の馬車には付いていないので、異世界転生作品では主人公が持ち込むことが多い。
ばね式のサスペンションはバネレートの設定があるので、間違うと乗り心地が悪くなる。
ダブルウィッシュボーンとかトーションビームとか種類がある。
サスペンションは生産に時間が掛かるので、サスペンションメーカーの生産管理は、弊社の生産管理よりも車両生産情報を取得する能力が上。
よくあの急増を乗り切ったなと感心したものです。
・エルフ
いい車両です
・火の一族
いいメーカーです
・発条
NHKをぶっ壊す!
日本発条という会社が先にNHKと名乗っていたので、日本放送協会が許諾を求めたことで有名。
個人的にはいい思い出がない。
ここでは書けないような事があったのでね……
・開先
溶接作業する人には常識だけど、しない人にとっては全く必要ない知識。
でも設計者は知っていて欲しい。
溶接については設計不良がかなり多かったですね。
溶接記号しらないで設計している設計者も多いですよ。
・モータープール
自動車の駐車場。
出荷前の自動車が置いてある。
ここを越えてしまうと市場不具合となる最後の関所。
まあ、モータープールで見つかったら、市場に流出していると思ったほうがいいですが。
何故かモータープールで選別作業をしたのが武勇伝になる。
既に売り物として完成しているので、傷をつけたら買取です。
・エアクリーナータンク
いい思い出がない。
どこのメーカーとは言いませんが。
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