第14話 〇〇少年、現れる。

「いよいよ、盛り上がって来たわね! じゃんけん大会! アハッ!」

 自分も勝ったことに期限を良くした超能力少女の真理亜。

「緩い世界の〇〇少女ワールドだから、メインストーリーに拘らずに、日常と時事ネタだけやっていればいいと思うんだけどな。」

 魔法少女は終わってしまうメインストーリーモノより、何十年も続く日常と時事モノの方が〇〇少女ワールドには合っていると思っている。

「そもそも、私たちはなぜ戦っている? じゃんけんで。」

「アイドルになりたいから! アイドルは小学生のなりたい職業、女の子1位よ!」

「あんたは女子高生でしょ。」

「アハッ!」

 笑って誤魔化す。そうか! じゃんけん以外は日常と時事の会話でつなげば、問題は解決だ! 今やアイドルモノはヒットコンテンツであり、リズムゲーム、コンサートで儲けるのが定番である。

「なによ!? アリアちゃんはアイドルになりたくないの!? キュンキュンキュンキュン言ってるだけでお金が入ってくるのよ!? アイドル最高! アハッ!」

「真理亜ちゃんらしい考え方だわ。」

「やったー! 褒められた!」

「誰も褒めてない。」

 落ち着きを取り戻す二人。

「そうか、私たちはアイドル、〇〇少女48になる宿命なんだね。」

「そうよ! 小学生の憧れ! 夢と希望を壊してはいけないわ! アハッ!」

「分かったよ。これも子供たちのためだ。私もアイドルもがんばろう!」

「やったー! それでこそ、お友達よ! アハッ!」

 遂に魔法少女もアイドルになることを受け入れた。

「じゃんけん大会! がんばるぞ!」

「おお!」

「私たちが戦うとしたら決勝戦だね。真理亜ちゃん。」

「さすが私のライバル! 演出もバッチリね。」

 ライバルの二人も真面目に、じゃんけんをしないじゃんけん大会に取り組むことにした。

「あと残っている○○少女は、いいね少女のエリアちゃん。呪い少女のオリアちゃん。鈍感少女のコリアちゃん。破壊少女のサリアちゃん、悪夢少女のセリアちゃんの5人ね。」

「あかさ行だけだけど、出席率の悪い学校ね。みんな、これで卒業できるのかしら?」

「残ってる生徒もヤンキーみたいのばっかりだし、日常と時事ネタをメインストーリーにした方がいいんじゃない?」

 心配性な魔法少女。

「大丈夫よ! だって私たちは主役だもの! きっと優勝してアイドルになれるわ! マッマッマ!」

 主役は勝つと思っている超能力少女。

「優勝賞品のアイドルになれる権利はもらった!」

 その時、じゃんけん大会に男の声が響き渡る。

「何者だ!?」

 そこに複数の男たちが現れる。

「俺たちは○○少年!」

「○○少年!?」

 現れたのは○○少年たちだった。

「そうだ! ○○少女ばかりちやほやされるのが羨ましくて、男だってちやほやされたいんだ!」

「なんて邪な言い分かしら?」

「男のクズの中のクズだわ。」

 ○○少年の言い分に呆れる超能力少女と魔法少女。

「じゃんけん大会の賞品のアイドルになれる権利を奪って、俺たちがアイドルになるんだ!」

「そうはさせないわよ! 私たちの夢と希望を返しなさい!」

「返してほしければ力強くで奪い返すんだな。箱根で待ってるぞ! さらばだ!」

 ○○少年たちは去って行った。もちろん途中の鶴見、戸塚、平塚、小田原、そして芦ノ湖には、○○少年の刺客が待ち構えている。

「なぜ箱根なの!? 普通に富士山とか、東京タワーとかでいいじゃない?」

「きっとお正月に箱根駅伝を見て思いついたのよ。」

「男って単純ね。アハッ!」

 余裕をかましている超能力少女と魔法少女。

「やっとメインストーリーらしくなったわね。アハッ!」

「これで鬼退治にも対抗できるはず。アハッ!」

 ニュースでやっていた。鬼退治が人気だと。理由が漫画は面白くないが、アニメになったら絵がきれいだった。老若男女問わず一般大衆にウケているそうな。

「さあ! みんな! ○○少年たちを倒しに行くわよ!」

「おお!」

「いいね! SNSバエしそうなきれいな写真が取れそうだ! アハッ!」

 いいね少女はやる気満々。

「なんで?」

「え?」

「どうして○○少年たちを倒しに行かないといけないの?」

「おまえが命令するな。」

「ごめん。よく聞き取れなかった。」

「・・・・・・。」

 しかし他の4人の呪い少女、破壊少女、鈍感少女、悪夢少女は乗り気ではなかった。

「どうして!? みんな、アイドルになりたくないの!?」

「いいね! アイドルになれば、いいねがたくさんもらえる! アハッ!」

「別に。ゲームセンターで踊っていればスカウトされるよ。」

「なりたかったら、自分で勝手にデビューしろ。」

「ごめん。難しすぎて話が分からない。」

「・・・・・・。」

 〇〇少女たちは自由奔放だった。

「ダメだ!? こんなバラバラじゃ、○○少年たちには勝てない!?」

「私に任せて! こなったら私のテレキネシスで、皆を操ってやる! うおおおおおおおー!」

 珍しく自分が超能力少女であることを思い出した真理亜は気を高める。

「みんな! ピクニックに行こう! 遠足だ!」

「ズコー!? そんなことでテレキネシスにかかる〇〇少女はいないでしょ!?」

 超能力少女の一言にズッコケる魔法少女。

「いいね! ピクニック!」

「おやつは300円を超えてもいいです?」

「スマホのバーコード決済は自由に使ってもいいんですか?」

「ピクニック! やったー!」

「・・・・・・遠足、楽しみ。」

 みんな、ピクニックが大好きだった。

「これでいいのか?」

「いいのよ。〇〇少女ワールドは緩い愛と友情と絆のお友達感動ストーリーがめいんだから。アハッ!」

 もう何が何だか分からない〇〇少女ワールドであった。3万字が勿体ないので、10万字まで駆け抜けろ!

 つづく。

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