第13話 じゃんけん大会、極まる
「じゃんけんをしないじゃんけん大会か。どこまで行けるか楽しみになってきたわ。くだらないけど、愛らしいわ。」
いつしか魔法少女アリアは、じゃんけんをしていないじゃんけん大会に興味を持ちだし気持ちがワクワクしてきた。
「続きまして、破壊少女サリアちゃん対、眠り少女シリアちゃん!」
まだまだじゃんけん大会は続いていく。
「全てだ! 全て私が破いて壊してやる! サッサッサ!」
「あれ!? 本当に女子高生か!?」
同じ学校に○○少女たちは通学している。
「シリアちゃんがいないぞ!? まさか!? この展開は!?」
眠り少女の姿は何処にも見えなかった。
「え~シリアちゃんは眠ってて起きないので、この勝負! 破壊少女のサリアちゃんの勝ちです!」
「おお!」
やはり不戦勝で勝負が着いた。
「フッ、私に恐れをなして狸寝入りか? 賢明な判断だ。サッサッサ!」
勝手機嫌のよい破壊少女。
「スゴイ! また不戦勝で乗り切ったぞ! 今までにないストーリー展開だ! アハッ!」
妙な所に興奮している魔法少女。
「今までのお話で、まともな○○少女がいなかったというだけね。アハッ!」
「真理亜ちゃんが言うな。」
「アハッ!」
メインストーリーがなく、日常や時事ネタだけやってきたツケである。
「続いての勝負は、私、美少女教師少女のスリア対、悪夢少女のセリアちゃん!」
じゃんけん大会に司会少女やレフリー少女がいないので、全て進行は女教師少女が行っていることになった。少ない経費でがんばっている。
「自分で自分に、美少女をつけるなんて、なんてナルシスト女教師少女なんだ!?」
魔法少女は少しのツッコミも忘れない。
「先生、教師なんですから、じゃんけん大会に出ないで下さいよ。」
「いいじゃない!? 私だって、アイドルになりたい! アハッ!」
「うんな、アホな。」
悪夢少女の抗議に反論する女教師少女。
「仕方がない。私の悪夢の中でアイドルになって、ストーカーのファンに追い回されていてください。悪夢少女セリアの名で命じる! 地獄の悪夢の世界を彷徨うがいい! ナイトメア!」
悪夢少女は女教師少女に悪い夢を見させる。
「やったー! アイドル! キャアアアアアアー!? 来るな!? ストーカー!?」
女教師少女は悪夢にうなされている。
「勝者、私。なんか文句ある?」
じゃんけんをする前に勝った悪夢少女であった。
「そうか!? これはじゃんけん大会でもあるけど、○○少女の特殊能力を使った格闘ゲームでもあるのね!?」
「今更かい!? 真理亜ちゃん! 少しズレてるよ!」
「アハッ!」
ようやく〇〇少女ワールドのじゃんけん大会の趣旨を理解した超能力少女。
「こんなじゃんけん大会はさっさと終わらせよう。司会の女教師少女を倒したから私が司会をするね。」
悪夢少女が司会になった。
「次、ウイルス少女ソリアちゃんと、超能力少女真理亜ちゃん。さっさとじゃんけんしちゃってください。」
ペースアップはするが、特にやる気はない悪夢少女。
「よっしゃー! 最後の最後で真打の私の登場ね! アハッ!」
「真理亜ちゃん、がんばって。」
いよいよ超能力少女がじゃんけんをする時がやって来た。
「最初はグーよ! 次にチョキ! とどめはパーで刺すわ! マッマッマ!」
「じゃんけんができればいいけどね。」
「どういうこと?」
首を傾げる超能力少女。
「だって真理亜ちゃんの対戦相手は、ソリアちゃんだもの。」
「ゲゲー!? ゲのゲー!? 感染少女!?」
そう、超能力少女の対戦相手は世界を細菌感染で地獄に包むパンデミック少女であった。
「ソッソッソ。私とじゃんけんの濃厚接触したらウイルスに感染するよ。アハッ!」
お約束の流れ通りウイルス少女も戦わずして勝つ不戦勝を狙っていた。
「まずい!? あんな存在が化け物とじゃんけんなんかしたらお友達になるどころか、私がこの世から成仏してしまう!?」
「そうだ! ここで真理亜ちゃんがじゃんけんをしてしまったら、今まで奇跡的に不戦勝を続けてきたじゃんけん大会が台無しになってしまう!?」
「アリアちゃん、動機が不純なんだけど?」
「アハッ!」
魔法少女も困った時は笑って誤魔化す。
「どうする!? どうすればいい!? 考えるのよ!? 真理亜!? う~ん、頭が痛い!? アハッ!」
おバカな超能力少女には考えても答えは見つからなかった。
「真理亜ちゃん、あれをやるしかないんじゃない。」
「あれね。アリアちゃん。分かったわ。」
お友達同士の超能力少女と魔法少女には分かり合えるものがある。
「くらえ! ウイルス少女! これが私のタイキックだー!!!!!!!!!!」
「ギャアアアアアアー!?」
超能力少女はウイルス少女を遥か彼方に蹴り飛ばした。
「残念だわ。じゃんけんしたかったのに。アハッ!」
「それでこそ私のお友達であり、私のライバルだわ。アハッ!」
最近、やはり魔法少女もおかしいと感じる今日この頃。
つづく。
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