第3話 星の記憶と謎空間

1人になって改めて最後のページを見る、日記の走り書きの文はこう書いてあった。


『この文を見たら1人になってから下の一文を口に出して唱えなさい。いい?絶対に1人になってからよ!』


『ワレ、ステラ・アステールノナニオイテケンゲンヲコウシスルモノナリ。ワレ、カコノキロクヲホッシ、ホシノキオクニカンショウスルトガビトナリ。』


何これ…日本語?

とりあえずそのまま言えばいいのかな?


「我、ステラ・アステールの名において権限を行使する者なり。我、過去の記録を欲し、星の記憶に干渉する咎人なり。」


口に出して唱えだした直後、自分の体がほのかに光だした。

言い終わると突然周りの景色がぐにゃりと歪んで変わっていった。


変化がおさまって周りが見えるようになって、ここが宇宙空間のような所だと気づいた。


下の方に地球に似た惑星が見える。


足元は床がないのに、浮いてる感じではなく立ってる感じ。


(ここはどこ?)


不思議な現象にちょっと怖くなってきた頃、目の前に1冊の本とペンと消しゴムみたいなものが出てきた。


本の表紙には漢字で星の記憶と書かれている。


(何この本…星の記憶?…へぇー…ファンタジーだぁ…ちょっと感動…)


ちなみに、後から思うのだが、これから自分の身に起こることを知っていれば、こんな呑気なことは言えなかっただろうと思う。



ひとしきり表紙や裏表紙を眺めて何もないことを確認してから、ページを開く。


すると、過去にあったことだと思われる、様々な情報が一気に頭に流れ込んできた。


その流れはおさまる気配がなく止まらない。


(ま、待って…頭が割れるっ…痛い……………も、無理……。)


私はそこで気を失ってしまった。






そしてどれだけ時間がたっただろうか…。


(なんだか…暖かい…?)


気がつくと私は天蓋付きのベットで、同じ歳ぐらいの金色の瞳に黒髪の綺麗な顔をした少年に手を握られていた。


「ジ、ジークフリート王子殿下…?」


(何この状況…意味がわからない…そして嫌な予感がする…。)

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