第105話 用語解説17

品質管理部なら知っていて当然な単語を解説



・化粧品の容器


 外観部品なので傷などがとてもうるさい。

 売れ筋になると供給が間に合わず、生産計画など関係なく終わるまで帰れなくなる。

 そのへんは売れ筋のパチンコの部品と似ている。

 そんな無理な生産体制でうるさい品質の製品を生産したらどうなるかわかりますか?

 不良のオンパレードです。

 絶対にやりたくない仕事ですね。

 会社にとって利益が出ているのかどうか全くわかりません。

 ついでに、外観検査員は何故か女性が多いです。

 彼女たちはすぐに派閥を作って上司を困らせます。

 誰を贔屓しているとかあらぬ噂を立てて盛り上がる。

 非常にめんどくさい。

 検査を無人化できませんかね?

 知人男性は化粧品容器の検査ラインの管理をしており、女性不信になって未婚のままです。

 いや、品質管理と関係ないんだけどさ。



・プラスチック


 合成樹脂の代名詞。

 大阪の人が「プラッチック」って言ってました。

 多分全国的な呼び名じゃないでしょう。

 熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂がある。

 熱硬化性樹脂は一般にはあまりなじみがない気もします。

 熱可塑性樹脂には汎用プラスチックのポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)やエンジニアリングプラスチック(エンプラ)のポリアミド(PA、ナイロン)、ポリアセタール(POM、ジュラコン)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)がある。

 スーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)とかもあるが、やはり一般的ではない。

 ナイロン、ペットあたりが一般的に知られているプラスチックですかね。

 溶かして固めて形状を作るので、金型の技術とセットで発展してきた。

 そして、多くの品質管理担当者を悩ませてきた。

 溶けたものをコントロールするなんて難しいよね。



・ブロー成形


 金型に空気を送り込んで樹脂を膨らませる成形方法。

 プラスチックボトルなどは大体これで作っている。

 自動車部品でも使われている工法だけどね。

 なかなか思ったように膨らんでくれない。

 膨らみ具合の確認は水を入れて行う。

 設計的に内容量が計算できるので、水を限界まで製品の中に入れて、それをビーカーに出すことで容量が確認できる。

 そのほかに、肉の偏りを確認するために切断して肉厚を確認する。

 金型の調整には粘土を使う。

 粘土で膨らみ具合を微調整するのだが、結構難しい。



・エンドユーザー


 知らないがゆえにとんでもないクレームを入れてくる。

 そう思っていると時々こちらが想定していない不具合を見つけたりしてくれるので侮れない。

 自動車にしても工作機械にしても、エンドユーザーが実験台ってのはある。

 車のマイナーチェンジだって、ユーザーからのクレームで改善したものは結構ある。

 初期ロットは買うなっていうのはわからなくもない。

 それでも酷いクレームがあるので、できれば関わり合いになりたくない。

 ブラックボックスを開けたら壊れたとか、保証対象外ですよね。

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