シガーキスと言えば、

代表的なあの作品と先生に敬意を込めて。







｢…なあ｣

｢何？｣

｢俺にも煙草くれない？｣

｢…良いけど、最後の一本だったんだぞ｣

｢そう固いこと言わずにさあ｣

｢……ほら｣

｢おー、サンキュ｣

　




　

　

｢…なあ、火ぃ貸してくんね？｣

｢ほら、ライター｣

｢じゃなくてさ、火ならそこにあんだろ｣

｢…ああ｣

｢……｣

｢……｣

｢…うえー、よくこんな苦いもん吸ってられるな、俺これ無理だわ｣

｢…お前やっぱ読んだだろ、BLACK 〇AGOON｣

｢読んだ、最高だった｣

｢影響されすぎ。そもそも俺ら男同士だから。シガーキスも曲がりなりにもキスだからな、いいのお前？｣

｢だって周りで煙草吸ってんのお前しかいなかったんだもん｣

｢高校生で煙草吸ってるやつなんかそうそういないわ｣

｢お前も高校生じゃん｣

｢まあな｣

｢偉そうな顔してるけど犯罪だからな？｣

　




　

　

｢…なあ、やっぱあの二人ってさ｣

｢……｣

｢あの後、絶対セックスしてるよな｣

｢…実は俺もそう思ってた｣

｢だよな？大人の世界っていうか、なんかいけないものを見た気分になっちゃったよ俺｣

｢お互いを認め合った二人の心が通じ合った瞬間を安易にセックスなどという俗っぽいもので表現するのではなく敢えてシガーキスで表現しているからこそ尊いんだろうがはっ倒すぞ｣

｢過激派！？｣

｢〇クレヴィこそ至高｣

｢分かる。広〇礼威先生は神｣

｢それでこそ俺の心友だ｣

　



｢あ、煙草返す｣

｢いらん、男が吸ったシケモクなんかもらってもゴミだ｣

｢ええ…｣

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう！

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録（無料）

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る