第45話 用語解説8

品質管理部なら知っていて当然な単語を解説



・オフツール


 量産金型、本型のこと。

 車両イベントの段階では試作終了後に求められる。

 号試、VC、生試などではオフツールを求められるが、不思議とオフツールが間に合わない。

 でも、間に合ったことになっている不思議時空が発生する。

 因みに、本型本工程という意味で、オフツールオフプロセスと言う。

 そんなものはどこにもない。

 UMAかUFOみたいな存在だ。

 ※この物語はフィクションです。


・工試


 スバルの量産直前イベント。

 なのに工試時初品合格率が100%じゃないメーカーがあるとかないとか。

 弊社は勿論合格しかしたことないです。

 当たり前じゃないですか。



・PT2


 日産のイベントの呼び名。

 量産直前、最終イベント。

 この時はオフツールオフプロセスが基本。

 そう、基本だ。



・RPN


 Risk Priority Numberの略。

 影響度、発生頻度、検出度がそれぞれ10段階あり、その評価点を掛け算して数値を求める。

 その数値が高いほどリスクが高い。

 数値が高い場合は対策が必要だが、その閾値は任意となっている。

 多くの会社は100を越えたら対策が必要。

 なので不思議と100を越えない。

 複数部門の担当者が集まって、その数値を議論するのだが、はっきりいって時間の無駄。

 工程が長い場合は、まる二日かかる事もあるが、予算とか実現姓を見て、結局100を越えない数値を設定してしまう。

 という都市伝説があります。

 弊社では100を越えた工程については、きちんと見直しをしております。

 当たり前じゃないですか。



・海外工場


 何故か独り立ちできない。

 それと、頻繁に出張する人が、現地に恋人を作ってしまう困った制度。

 日本国内だけでいいじゃないですか。

 でも、気がついたら日本よりも待遇が良かったりする。

 治安が悪かったり、クーデターがあったりと苦難が多い。



・SOP


 Start of Productionの略。

 量産開始。

 反対はEOP、End of Productionの略。

 量産終了。



・初期流動


 量産開始後、特に注意して品質を監視する特別管理の期間。

 3ヶ月くらい監視する。

 監視した結果、問題がなければ解除となる。

 解除出来ない場合は特別管理が継続する。

 解除できないままの製品もあるが、何故か品質管理部門が怒られる。

 解決方法として、顧客に頭を下げて公差の緩和をお願いする。

 試作時からの問題が解決出来ていないのは、品質管理が悪いのか?

 そもそも、不可能に近い品質を要求されているのに、何も考えないで受注した奴に責任を取らせなくていいのか?

 本当にそれでいいのか?

 と言いたくなる事象。

 初期流動を考えたやつをタイムマシンで……

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